前年よりも113億円の改善!
関空・伊丹・神戸の関西3空港を運営している「関西エアポート」の2023年3月期通期決算が発表になりました。
これによると、純素質が190億円の赤字(前年同期は303億円の赤字)。
これで2021年3月期に民営化以後初の赤字に転落して以来、3期連続の最終赤字の計上と言うコトになりました。
具体的に詳細を見てみると、こんな感じ。
項目 | 2023年3月期 | 2022年3月期 | 増減 |
営業収益 | 999億円 | 664億円 | +335億円 |
EBITDA | 290億円 | 96億円 | +195億円 |
営業損益 | ▲148億円 | ▲333億円 | +186億円 |
当期純損益 | ▲190億円 | ▲303億円 | +113億円 |
売上高に当たる営業収益は、前年同期比で50%増。
EBITDAは204%の大幅増。
かなり改善した源泉は、航空系収益が72%増の446億円になったコト。
関空は51%増の10.8万回、伊丹が30%増の13.8万回、神戸が15%増の3.4万回と、3空港合計で前年と比べると35%増の28万回の発着回数となったのが、やはり大きい。
旅客便が戻ってきたコトで、免税店などの非航空系収入も37%増の553億円にまで伸びた。
旅客数も、関空が3.2倍の1,150万人(国際線514万人・国内線636万人)、伊丹が73%増の1,299万人、神戸が77%増の311万人と、合計で2.1倍の2,759万人にまで戻って来た感じ。
水際政策が緩和されたコトで、外国人の利用も398万人まで戻ってきた。
日本人の国際線利用・中国線・伊丹の回復に遅れ
ただコロナ禍以前の2019年度決算だと、営業収益が2,158億円。
持ち直しが鮮明になったと言えども、まだまだ数字上は遠いと言う感じはある。
もちろん、水際政策の緩和が通年で寄与するのは、2023年度と言えるのだろうが。
インバウンドについては、コロナ禍以前の52%まで戻ってきた。
ただ日本人のアウトバウンドの回復については、まだまだ…と言う感じはする。
実際、関空の国際線を見ると、外国人旅客は、前年14万人が398万人(2019年対比で-76%)。
日本人旅客は、前年12万人が114万人(2019年対比で-86%)。
やはり物足りなさが残る。
路線別の国際線で見てみると、2019年度と比べると韓国線が82%・台湾線が79%・東南アジア線が77%まで便数が戻って来ているのに対し、中国線は32%・欧州線は34%・北米線は58%までしか戻って来ていない。
特に水際政策の緩和が遅れた中国線は、関空の命綱でもあるので、やはりどのタイミングで戻って来るのか…と言うのは、重要になりそうなところ。
あと伊丹の回復も遅れている状態。
緊急事態宣言などが出ている時期を除くと、伊丹の利用は、関空の国内線・神戸空港よりも2019年度対比で遅れが目立っている状態。
そりゃ、ANA FESTAも伊丹から撤退する訳である。
ANA FESTA、伊丹空港の全店舗、閉店へ!関西から撤退に!
つまりは国内線と言えども、ビジネス需要が弱含みだと言うコトなのだろう。
まぁ、この辺りは出張費用の削減・オンライン化などで、今後も、完全には戻らない可能性もありますね。
通期の見通しは未発表だが…
改装工事真っ只中の関空。
そして、神戸空港もサブターミナルの建設が控えている状態。
いつ・どこまで需要が戻るのか。
空港会社としては、なかなか難しい判断が迫られるタイミングなのかも知れませんね。
上期で国際線がコロナ禍以前の70%にまで戻るかどうかが、1つの鍵になりそうとのコトだが、通期の見通しは未発表。
まぁ、関西エアポートとしては粛々と整備を続けるしかないんでしょうが。
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