JR四国、コロナ禍で収入激減!運賃改定を検討へ!

来年にも運賃値上げか?

JR四国の西社長が、定例記者会見で、運賃の改訂を検討する方針を表明しました。

実際には、9月から検討に着手し、実施するとしても、2021年4月以降になる見通しだとのコト。

運賃改訂の理由は、もちろんコロナウイルス感染拡大による大幅な運賃収入の減少。
これに尽きます。

7月の運輸取扱収入で見ると、前年同月の40%程度の水準にとどまり、JR四国発足以来、7月としては過去最低を記録。

8月も23日までで前年同期の35%程度の水準で、お盆期間中(8月7~17日)の利用実績も、主要線区(瀬戸大橋・予讃・土讃・高徳線)で合計16万人の利用者数となり、これは前年同期比で67%の減少になり、8月も発足以来過去最低レベルとなるのは間違いがなさそう。

想定以上の運賃収入の長期化。
また回復時期が見通せないコト。

これにより、従来予定していなかった運賃改訂の検討が必要と判断したとのコト。

仮に、運賃の改訂が実現すると、消費税の増税対応を除くと、1996年1月以来の改定になる。

また6月まで減車・減便が一部で行われていたが、これを再び、9月以降、行なう考えで検討しているとのコト。
こちらは、普通・特急問わず対象にし、利用者が特に減っている早朝・深夜の便が主な対象になる見込みだとのコト。

運賃値上げは対処療法に過ぎない

JR各社の中でも、最も経営基盤が弱いとされるJR四国。

そもそも会社発足から営業黒字になるコトもなく、高速道路網も四国各地を結ぶまでに発達し、それに伴ってバス網も充実してきた。

逆に、バスと自家用車利用に対抗するために、JR側も運賃値上げには消極的だった訳だけれども、もうそう言う次元ではなくなったと言えるのだろう。

個人的には、目立った大都市がない四国を基盤にしている中で、ここまで値上げを我慢しつつ、廃線も行なわず…と頑張って来たとは思うけれど。

ただ…
値上げをした所で、黒字化する訳でもないだろう。

元々の運賃収入があれば可能性はあったのかも知れないけれど、コロナ禍で運賃収入が激減している中では、たとえ値上げをしても黒字にはならない。

それは事実だろう。

そう考えると、値上げが次の1歩に繋がる訳でもない気はする。

経営基盤強化をどうするのか

次の1歩へと進むためには、財政基盤の強化は必須。

高齢・少子化でこれからますます運賃収入が減っていく可能性が高い中で、考えられるのは、まずはJR西日本との合併な訳だけれども、赤字会社である四国を合併するメリットは、西日本側には皆無。

寧ろ、それを行なった時点で、上場株式会社としては株主から訴えられる可能性が高いし、勝てる見込みもないでしょう。

ならば考えられるのは、地元自治体による出資と支援。

既にJR北海道には、北海道と沿線市町村が赤字8区間に合計2億円(北海道が1億4,000万円・市町村が合計6,000万円)を支援している。

これで観光列車の整備など集客力向上に結び付く資金として活用されている訳だけれども、これでも不十分だと言えるだろう。

逆に地方自治体から支援ではなく、出資をして貰い、まずは四国内での鉄道事業以外での収益確保。

それが最適ルートなのではないか。

確かに四国内には政令指定都市もないけれど、人口が50万人を超える松山市を筆頭に、高松・徳島・高知市の県庁所在地ならば、まだまだある程度の収益は確保できるように思う。

そこである程度の収益を確保しつつ、四国外に打って出る。
そう言うパターンで勝負に出て行かなければ、これから鉄道事業を今のレベルで維持して行くのは、困難ではないか。

運賃値上げは、仕方がないとしても、この先に繋がっていく様なストーリーがなければ、ジリ貧。

それはきっとJR側も分かっているとは思うのですが、その辺り、どう言う展開を考えているんでしょうね。

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