チェジュ航空、イースター航空買収を正式発表!

韓国LCCチェジュ航空、同業のイースター航空買収を正式発表!

韓国のLCC大手であるチェジュ航空が、同じ韓国のLCCであるイースター航空の株式の51.17%(4,771,000株)を取得するコトが正式に発表されました。

元々、2019年12月に買収了解覚書を結んでいた話であり、株式取得予定日は2020年4月29日で、取得費用は545億ウォン(約49億円)。

当初の予定よりも150億ウォンばかり低い価格での買収と言うコトになりましたが、イースター航空は、2018年は5,664億ウォンの売上に対して40億ウォン程度の黒字で、2019年は日韓関係の悪化があり全体的に大きく業界自体が不振になっているので、赤字に転落しているモノ(イースター航空自体、未上場なので正確な数字は未公表)と思われ、2月には給料の未払い自体が発生し、40%のみの給与支払いになり、年末生産での還付金も出せないと言う状況に陥っている最中。

買収する側のチェジュ航空も、LCCとしては韓国最大規模を誇るが、2019年は1兆3,840億ウォンの売上に対して341億ウォンの純損失を計上。2018年は709億ウォンの黒字だったから、赤字に転落しており、業績が悪化している最中。

さらに昨今の新型コロナウイルスの韓国での感染拡大を受け、韓国からの入国が拒否されている国も出て来ている他、空路も閉鎖され始めていたりしており、かなり業績への影響は大きいかと思われる。

そうした中での買収劇。

大韓航空・アシアナ航空に続く業界第3位のポジションとLCCでは第1位と言う地位をより高めて、価格競争力を確保して、この業績低迷を乗り越えたいと言うコトなのだろう。

韓国の航空業界では今までなかった業界内での統合と言うコトで、これが成功するかは大きな賭けではあるが、そもそも韓国の航空業界は、人口規模に対して航空会社が多すぎると言う構造を抱えている中で、どこまで成功に導けるか…と言う感じがしなくもない。

アシアナ買収は、予定通りに行くか?

さらに気になるのは、傘下にエアプサンとエアソウルと言う2つのLCCを抱えているアシアナ航空の経営再建問題。

元々、経営が悪化しており、資本関係を新しくする動きがある中で、新型コロナウイルス拡大を受けて、航空業界の需要が低迷して追い打ちが掛かり、非常経営体制に入っており、無休休職期間の前倒しが行われると言う状態になっている。

韓国全体で見ると、2月3週の航空機乗客数は前年度比で84%の大幅減。

韓国人の入国を制限・禁止している国も81ヶ国に及んでおり、さらに不確実性も高まり続けていると言う状態。

ドル箱の日韓路線は、日本ボイコットによる影響。
韓中路線は、コロナウイルスの影響。
近距離路線は、コロナウイルスとLCCとの供給過多。
唯一、収支が計算出来る状態だった長距離路線も、コロナウイルスによる需要減と言う状態に陥っている中で、そもそもアシアナ航空の買収に手を挙げているHDC現代産業開発が、当初の契約通りに2兆5,000億ウォンで買収を行うのかどうか…

HDC現代産業開発は、買収資金調達として、増資を行なう計画であったが、株価は大きく下落しており、2019年末に25,650ウォンであった株価は、3月2日時点で17,150ウォンにまで下落している。

増資新株の発行価格も18,150ウォンの計画だったのを、14,600ウォンに引き下げざるを得ない状態になり、資金調達計画に支障が出ないと言えない状態。

さらに4月に社債発行を含めた1兆1,000億ウォンの借り入れを通じて資金調達を行い、4月30日に買収を完了させる計画であったが、やや暗雲が漂っている感がある。

業界再編なるかどうか…

新規の航空会社が生まれて、それが業界全体の競争力になっていたハズだが、歯車が狂いだしている韓国の航空業界。

供給過多で、価格支配力が皆無。

業界が再編されるコトで、供給過多や価格支配力が生まれると言うのは、業界全体的から見れば、そこまで悪い話ではないのだろうが、まだまだすんなりとコトが進むか…と言われたら、ビミョーな情勢とも言える。

何と言っても、今回のコロナウイルスの影響は、どこまで広がるのか・いつまで続くのかが、誰にも読めないのが、大きいし。

まぁ、それでもJALとANAが盤石の態勢を敷いていて、航空運賃が高止まりしてしまっている日本から比べれば、消費者的な視線で見れば、羨ましい話と言えなくもないけれど。

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