去年は何気に決算の話題を良く書いた1年になりましたが、今年度も引き続き、そんな形になりそうな気がする。
いや…
経済ブログかよって、時々、思っちゃうけれど。
早く、決算ネタが通期ぐらいで済むような時代になれば良いんですけれどもね…
改善したが511億円の赤字!
ANAホールディングスが、2022年度3月期の第1四半期決算を発表しました。
コロナ禍後、赤字計上が続いているANAで、2021年3月期の通期決算では、4,046億円の赤字に陥った訳ですが、2021年度は黒字転換を目標としていて、その最初の決算ですが、ひとまず数値から追って見ると、こんな感じで着地しています。
項目 | 今期 | 前年同期 | 対前年同期比 |
売上高 | 1,989億円 | 1,216億円 | +63.6% |
営業費用 | 2,635億円 | 2,806億円 | ▲6.1% |
経常損益 | ▲637億円 | ▲1,565億円 | - |
当期純損益 | ▲511億円 | ▲1,088億円 | - |
売上高は773億円改善。
一方の営業費用は171億円の改善で、四半期純損益は576億円の改善と言う結果に。
但し、2019年度の売上高は、5,005億円だったコトを考えると、まだ半分以下の水準に留まっている形ではありますが。
貨物需要は引き続き好調を維持しており、国際線貨物では、前年度比159.5%増の660億円(前年同期は254億円)で、経営の下支えを引き続きしている状態です。
売上も改善したが、まだ本調子ではない段階か?
具体的に航空事業各セグメント別で見てみると、こんな感じ。
セグメント | 今期 | 前年同期 | 前年同期比 | |
売上高 | 国際旅客 | 129億円 | 95億円 | +6.5% |
国内旅客 | 502億円 | 224億円 | +123.5% | |
貨物郵便 | 737億円 | 298億円 | +146.6% | |
LCC | 39億円 | 17億円 | +128.5% |
国際線は、引き続きほぼ売り上げが消滅している状態。
2019年度第1四半期と比べても、まだ8%と言う状態に留まっている形。
国内線は、利用率は42.7%とまだ低い状態が続いているが、盛り返しの兆しがはっきりと見えて来た状況だが、こちらもまだまだ本調子とは言えない段階。
LCCのPeachも改善の傾向は見せている状態。
旅客数は順調に186.5%と増えているが、それに見合った売り上げ増になっていないので、単価が下がっていると言うのが分かる。
利用率は、46.8%で、こちらも前年同期の35.5%より改善しているが、この利用率ではLCCとしては厳しい状態だと言えるでしょう。
感染拡大が続いている状態だが…
機材数は、大型機であるB777型機を大幅に削減し、現状、39機体制(2020年度末は44機)。
中型機の旧式タイプの退役も勧められており、2020年度末に293機体制だったのが、2021年6月末には284機体制に。
こうした費用削減などを積極的に行なっており、手持ち資金は約9,000億円を維持している。
確かに大きく改善した決算となっているが、今期の通期は、経常利益で50億円、純利益で35億円の黒字化を計画しているが、まだそこまで達するような気配ではない。
首都圏を中心に、緊急事態宣言も出ている状態なので、秋口も出鼻をくじかれそうな勢い。
秋にも「Go To トラベル」を復活させる噂もあったけれども、さすがに今の状況だと、もう年内の復活は難しい情勢だろう。
それを考えると、なかなか厳しそうな感じはするけれど…と言う感じ(そもそも黒字化が達成できるのか?と言う感じもする)。
ただ仮に今期、黒字化が達成できなかったとしても、ある程度、改善してきているので、今後、資金のショートと言う意味では可能性は薄そうな気はしますね。
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