但馬空港、滑走路延長でジェット化・羽田就航を視野に?

但馬空港、2,000メートル級化?

兵庫県の井戸知事が、兵庫県議会の本会議において、県北部の豊岡市に位置している但馬空港(コウノトリ但馬空港)の滑走路を、延長する方針を明らかにしました。

但馬空港…
兵庫県北部の但馬地方と、京都府北部の丹後地方の玄関空港。

但馬空港の滑走路のが長さは、現在、1,200メートル。
この長さだとプロペラ機の離発着しか出来ないと言う長さな訳ですが、これを2,000メートル級に延長して、ジェット機が就航出来る様にすると言う話。

ジェット機が就航出来る様になると、但馬空港としては悲願の羽田空港への直行便の開設や、アジア諸国への国際便就航。LCCの誘致などを視野に入れれると言うコトにもなり、2020年1月に有識者や地元代表者で作る懇話会を設置して、今後、検討を重ねていくとのコト。

過去最高の利用客数だったけれど…

2018年度には、過去最高の利用客数を記録したと言う但馬空港。

ただ“過去最高”と言っても、別に利便性が良くなったと言う訳ではなく、就航しているJACが座席数が48席に増えた新型機を導入した効果があっただけ。

しかも、年間利用客数は、42,220人と言うレベルだったりします。

同じく山陰地方にある隣の鳥取空港の年間利用客数は、約41万人。
さらに隣の米子空港になると、年間約69万人。
島根県にある出雲空港になると、年間約100万人と言う利用客数を考えると、但馬空港の現状は、年間利用客数では、かなり水をあけられていると言うか、最早、比較段階にすらならないレベルと言うのが、現状でしょう。

42,220人だと、東京ドームのコンサート1公演分と言うぐらいですからね…(下手したら、それ以下です)。

手厚い支援体制がある但馬空港

延長の議論は、羽田線就航が悲願であり、昔からあった話ではありますが、今回、話題に上がった理由は、2019年3月に行われた航空法施行規則の改正が根本にあります。

この改正で、2027年3月までに滑走路外側の安全区域を、 100メートル拡張する必要性が生じたので、これを機に、ジェット機の離発着が可能になる2,000メートル級にまで延長させようと言う流れ。

ただ実際の採算性としては、どうなんだろう…と言う疑問符が、当然、この年間利用客数では湧いてくる。

現状の但馬空港は、JAL系のJACが伊丹空港便を1日2往復で就航している。
だが、これも兵庫県などからの補助が入って、何とか2往復を維持していると言うか、就航を維持していると言う現状。

JACがこれまで利用して来た「サーブ340B」型機から「ATR42-600型機」へと機材を更新した際も、使用機材を県が購入し、無償で貸し出しを行い、路線を維持して来たと言う手厚い支援ぶり。
何とか利用者を増やそうと、便数が少ないのを逆手に取って、滑走路をマラソンコースに使う「コウノトリ但馬空港滑走路マラソン」が行われると言うレベルだったりします。

またこの他にも、近隣の豊岡市・朝来市・香味町・新温泉町が空港を利用する住民に対して、助成金を出すと言う制度も設けていたりします。


JRとバスの競争力も高い

確かに、伊丹便しかないのは、利用者が伸び悩む要因の1つなのは、確か。

しかも大阪までだと、JRの豊岡駅から大阪駅まで、特急「こうのとり」で2時間半~50分と言う所要時間。
播但線経由の特急「はまかぜ」でも、3時間を切ると言うレベル。
バスでも豊岡から大阪まで、2時間半~3時間弱と言う程度の所要時間で、陸路交通の競争力も強い。

対して、但馬空港利用の空路だと、伊丹空港までは35分。

決して差がない訳じゃないけれど、搭乗までの時間と、費用を考えると、そこまでダントツの競争力を持っているとは言い難いし、1日2往復では、利用しやすいとも言えない所。

伊丹空港では羽田線に接続していて、20~50分と言う短い時間で乗り継ぎが出来るように設定されている。
但馬空港→伊丹経由→羽田までは、乗り換えを含めて、約2時間半。
乗り継ぎ時間がより短い羽田→伊丹経由→但馬空港だと、最速で2時間10分と言うのを、但馬空港側もアピールしているのですけれどもね…
そもそも、そこまでの需要があるのかどうか。

そう言う話だと思う。



城崎はあるけれど、圏内人口が少なすぎる

豊岡市は、人口規模で見ると、約85,000人。
そこそこの規模がある様に思えるけれども、10万人を切っている。

しかも、既に人口減少段階に入っており、過疎化が静かに進んでいると言うのが、現状。

「城崎温泉」と全国レベルの知名度を誇る温泉はありますが、城崎と空港利用と言うのが、そもそも上手く首都圏にアピール出来ていない感じもあるのに、果たして、どこまで滑走路の延長が必要なのだろう…と。

しかもビジネス需要が弱いコトを考えると、仮に滑走路を延長した所で、想定通りに羽田~但馬線が開設されるのだろうか…と。
良くて成田からLCCが1日1往復程度で飛ぶだけじゃないのか。

そして、仮に首都圏からの路線が出来たら、現行の伊丹~但馬線は、運休になる可能性も否めない訳だし。

果たして、その事業に意味があるのか。
現行の1日2往復の方が、利便性自体はイイのではないか。

ちょっとそう思ってしまいます。

確かに黙って指をくわえているままと言う訳にも行かないでしょうし、需要と供給のどちらが先か?と言う話で、民間ならば需要の方が先になければ、動きにくいい話で、供給を増やすコトで新たな需要を作ったり、インフラを整備するコトで、需要を増やして行くと言うのは、自治体だからこそ出来る話なのだろうが…

但馬空港ジェット化…
ちょっと今のままだと無理がある様に思えるのですけれどもね。

どうせやるならば、但馬空港利用圏内である京都府北部と、密にタッグを組んでやっていかないとね…とも。

どう言う利用予測が立てられるのか。
そして、そもそもジェット化が可能になったとして、羽田~但馬間に就航する航空会社があるのかどうか。

新たに設置される懇話会が、“ジェット化推進の結論ありき”で進むのではなく、しっかりとデメリットを含めて議論が重ねられるコトを願わずにはいられない感じです。



寒くなって来て、いよいよ冬が来たな~と思う訳ですが、やっぱり冬に行きたくなるのは、温泉~。
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但馬空港から城崎へ。
温泉とカニを食べに行こう~。

 

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