ANA、8四半期ぶりに黒字転換!
ANAホールディングスが、2021年3月期第3四半期の連結決算を発表しました。
このブログでは、決算関係は、中間・年度のみを取り上げようと思っていたのですが、ちょっと動きがあった感じの決算だったので、第3四半期(2021年4~12月期)も取り上げてみたいと思います。
ひとまず発表になった数値から追ってみると、こんな感じで着地しています(以下は第3四半期累計数値)。
項目 | 今期 | 前年同期 | 対前年同期比 |
売上高 | 7,380億円 | 5,276億円 | +2,104億円 |
営業費用 | 8,538億円 | 8,900億円 | ▲361億円 |
経常損益 | ▲1,183億円 | ▲3,507億円 | +2,324億円 |
当期純損益 | ▲1,017億円 | ▲3,120億円 | +2,103億円 |
コロナ禍でずっと損失が続いていて、四半期単位での黒字化は第4四半期と予測していたANAですが、最終的には、10~12月期単独だと8四半期ぶりに黒字転換し、1億円の営業黒字を確保するまでに回復しました。
セグメント別に見てみると、こんな感じ。
項目 | 今期 | 前年同期 | 対前年同期比 |
国際線|売上高 | 482億円 | 323億円 | +158億円 |
国際線|利用率 | 25.0% | 21.8% | +3.2pt |
国内線|売上高 | 2,065億円 | 1,563億円 | +501億円 |
国内線|売上高 | 49.3% | 43.7% | +5.6pt |
国際線は、49.1%増と言えども、そもそもコロナ禍での数値なので、まだまだ…と言う感じですかね。
ただ東京オリンピック・パラリンピックが開催されていた第2四半期は、大会関係者の利用もあったと思うのですが、その第2四半期の利用率は23.8%だったので、引き続き、伸ばしたと言う感じ。
国内線の利用率も引き続き伸びると言う形で、回復への道のりが見えて来たのかな?と言う感じはしてしまいますね。
とは言っても、足元はまた感染が拡大している状態。
しかも、一気に拡大している状態。
さすがに次の第4四半期にはその辺りの影響が出て来そうな感じ。
ただ流れとしては改善していて、最悪期は脱して、ひとまず一息がつける状況にまでなって来たのかな…と言う感じはしますね。
貨物需要に乗れたと言っても。
貨物セグメントが、また過去最高値
で、ANAの場合、大きいのは貨物郵便セグメント。
2021年第3四半期の累計で2,624億円(前年同期は1,207億円)。
前年同期比で見ると、1,416億円の上振れで倍に近くなっている状態。
と言うか、国内旅客が2,065億円なので、それを上回る状態にまでなったのが、黒字に転換した理由だと言ってもいいのでしょう。
特に国際貨物が2.3倍の2,377億円と絶好調で、5四半期連続で過去最高の売上を更新すると言う内容で、この辺りは貨物専用機材をフル活用した結果と言う感じで、専用機材を持たないJALと比べると、大きなアドバンテージな部分。
その好調さから雇用調整助成金も197億100万円と、前年同期の337億円から比べると、41.5%の減に。
ただ有利子負債残高は、1兆7,712億円。
3月末から比べると、1,157億円の増加。
増加のペースは穏やかになっているのは事実だが、自己資本比率も3月末から比べると6.8ptの低下で、24.6%に。
ただこの先、一気に自己資本率が下がると言う結果は、考えにくいのかな…と言う状態でしょうか。
第4四半期がどこまで踏ん張れるか
第3四半期としては比較的、堅調さを見せましたが、2022年3月期の通期業績予想は、据え置き。
やはり足元のオミクロン株の影響が懸念事項とされ、元々、コロナ禍と比べ80%程度を前提としていたのだが、そこに届かないと見ている様子。
ただまだ第4四半期では最大の繁忙となる3月下旬からの春休み需要の動向は、どう転ぶのかが読めていない感じがある。
だけれども、引き続き国際貨物需要は堅調でしょうから、稼ぎ頭となった貨物・郵便セグメントは、イイ感じで流れそうな気がしますけれどね。
第4四半期が活気付くと、来期に繋がる流れになりそうな感じだけれども、その片鱗が見えるかどうか…と思えますが、ひとまず、第3四半期単独では辛うじて黒字転換と言うのは、長かったなぁ…と言うのに加え、一気に盛り返して来たな…と。
まだまだオミクロン株の影響など、予断を許さないところはあるけれど、最初の一山を越えたのかな…と。
貨物需要で収益が取れている間に、旅客が戻ればいいのですがね…
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