ピピ島の入域再開は2021年?
2018年6月に閉鎖されたタイのピピ・レイ島(Koh Phi Phi Ley)にあるマヤベイ(Maya Bay)。
レオナルド・ディカプリオ主演で2000年に公開された映画の『ザ・ビーチ(The Beach)』の舞台になり、一躍、有名になったスポットであるが、サンゴなどの自然生態系が、大勢の日帰り観光客らが訪れるコトによって、悪影響が出ているとの懸念から、タイ当局が一時的な閉鎖を決定。
閉鎖当初は、約4カ月程度の閉鎖期間とし、その後、再開は延期され、2018年10月には無期限の閉鎖へと踏み切っていました。
『ザ・ビーチ』の舞台、ピピ島が期間限定で閉鎖に!
タイで観光客に人気のピピ・レイ(Koh Phi Phi Ley)があるマヤ湾(Maya Bay)が、2018年6月~9月までの間、閉鎖されると言うコトが発表になっています。 →生態系が回復しないため、当初の閉鎖期間を過ぎた10月以降も無期限で閉鎖が決定しました(詳しくは 「タイのピピ島マヤ・ベイ、立ち入り禁止は無期限に!」 参照)。 …
そしてこの度、国立公園当局が、マヤベイの生態系を完全に回復させるべく、閉鎖期間を2年間延長し、早くても2021年半ばまでは観光客の出入りを禁止する方針を明らかにしました。
観光客の入域制限が緩和された後も、各種の制限が残る模様で、閉鎖前は無制限で入島が出来ていましたが、再開後は、1日あたりの訪問客を限定させる方針とのコト。
閉鎖される前までは、1日約5,000人程度の人が訪れていたとされるが、再開後は、1日あたり約1,200人に限定する為に、電子チケットなどの制度を導入して制限を掛ける方針だそうです。
1,200人と言う数字が多いか少ないかは、微妙な所ではありますが、観光客の数と自然環境のバランスを考えた数字なのでしょうね。
また同時に、環境重視の遊歩道やトイレなどの整備を予定するとのコト。
閉鎖前は、マヤベイにボートが自由に出入りをし、日光浴やシュノーケルを楽しむ観光客を運んでいたが、現在は、マヤベイの外側の限界海域までしかボートは入れず、ビーチは進入禁止になっており、再開後もマヤベイでの停泊禁止は続行されそうな雲行きですね。
観光と自然環境の両立
自然環境を守る措置。
それは仕方がない話かな…と言うのが正直な所。
世界規模で観光客が増えている中で、加速度的に自然環境の破壊は進んでいるのだと思われる。
観光客がどんどんと増えている中で、環境が元の生態系に戻ったり、育ったりする速度は遅い訳だし。
手遅れになるぐらいならば、こうした荒療治もアリだと思うし、フィリピンのボラカイ島なども、同じ様に観光客の入域禁止と言う措置が取られたので(現在は、解除されています)、これからも同じ様な話は、世界各地で起こりえるのだと思う(ボラカイ島についてはコチラを参照)。
ただこの荒療治を行っても、別にタイのビーチに行く観光客が減る訳じゃなく、単にタイやその近辺のビーチに観光客が流れるだけと言うのは、気になる所ではありますけれどね。
結局の所、観光客・地元業者・地元自治体。
本質で言えば、この3者がどれだけ自然環境について考えられるかと言うコトに尽きるのだろう。
観光客は来るだけで環境を破壊する。
自分自身も旅をする人だけれども、それは間違いのない事実だと思う。
そして訪れた観光客が、出来るだけの配慮を行って行動をした所で、現地の業者や自治体が環境を守る意識がなければ、それは意味を成さないと言うのも事実。
“観光客の入域禁止”と言うのは、現地の雇用には大きな影響を与えるのは間違いがないのだろうけれど、永続的に存在させる為には、荒療治も時には必要なのだろう。
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日本での観光公害は、都市部で目立ち始めた
さて、日本。
訪日観光客が増えて来た日本。
観光がもたらす公害もチラホラと上がって来た。
特に顕著なのが、交通渋滞と言う点。
元々、日本人の観光客も多く、地元の交通網が貧弱な京都と鎌倉は、在住者の日々の生活に対しても影響が出始めていて、鎌倉を走る江ノ島電鉄は、このGWなどは、地元住民は優先的に駅に入れる様な対策がなされたみたいだが、抜本的な解決は見られていないのが現状だろう。
幸いなコトに、現時点では、日本においては、観光客の増大による自然環境への大きな被害と言うのは、出ていないのかも知れない(被害が皆無と言う訳ではないだろうが)。
ただそれはあくまでも“現時点では…”と言うだけの話。
だけれども、どうやって自然環境を守るのか。
今から出来るコトは何か。
その時が来たらどうするのか。
そろそろしっかりと考えても良いタイミングなのだろうとも思うし、決して、ピピ・レイは他人事の話ではないとも思う。
タイ当局の様に、“観光客の入域禁止”と言う荒療治を、日本が打ち出せるのか。
そもそもそうなる前に、観光客との共存が出来ないのか。
場所によってそれぞれの解決策は違うのだろうが、観光がもたらす害に対して、観光客と共存が出来る形で答えが見つかると良いのだけれどもなぁ…
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