中間期過去最大の94億の赤字!
中部国際空港(セントレア)が、中間期決算を発表しました。
中間期で売上高は、67億6,000万円。
前年同期比で見ると、81.2%の減少で、経常利益も85億円の赤字(前年同期は59億円の黒字)。純損益も94億円の最終赤字となり、開港以来、最大の損失を計上したコトが明らかになりました。
2018年には複合商業施設である「フライト・オブ・ドリームズ」がオープン。
2019年には訪日外国人観光客の増加を受けて、旅客人数が1,235万人を数え、過去最高を更新するなど、これまで順風満帆でやって来ており、営業黒字が続いて来たセントレアですが、今年の4~9月の旅客人数は前年度比で90%の減少。
特に、国際線は壊滅状態で、一時、国際線の発着がゼロになるまでになり、中間期の国際線旅客人数は約3,000人と、前年同期比の0.1%にまで沈むコトに(国内線は約72万人で前年同期比20.8%)。
また免税店の売上も500万円と前年同期比で0.04%と言うところにまで沈んだコトが明らかになっています。
さらにLCC専用ターミナルを新設しましたが、セントレアを拠点にしていた「エアアジア・ジャパン」は事業撤退を決定しており、既に飛んでいない状態。
徹底したコスト削減に加え、飛行機の発着に頼らない経営を行なうために、売上の半分を飲食店などの商業施設で賄ってきましたが、約130店舗あるテナントの内、一時、110店舗が臨時休業するなど、大ブレーキなのだから、この決算は、仕方ないと言うか、分かっていた内容ですが、やっぱりかなり大きな赤字額なのは、確かですね。
通期でも202億円の赤字予想!
通期の見通しも発表になり、売上高は前年度比で79%減の138億円。純損益が202億円の赤字に転落予定。
通期では、初の赤字となりそうです。
立ち直りの気配はまだまだ見通せず、この冬には「エアアジア・ジャパン」の代わりに「ピーチ」が就航するコトが発表になっているのが、唯一の光とでも言えるでしょうか。
11月末には、セントレア内の診療所に、藤田医科大学病院と協力したPCR検査センターを開設する予定ですが、不透明感はまだまだ。
セントレアの場合、ドル箱路線になる羽田線がほぼナイに等しいので、他の大規模空港に比べて、苦境ぶりが鮮明と言う感じがしますね。
国際線は、先日、大韓航空が8カ月ぶりに運航を再開しましたが、まだまだ…と言う感じなので、国内線でどこまで収益を高められるか…と言う状態ではありますが…
羽田も通期で350億円の赤字予想!
ただ苦境なのはセントレアだけじゃなく、羽田空港のターミナルを運営している「日本空港ビルディング」の4~9月期決算も、純損益が228億の赤字(前年同期は59億円の黒字)。通期の見通しとしては、350億円の最終赤字を見込んでいるコトが発表になっている状態。
羽田の場合は、今年の3月に供用開始した国際線ターミナルの関連施設の減価償却費などが嵩んでいるのも大きいですけれどもね(それなのに、利用がないと言う意味でも)。

航空会社も苦境で、あれこれと手を打っていたり、構造改革に着手したりしていますが、「空港」となると施設産業な訳で、なかなか打つ手が限られていると言うのが実情。
よほどの空港好きか旅好きじゃなければ、基本的に、“空港に遊びに行こう~”なんて思わないですしね(そもそも騒音もあるので、不便な立地も多ければ、駐車場料金も高いですからね)。
赤字解消とまでは行かなくても、この時代だからこその、ちょっとでも売上が上がるような妙案があれば良いのですが…
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