大韓航空、経営再建迷走中のアシアナ航空を買収へ!

一気に世界有数のメガキャリア誕生へ!

経営再建が迷走を極めていた韓国航空業界2位の「アシアナ航空」だが、同1位の「大韓航空」が買収するコトが、発表になりました。

買収金額は1兆8,000億円(約1,700億円)で、買収が実現すると、保有機材数が243機を数え、売上高が19兆6,500億ウォン(約1兆8,600億円)にも達する世界7位クラスのメガ・キャリアが誕生するコトになります。

買収のスキームは、株主割当増資と永久債を通じて韓進KALに8,000億ウォンを「アシアナ航空」の参詣団である韓国産業銀行(KDB)が注入。

韓進KALがこの資金を使い、「大韓航空」に2兆5,000億ウォンの増資を実施。

大韓航空は、増資で調達する資金で「アシアナ航空」を買収すると言う流れで、これが実現すると、韓国産業銀行は、韓進KALの主要株主に踊り出るコトになります。

寡占化・経営権紛争がハードルか?

但し、ハードルが低い訳でもないのが事実。

韓国航空業界は、人口規模に対して航空会社が多いとされていますが、今回の買収では逆に、寡占化が一気に進むと言う点。

国内線の占有率は、「大韓航空」が約23%で、「アシアナ航空」が約19%程度と言われています。
なので、2社だけで単純計算するとシェアが42%に達するが、傘下のLCCである「ジンエアー」と「エアソウル」「エアプサン」を含めると62.5%に達すると見られ、50%を大きく超えるコトになります。

そのため、政府当局による審査通過が容易ではないと見られる。

だが最大のハードルは、「アシアナ航空」側にではなく、「大韓航空」側にあるとも言える。

韓進KALは、実は経営権紛争の真っ只中。

グループのチョ・ウォンテ会長側が41.3%でチョ・ヒョナ前会長を支持している連合が47.71%を保有して経営権を争っている状態。今回の買収が完了すると主要株主に躍り出る韓国産業銀行が現会長側の友軍になる訳で、今後を占う大きな問題になる。

また一連の経営権紛争の中で、オーナー一族に対して世間からの目も厳しい。

既に「アシアナ航空」だけで数兆ウォンを投じた状態で、経営統合を進めるのは、韓進グループオーナー一族に対する特典と見られない状態。

既にチョ・ヒョナ側のKCGIは、外部資金支援が必要な企業は大韓航空であり、韓進KALに資金支援するコトは、既存の他の株主の権利を無視し、現経営陣の地位を保つ方策だと批判しているとのコトで、予断を許さない情勢と言える。

また韓国と言えば、労組のチカラが強いコトでも知られていますが、「大韓航空」「アシアナ航空」の6つの労働組合もまた、構造調整を懸念しており、反発が予想されると言う状況ではある。

大韓航空はホクホクか?

「アシアナ航空」の買収は、当初、最大で2兆ウォン(約1,910億円)レベルと言われていたので、コロナ禍でそれから大きく下がった金額で買収ができると言うのは、「大韓航空」としては笑いが止まらない可能性はある(航空業界の買収の場合、1+1=2にならないコトは多いと言えども)。

しかも、買収が実現すれば圧倒的な存在になれる訳ですし、傘下のLCC3社を繋げば、LCC部門でも「チェジュ航空」に対して存在感が高くなる。

さらに韓国産業銀行が主要株主に躍り出るコトで、「大韓航空」の懸案事項であった経営権の問題についても、肩が付きそうな勢いなのだから。

さらに言えば、経営破綻による解雇なども行われずに済むと言うのも大きく(雇用整理はあるでしょうが)、政府としても、反対する理由に乏しい訳だし、何よりも「アシアナ航空」の経営再建問題と言うのは、ずっと宙に浮かんでいた状態であり、ようやく前に進むコトにもなる。

と言うか、このコロナ禍で今更「アシアナ航空」を買うのは、既存の航空会社グループしかないと言える。

仮に他に可能性があるとしたら「チェジュ航空」を抱える愛敬ぐらいなモノだが、既にこちらも「イースター航空」の買収を行なうコトが発表されていたが、懸案事項が解消されなかったとして、買収が取りやめになっている状態ですし、そもそもコロナ禍で一番、影響が大きいのは、LCCな訳で、当面は、新規の事案に取り掛かれる余裕もないでしょう。

寧ろ、寡占化防止の為に、どれだけ金浦の枠を譲り受けられるかと言う方に関心が行きそうですしね。

「大韓航空」の「アシアナ航空」買収。

ようやく落ち着くところに落ち着くのかな…と言う感じがありますが、相対的に値段も安めに乗れるスターアライアンス加盟航空会社だっただけに、個人的にはちょっと残念な気持ちはありますけれどもね。

またどれだけ路線や便数の整理が行われるのかも気になるところですし、仁川の第1ターミナルはこれからどうなるんでしょうかね(大韓は第2ターミナル利用)…

また既に規模的には劣っている日本の航空会社からすれば、より強い難敵が誕生すると言うコトにもなりますね。

それにしても…
ここまで長かったなぁ…
よく潰れずに「アシアナ航空」が存続し続けて来たな…と言えるレベルだろ。

 

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