中国シェアサイクル大手の「ofo」日本、8カ月で撤退!

「ofo」日本撤退!

中国のシェアサイクル大手の「ofo」(オフォ)。

実は日本にも2018年3月から進出していました。

和歌山県和歌山市、福岡県北九州市、そして滋賀県大津市。
この3ヶ所で事業を展開していました。

あくまでも“していました”。

そう、過去形です。

2018年の春に進出したばかりなのですが、10月末に8カ月余りで日本からの事業撤退を決定したのです。

こうした事業の継続判断が早いと言うのは、それはそれで褒められるべきなのですし、海外企業らしいなぁ…とも思うのですが、あまりも早い撤退と言う感じ。

日本で展開していた「ofo」の場合、複数の拠点(サイクルポート)で乗り降りが可能になっており、スマートフォンの専用アプリを使って、利用出来る自転車の検索や料金の支払い・鍵の解除などが出来る仕組みになっていて、3月から事業を始めた和歌山市では、和歌山城・和歌の浦など市内33カ所の専用駐輪場で約120台が配備されたとのコト。

4月から事業が始まった大津市では、市内66カ所の駐輪場に約400台を設置していた訳ですが、大津市の場合、1カ月あたり1,000~2,000回の利用があったとのコト。

1,000~2,000回と言うのが、予期していた数字なのかどうかは分からないのですが、400台で2,000回とすると、1ヶ月で1台あたり5回の稼働。

まぁ…

お世辞にも良かったと言えないレベルでしょうが、まだまだ認知度を高める時期だったコトを考えると、早々と見切りをつけたなぁ…と言う気持ちも。

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中国での「ofo」の事業も厳しい情勢?

ただ日本での事業の先行き不透明と言うよりも、中国での事業も先行きが怪しいと言うのが囁かれていたりもします。

中国メディアの「界面」は、2018年10月31日に、「ofo」が破産もしくは経営再建準備に入ったと報じており、約1,100億円の負債を抱えているとも(「ofo」自体は否定)。

黄色い自転車の「ofo」。
そしてオレンジの「モバイク」。

破竹の勢いで展開が進められて来たシェアサイクル。

「高速鉄道」・「モバイル決済」・「ネットショッピング」と並んで、中国新4大発明とすら言われた時期があったのですがね(と言うか、そのどれもが別に中国が発明したと言う訳でもナイと思うのだが)…

スグに過当競争に入り、

2017年6月に悟空単車が事業停止。
同じく2017年6月には3Vbikeが経営破綻。
2017年7月には大手の小鳴単車が破綻(申し立て自体は2018年3月)。

こうした中で、大手格の2社(ofoとモバイク)は海外に収益を求めましたが、それも上手く行かず、モバイクは2018年4月にテンセント傘下に(それでも年間の損失額が約950億円にのぼるコトが発表になっています)。

業界3位のHellobikeは、2018年5月に、アリババグループが筆頭株主になり、提携がスタート。

そうした業界の動きがある中で、「ofo」はと言うと、後ろ盾がナイままの状態になり、独立した運営が維持出来ると言う見方は少ない模様です。

中国の現代の商慣行は、スタートアップ→競合が乱立→業界1~3位ぐらいが最終的に生き残り、利益をかっさらうと言う形が続いていますが、まだまだシェアサイクル事業は過当競争の真っ只中な訳で、後ろ盾がナイ「ofo」が生き残れるかどうか…と言う所の様です。

ってか、「ofo」(だけでなく中国のシェアサイクル事業者)の経営不振は、今に始まった訳じゃないけれどもね。

それなのに、日本の公的機関が「ofo」の事業展開を許したのは、何故なのか。

これらの事業については、和歌山市など公的機関と連携をした事業な訳で、どうなの?とは思ってしまいます。



中国のシェアサイクルは、乗り捨てが基本

そもそも、中国のシェアサイクルは、専用の駐輪場に戻す必要がなく、路上に乗り捨て可能なシステムなのに対して、日本では路上に自転車を放置するなんてコトは論外ですから、シェアサイクル事業でメリットを引き立たせるのは、なかなか難しい側面があるのも事実。

ってか、元々、中国の路上乗り捨て可能と言うスタイルも、どうなのよ…とは思いますけれどね。

観光客の多い都市であれば、まだ経営が成り立つ可能性があるが、「ofo」が日本進出で選んだのは、和歌山・北九州に大津。

そこまで観光客が多い都市とは言えない場所ばかり。

ならば、地元民に利用して貰わざるを得ないのだが、駐輪場を探すだけで手間になるのは、やっぱり痛手ですし、日本の自転車保有率って、かなり高いと思うので、なかなか広がりを見せるのは、難しい感じ。

事業として観光客に絞った展開であれば、もっと駐輪場も台数も少なくて済むと思うし、それならば事業も成り立つように思えるのですが、それだと最早、シェアサイクルと言うよりも、レンタサイクルって感じですよね、きっと。

「ofo」。

個人的には良いサービスだと思う。

ただ何故、和歌山や北九州だったのか。
日本進出に関しては、そう思ってしまう。

また海外については、ひとまず路上に散らばっている自転車をもう少し、どうにかして欲しいとも(サドルが盗難に遭っていたりするケースも多々見ましたしね)。

そして、参入障壁の低い事業の中国展開と言うのは、やっぱり難しい話があるんだろうなぁ…とも。

スグに真似されて過当競争に陥るだけになるからなぁ…

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