米・ボーイング、事故で生産激減し、またしても赤字計上!

8%の減収で7四半期連続の赤字

航空機製造大手の「ボーイング」社が2024年1~3月期の第1四半期決算を発表していますが、こちらは7四半期ぶりに減収。
そして7四半期連続の赤字と言うコトに。

具体的な数値で見てみると、売上高は165億7,000万ドル(約2兆5,000億円)。
前年同期からすると約8%の減収に。
純損益は、前年同期は4億2,500万ドルの赤字でしたが、3億5,500万ドル(約551億7,000万円)の赤字に。

赤字額は減少していますが、1月にアラスカ航空が運航していたボーイング737MAX-9の側壁が吹き飛ぶと言う事故を受け、生産が急減していたコトが響いた形。

調整後の1株あたりの損失は、1.13ドル。
キャッシュバーンは39億3,000万ドル。

ただ数字以上に減産は拡大した形。
第1四半期の737の納入機数は67機で前年から41%減少と言うモノで、安全性の信頼が揺らいでいる中で立て直しが急務と言えそう。

 

デルタ以外は軒並み赤字決算

赤字が続いているボーイングですが、影響はそれだけに留まらない。

まずLCCのサウスウエスト航空。
第1四半期は2億3,100万円(約360億円)。
従業員との契約に関する費用増などが主要因だが、2024年度は46機の737MAX-8型機の納入を受ける予定だったが20機に留まりそうで、通期の業績見通しを下方修正し、今後、旧型機の退役延期などの措置が取られる見込み。

ユナイテッド航空も最終赤字を計上しているが、約8割がボーイング機材と言うコトもあり、影響が大きく出そう。
アメリカン航空も最終赤字で、2024年通期で29機の納入を受ける予定だったが、22機になりそう。

一方で、ボーイング機が占める割合が半数程度のデルタ航空は、増収もあり、事故の影響も比較的軽度で済みそうで、黒字転換するなど、機材の中でボーイング社製の機材が占める割合が大きい会社ほど影響が出ている感じ。

もちろん、機材の納入延期だけが赤字・決算悪化の原因ではなく、人件費関連のコスト増などが主原因ではあるが、ボーイングの事故による減産の影響は、様々な航空会社に波及している形なのは明確だろう。

こうした中で、ボーイングが再び、安全の信頼性を高められるのかどうか…と言うのは、赤字続きのボーイング社にあって至上命題と言うコトになりそう。

どうして形式証明が取れたのか?

それにしても、改めて思うのは、大きな事故が続くボーイング社製の航空機材が形式証明を取れて、スペースジェット(MRJ)が取れなかったのは、不思議でならない。

もちろん、スペースジェットが安全だったと言う訳じゃない。
まだ未知な部分もあっただろうし。

ただ今のボーイングは、ちょっと安全性の信頼に欠けすぎている感じ。

それでも世界2大航空機製造会社なだけに、使わざるを得ないと言うのも事実だろうが。

これまでボーイング一辺倒だったJAL。
エアバス社製の機材にも手を伸ばしたのは、ある意味、絶好なタイミングだったと言えそうだけれども、やはりリスクを分散させると言うのは、必要だよね…と。

それがどんなに優れた商品・製品であったとしても。

Sponsored Link



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください