運賃の値下げ実施も示唆!
関西大手私鉄の「南海電鉄」と準大手の「泉北高速鉄道」が、経営統合に向けて基本合意をし、今後は2025年度早期の統合に向けて動いて行くコトが、発表になりました。
「泉北高速鉄道」は、南海・大阪メトロ御堂筋線の中百舌鳥駅(大阪メトロ側はなかもず)~和泉中央間14.3kmを結ぶ泉北高速鉄道線を運営しているほか、物流事業としてトラックターミナルの東大阪流通センター・北大阪流通センターを運営している会社。
鉄道業の方は、泉北ニュータウンと南海・大阪メトロ線を結ぶ路線になっています。
かつては大阪府都市開発株式会社として大阪府なども出資する第3セクター会社でしたが、2014年7月に南海の連結子会社に入り、2022年には南海が全株式を取得し、完全子会社化している状態なので、連結決算面などでは大した影響はなく、そこまで驚きがある訳じゃないかも…だけれど。
経営統合をする理由としては、
- コロナ禍・生活様式の変化で鉄道事業の需要減に歯止めが掛からない
- 将来にわたって事業を担う人材の確保が困難
- 経営統合で、効率化ができる
- 競争力のある流通センター事業などにより経営資源を投入していける
コトを上げています。
さらに大きいのは、運賃の値下げ・定期券の値下げを検討しているコトを発表した点。
具体的に挙げているのは、難波~泉ヶ丘間で、ひとまず現行の普通運賃は変化がないモノの(490円)、23,980円の通勤定期は18,770円に、9,670円の通学定期を6,060円にする案などを掲げています。
鉄道事業者が同じグループ内でも別にいると、連絡割引はありますが、初乗り運賃などは2度、必要になるコトから、運賃も割高になる訳で、その辺りの是正を今後、検討して行くと言う感じで、実現すると泉北ニュータウンの街の魅力アップにも繋がる可能性がありそう。
大手私鉄が傘下の鉄道事業者の吸収と言えば、先日、京成が新京成と経営統合するのが発表になっています。
特に急を要する様な事案が両社間にあると言う訳でもないのは、今回の南海・泉北高速と同様でしたが、南海の方がより直通需要が高いので、運賃統合にまで踏み切る経営統合があると、影響はありそうな感じですね。
京成、新京成電鉄を吸収合併へ!でも運賃体系は現状維持予定!
今後、こうした動きが他に出て来るのかどうか…と言うのは、ちょっと興味があるところ。
可能性としてありそうなのは、
・阪急+能勢電鉄
・阪急・阪神・山陽・神戸+神戸高速
・京成+北総
辺りなのかな…と。
その中で、京成+北総は、北総鉄道がまだまだ大きな債務を残している時点でナシ(単年度では黒字が出ていますが…)。
効果が高そうな神戸高速の分割吸収は、もう既に神戸高速が施設の保有・管理のみを行なう会社になっているので、事業者側からすれば、あまりメリットがナイのかも(運賃面の改定でどれだけ利用者が増えるか…と言うのはあるが、やはりJRがスグ横に控えているコトを考えると、そこまでのプラスもナイのでしょうし)。
となると、阪急+能勢電鉄が一番、可能性としてはあり得そうですが、川西能勢口でのJRへの乗り換えが、経営統合によってどれだけ防げるのか次第なのかな…とも。
今後の展開を考えると、やはり能勢電鉄沿線のニュータウンは、ちょっと都心からも遠いので、魅力度が下がっているのも事実。
阪急と経営統合するコトで、沿線の魅力を上げるコトで、人口減少時代に備えると言うのは、アリなんだろうけれど、南海+泉北高速が終日に渡って乗り入れがあるのに対し、阪急+能勢はラッシュ時にしか乗り入れがないし、現状、終日、能勢側に直通運転する需要もないのが、大きな違いでしょうか(能勢電鉄は直通列車以外は4両編成での運行ですし)。
りんかい線もそろそろいいんじゃない?
正直、京成+新京成よりも驚きはない感じ。
いつ行われても不思議じゃないと言う感じで。
南海としても、泉北側が抱えている流通センター事業は、黒字をかさ上げする要因にもなりますしね(現時点でも連結決算には反映されているけれど)。
個人的には、上記の経営統合の可能性がある組み合わせでは上げませんでしたが、
・JR東日本+臨海高速鉄道
・JR東海+東海交通事業
なんかも、そろそろ素案に上がって来てほしい気はしますけれどね。
互いにそれぞれ理由はあるし、東海交通事業なんかはフル放置ですからね(理由もあるから、致し方ない部分はあるにせよ)。
名古屋近郊なのに、もったいないレベル。
りんかい線もJR東日本が吸収すれば、埼京線+りんかい線+京葉線と言う流れも出来るのに(埼京線にそれだけの余力があるのかは別として)…
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