フィリピンのボラカイ島も最大半年、観光客入島禁止に!

先日、タイの南部でレオナルド・ディカプリオ主演映画の『ザ・ビーチ (特別編) [AmazonDVDコレクション]』の舞台にもなったピピ島があるマヤ湾が期間限定で閉鎖になる話題を取り上げましたが、今度は、フィリピンの人気ビーチのボラカイ島への観光客の立ち入りが半年間に渡って禁止されるコトが、フィリピンの大統領府から発表されています。

ピピ島にボラカイ島…
どちらも観光客を集めて来たビーチなんですが、島の閉鎖に伴う経済的な打撃が懸念される中、抜本的な環境対策が行われる模様です。

抜本的な排水設備の整備へ

大統領府・観光・内務自治省などの発表によると、ボラカイ島は、2018年4月26日から最大10月26日まで、観光客の立ち入りが禁止される予定との話。

ただ、早ければ3~4カ月程度で、段階的に一部、入島が再開される可能性もあるとのコト。

入島禁止の半年間で、集中的な環境対策を行うとされており、主な内容としては、

・排水処理施設の整備
・100軒以上あるとされる違法に自然保護地区に建っているホテルなどの取り壊し
・島の観光客の収容能力の精査
・入島再開後の観光客数制限の策定

などが挙げられています。

既にボラカイ島では、観光インフラ企業経済区庁(TIEZA)が、排水ポンプ整備などを行っており、1月には3ヵ年計画の下水整備工事開始を発表していたのですが、この2月に大統領が汚染状況を視察したコトで、今回の入島禁止ならびに整備の加速化が決まった模様です。



経済・観光業への影響は小さくないが…

既に発表になっていたフィリピン有数の音楽イベントである「ラボラカイ」はキャンセル。

フィリピン航空やセブパシフィックなどの航空会社は、入島禁止期間中のカティクラン・カリボ空港に就航する路線の減便を発表し、対応に努めているとのコトではあるが(代わりにセブやイロイロ、プエルトプリンセサなどを増便)、計3万5,000人以上の人が働いているとされるボラカイの観光関連業。

災害準備基金などを失業者の支援金として、約20億ペソの支給で対応をして行く模様ですが、何せ期間も長いですし、日本から見てもゴールデンウィークならびに夏休みと被っていたりするので、影響は大きそうですね。

ヒッピーが集っていたステキな島

ボラカイ。

ボクが訪れたのは、もうかなり昔の話。

元々はヒッピーが集まっていた様な島。
それが観光地へと脱皮する様な時期で、まだまだ人が少なかった時代。

確かに美しく、ビーチでまったりビールを片手に夕日が沈んでいくのを見るだけの日々と言う、何とも贅沢な時間を過ごした記憶がある島。

それが最早、島から観光客を締め出さなければならなくなる程に、環境対策が追い付かなくなっているのですね。

アメリカの旅行雑誌である『Travel & Leisure』が発表している「世界の島TOP10」でも、2017年度は3位に選ばれているし、200万人もの観光客が押し寄せていると言うから、そりゃ、そこまで広くもない島に、それだけの人が訪れたらなぁ…と思わなくもない。

世界的に「持続可能な観光」の時代へ

サステイナブルツーリズム(Sustainable Tourism)。

日本語訳にすると、「持続可能な観光」と訳されているけれども、マスツーリズムの結果から生まれやすい、環境・文化の変化・過度な商業化から、観光地本来の姿を目指す考え方だ。

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海外では既に知られている考え方ではあるが、どうしても入域制限や移動手段などに制限が出て来やすいので、観光費用が高くなりがちだったりする。

個人的には、やっぱりそれは厳しいなぁ…と思ってしまう部分はあるけれども、それがしっかりと観光地に還元されるのであれば、やむを得ないとも。

観光客・観光業を営む人・周辺の住民。
Win-Winにならなければ、サステイナブル・ツーリズムは成り立たない訳で、そこに至るまでには、いくつものハードルがあるのだとは思う。

今までは限られた国の人しか海外を楽しめない時代だったのが、多くの人が海外を旅出来る時代になりつつある今、こうした本来の観光への回帰と言うのは、世界的に必須になって来るのかも知れない。

「世界遺産」だって、本来は、こうしたサステイナブル・ツーリズムが原則であるハズなのに、今や、単なる観光地に成り下がってしまった感があるし。

そして、それは日本も他人事ではない。

訪れる観光客とどう折り合いを付けつつ、地域がどう発展して行くのか。

既に京都なんかは、観光客が溢れてしまっていて、何らかの対策が必要な次元に来ているし(とは言っても、俊の規模が大きすぎてサステイナブル・ツーリズムを実践するには厳しい所でしょうが)、沖縄などの島だって、航空路が徐々に拡大している今、対策が必要になるまでは秒読みと言えるのかも知れない。

世界的に、観光地と言うのが、曲がり角なんだな…と言うのを、しっかりと意識しなければならないし、旅人もまた、それを考えなければいけない時期なのかも知れないデスね、ホントに。

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