JR西日本、最大で2,786億円の公募増資を実施へ!

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JR西日本が公募増資。
鉄道業界的には、今までなかった動きにはなる形ですが、これが他の上場している鉄道会社に波及するかどうか。
いや、まだ公募増資で補える会社はマシと言うべきなのかも知れないけれど。

JR西日本、大規模公募増資実施へ!

新型コロナウイルスの影響を受けて、2期連続の最終赤字を計上する見通しになっているJR西日本が、最大で5,266万株の公募増資を行うコトを発表しました。

株式の希薄化率は21.58%。
発行価格は2021年9月13~15日のいずれかの日に決定し、最大で2,786億円を調達する計画。

同じように運輸関係では、JALとANAが早々と大規模な公募増資に踏み切っており、毀損した財務を補うと共に、次に繋がる投資の資金を確保しています。

またソラシドエアとAir Doは持株会社方式で経営統合を実施予定するなど、業界の再編に向けた動きも出た他、スターフライヤー・スカイマークも増資を行うなど、毀損した財務を補う動きが航空業界では先行していますが、その波が鉄道業界にまで達したと言う感じでしょうか。

公募増資の理由は?

JR西日本は、2018年度は過去最高実績となる1,969億円の営業利益を上げていましたが、コロナ禍の影響を受けた2020年度決算では、2,332億円の当期純損失を計上。

大きな赤字計上を受けて、間接部門の社員削減など構造的なコスト削減を行なってきた他、2021年3月期に社債発行ならびに借り入れで約7,000億円を調達。さらに今年度も1,600億円の社債発行を実施・コミットメントラインの設定などで、資金を確保して来ていました。

さらに利用者に直結する所のダイヤに関しても、利用状況に応じたモノにするなど、鉄道業界の中でも早く動いている印象。

が、ここに来て国鉄民営化以後、初となる公募増資。

しかも、かなりの希薄化率。

その理由としては、やはり財務体質が非常に弱くなっていて、早期に改善する必要があったと言う所。

そして旅客の回復も、当初の想定よりも鈍く推移しており、7月には鉄道利用がコロナ禍以前の90%までに回復する時期を、JR西日本は、“8月~3ヶ月”と想定していたのを、“10・11月~4ヶ月掛けて”と後ろ倒し。

今年のお盆期間中の新幹線・在来線特急の利用者も、コロナ禍以前の2019年度と比べると70%減に留まるなど、回復基調とは程遠い状態になっていて、さらに旅客の回復が後ろにズレ込みそうと見たのだろう。

調達した資金で

・大阪駅西側エリア再開発…700億円
・鉄道運用の効率化に向けた設備投資…500億円
・新幹線の新規車両導入…750億円
・デジタル戦略推進…200億円弱
・長期債務返済…1,000億円

などに充てられると言う。

不採算路線を考えなければ、解決にはならない?

上場しているJRの中では、JR九州に次いで、経営基盤が弱含みの西日本。

元々、中国エリアで閑散区間を多く抱えており、それを近畿圏の黒字で補ってきていたのが、コロナ禍でできなくなったと言うコト。

今後も当面はこの流れが続くのでしょうから、不採算路線をどうするのか…と言う議論が、もっと出て来てもおかしくはない(既に出てはいるが)。

逆に、不採算路線をどうするのか…と言う点を先に進めなければ、構造的には変わらないのでは?と言う気もする。

それを補うだけの兼業部門を確保すると言う流れならば、別だけれども。

 

ただここまで厳しいと踏んでいるのに、未だに配当は維持しており、2021年3月期は1株当たりの年間配当額は100円(前期は182.5円)。

この辺りの整合性も、どうなの?と言う気にはなるけれど。

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