ANA決算、大赤字!
ANAが2020年度第1四半期決算を発表しました。
新型コロナウイルスの影響を受けた決算になる訳ですが、想像はできていましたが、やっぱり散々な結果になっていますね。
具体的に見てみると、こんな感じ。
前年同期 | 2020年度 | 増減 | 前年同期比 | |
売上高 | 5,005 | 1,216 | △3,789 | △75.7 |
営業費用 | 4,843 | 2,806 | △2,036 | △42.0 |
営業損益 | 161 | △1,590 | △1,752 | – |
単位:億円
営業損失は1,590億円。
経常損益は1,565億円。
四半期損益としては、1,088億円の赤字に転落です。
営業費用もかなり削減していますが、やっぱりそれ以上の売上の急な減少が進んでいるのが、良く分かる内容ですね。
セグメント別も貨物以外は壊滅的
今回の決算を、セグメント別に見てみると、こんな感じ。
前年同期 | 2020年度 | 前年同期比 | ||
航空事業 | 売上高 | 4,397 | 953 | △78.3% |
営業損益 | 141 | △1,537 | – | |
航空関連事業 | 売上高 | 739 | 598 | △19.0% |
営業損益 | 38 | 8 | △78.4% | |
旅行事業 | 売上高 | 382 | 31 | △91.7% |
営業損益 | 4 | △27 | – |
航空事業の旅客数などを見てみると、こんな感じ。
国際線 | 国内線 | |||
前年同期 | 2020年度 | 前年同期 | 2020年度 | |
旅客数 | 250 | 9 | 1,084 | 127 |
座席キロ | 171 | 23 | 147 | 39 |
旅客キロ | 129 | 6 | 99 | 11 |
利用率 | 75.4 | 26.2 | 67.1 | 29.9 |
国際線の旅客数に至っては、前年同期比で96%の減。
頼みにしていると思われる国内線も88.2%の減になっているので、どちらもかなり厳しい状態。
そりゃ、赤字に転落するわ…と言う感じですね。
一方で貨物に関しては、2.7%減の254億円と、比較的、健闘を見せたのは救いでしょうが(重量利用率としては7.9%の増になるぐらい)。
ピーチも散々な結果に
LCCのピーチについても、決算の内容は現時点では明らかになっていませんが、旅客数などが公表されました。
前年同期 | 2020年度 | 前年同期比 | |
売上高 | 206 | 17 | △91.6 |
旅客数 | 194 | 17 | △91.0 |
座席キロ | 28 | 5 | △80.5 |
旅客キロ | 24 | 1 | △92.0 |
利用率 | 85.7 | 35.3 | △50.4 |
想定はできていましたけれども、こちらも散々な結果になっている状態。
まぁ、ピーチの場合、貨物収入も皆無なので、赤字に転落しているのは、間違いがない訳ですが、それにしても壊滅的な感じです。
当面、耐えるしかない?
この決算を馬得て、2021年3月期通期で2,550億円のコスト削減を実施すると発表。
具体的には、外注していた作業の内製化や構造改革などであるが、経年機材の退役を早める方針も明らかに。
対象となる具体的な機種は明らかにしていませんが、国際・国内線に投入しているボーイング767-300/300ERや国内線に使用中のボーイング777-200/200ER/300辺りになるかと思われます。
その一方で、最終機材になる3機目の受領を遅らせているオール2階建てのエアバスA380に関しては、特に追加の発表はナシ。
既に国際線の不採算路線の見直しを発表していましたが、今回の決算発表では対象路線の公表は避けられ、再編路線の選定に時間が掛かっていると思われ、新たな計画は早くても8月下旬ごろの発表になる様子。
ANAとしては、雇用を守りながら、やりすごすと言う感じになるのかな…と。
A380については、そもそも貨物機に転用も難しいですし(貨物機となると実はあまりキャパがナイ)、現時点で中古に出したとしても買い手はないでしょうから、引き続き、持ち続けるしかないでしょうね。
手持ちの資金的には一息付いている状態のようですし、コロナウイルスと言う予期できない要素が襲っただけで、これまでの拡大戦略が悪い訳じゃないでしょうから、まずは止血を先決して、建て直して貰いたいところではありますが、なにせ糸口が見えてこないのも、事実だなぁ…と。
なお、通期の業績予想については、合理的に算定するコトが困難であるとして、引き続き、公表を見送っています。
コメントを残す