インテグラルによる再建が終了へ!
投資会社の「インテグラル」が、2024年3月21日付で、保有する「スカイマーク」の全株式を、「鈴与ホールディングス」に売却するコトを発表しました。
「スカイマーク」の2015年1月の経営破綻。
そこから「インテグラル」が再建に乗り出した訳ですが、東証への再上場も達成し、株式も全株を手放し、完全に再建が完結する形に。
スカイマーク、ANAがスポンサーに!
今回、「インテグラル」から「鈴与ホールディングス」(正確には、鈴与グループの投資ファンドである「鈴与スカイ・パートナーズ投資事業有限責任組合」)に移った株式は、発行済株式総数の5.9%に当たる分で、約35億円での売却。
既に、2023年11月に一部の株式の売却が行われており、議決権比率は、現行の13.01%から18.91%にまで高まるコトになりそう。
フジとスカイマークの提携が始まるのかどうか
2023年11月時点での「スカイマーク」の大株主の順位と出資比率は、以下の通り。
- 鈴与ホールディングス|13.01%
- ANAホールディングス|12.93%
- UDSエアライン投資事業有限責任組合(日本政策投資銀行+三井住友銀行)|10.53%
まだ鈴与とANAの議決権比率は、拮抗した感じでした。
これが今回の株式売却で鈴与が頭1つ、飛びぬけた感じに。
「鈴与ホールディングス」と言えば、静岡県を拠点に物流事業を中心に手掛けるグループ。
そして何と言っても「フジドリームエアラインズ」の親会社。
つまりは鈴与を軸に「スカイマーク」と「フジドリームエアラインズ」との提携があるのかどうか…と言う点になる。
ただそもそも「スカイマーク」と「フジドリームエアラインズ」では機材も異なる。
「スカイマーク」最大のハブである羽田にも「フジドリームエアラインズ」は乗り入れていないし、逆に、「フジドリームエアラインズ」のハブである静岡・小牧(名古屋)には「スカイマーク」が乗り入れていない。
最も実現が可能な提携は、相互で乗り入れている神戸空港を軸に提携を行なうぐらい。
神戸空港ならば、様々な提携が行えるが、それぐらい。
「スカイマーク」は、未だにANAが第2位の株主なのに対して、「フジドリームエアラインズ」の提携先はJAL(資本的な提携はない)なので、この辺りも軸が異なる。
どこまで提携が具現化するのか、それが未だに分からない状態で、筆頭株主になって以降も、特に鈴与側から役員の派遣なども行われておらず、「スカイマーク」は独自の経営を維持できている状況でもある。
航空業界の第3極になれるかどうか
神戸空港での提携ならば、別に大きな資本を投入しなくてもできた話。
それを資本を含めて「スカイマーク」へと入って来たと言うコトは、今後、何かしらの展望があったとしてもおかしくはないし、そう見るべきだろう。
別に今すぐに…と言う話ではないのかも知れない。
だけれども、「スカイマーク」+「フジドリームエアラインズ」と言う展開になるのであれば、また1つ、面白い軸が日本の航空業界にもできる話になるのかな…と。
「スカイマーク」は羽田発着路線は強みを持っているけれど、地方~地方路線は、弱含みですし、この辺りを今後、開拓していかなければならないのも必然ですしね。
ただ何も動きがみられないのは、気になるところ。
そろそろ何かしら動きがあってもいいと思うんですけれどもね。
まぁ、鈴与としても「スカイマーク」としても、そこまで急いで変革しなければならない状況じゃないのかもしれないけれど。
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