ドライバー不足・経費高騰が理由
北海道内で最大のバス事業者である「北海道中央バス」が、2024年9月末を以って、都市間バスの「高速ゆうばり号」を廃止する意向であることが、北海道南幌町の広報誌である「広報なんぽろ5月号」によって明らかになった。
同紙によると廃止理由は、
慢性的なドライバー不足に加え運行経費の高騰などから路線維持が困難になった
とのコト。
「高速ゆうばり号」は、札幌駅前発で札幌ターミナル・サッポロファクトリー前・栗山駅などを経由して、夕鉄本社ターミナル・レースイリゾートまでを結ぶ路線で、現在、1日3往復の運転。
既に2023年9月末を以って、夕鉄バスが運行していた新札幌駅と夕張を結ぶ路線が全廃されており、唯一の札幌地区と夕張地区を直接結ぶバス路線。
夕張市は、財政破綻後、当時の鈴木市長(現・北海道知事)が攻めの廃線として夕張市内を南北に走っていたJR石勝線の夕張支線の廃線を自ら提案し、バス路線を整備。
JR時代と比べると、市内を南北に走るバス路線は、増便され、バス停も増え、利便性を高めるコトに成功し、現在も1日10往復程度が維持されているが、札幌~夕張間はバス路線でも維持ができそうになくなった。
そもそも利用が少なすぎた
仮に「高速ゆうばり号」が廃止になると、札幌~夕張間は、JRで新夕張駅まで向かい、そこから路線バスで約50分程度掛けて向かうと言うのが、一般的になりそうだが(もしくは栗山町に向かい、そこからバス・鉄道利用)、現在、大人片道で2,070円の運賃が、かなり高騰するコトになるのは間違いがなさそう。
「高速ゆうばり号」は、栗山~夕張間では、車両に乗客が10人以下しかいない状態が続いていたと言い、その需要が増える見込みもないと言うのも大きいのだろう。
需要がないのだから、廃線は仕方がない部分がある。
と言うか、そもそもかつては炭鉱で有名になった夕張市も“市”ではあるが、既に人口は10,000人すら大きく下回っている状態であり、さすがに1日3往復の都市間バスはオーバースペックであったのだろう。
観光誘客に懸念が出そうだが、現状ですら対して観光客の利用もないのだろうから、そこに期待して、路線を維持すると言うのは、難しい話でもある。
別に石勝線夕張支線の廃線とは無関係(そもそもルートが全然、異なるし、鉄道の廃線で補強されたのは市内の南北間の路線バス)ではあるが、やはりこの先、街を再び活性化させていく術が見つかないのが現状と言えそう。
圧倒的に人口が少なすぎる
もうここまで来てしまうと、何をしてもどうしようもなくなってしまっている感じがある。
圧倒的に人口が少なすぎる。
寧ろ、つい最近までよく鉄路が維持されていたな…と思えるぐらい。
ただ札幌との直接的な交通手段を失うだけ。
それだけ。
確かにこのエリアの方々は、自家用車を持っているだろうし、そこまで影響はないのかも知れないけれど、人口が減りすぎて自力で活性化ができない状態ならば、外から人を呼んでくるしかない中で、やはり大都市との繋がりがなくなるのは、致命的。
交通網を再整備し、コンパクトな街づくりをしてきたが、やはりそれでも限界だったと言う話だし。
助成金を盛って、路線を維持するのか。
それは現実的じゃない。
生活路線でもないし。
ただジリ貧になっているし、そもそも北海道が交通網の維持に消極的なのは、やっぱり気になるところだなぁ…とは。
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