バンブーエアウェイズ経営陣に、JAL元幹部が入り、構造改革へ!

バンブーエアウェイズに、JAL元会長の大西氏も!

ベトナム第3位の航空会社である「バンブーエアウェイズ」が、構造改革の一環として、JALの元幹部を経営陣に迎え入れるコトが明らかになりました。

経営陣に加わるのは、JALの元執行役員の大島秀樹氏と元会長の大西賢氏。
大島氏が取締役、大西氏を上級顧問として経営陣に招くとのコト。

これは2023年5月9日開かれた臨時株主総会で、明らかになった話。

元々、「バンブーエアウェイズ」は、不動産デベロッパーのFLCグループ傘下でしたが、FLCのチン・バン・クエット元会長らが2022年3月に、詐欺・資産横領容疑・株価操縦容疑で逮捕され、経営環境の構造改革が迫られていました。

FLCは、今後、不動産開発とリゾート開発に注力する一方で、系列の企業再編ならびに債務再編を進めて行くコトを決定。

「バンブーエアウェイズ」は、資本金が18兆5,000億ベトナムドン(約1,060億円)。
この内、FLCの保有率は21.7%。
今後、「バンブーエアウェイズ」は、債務を株式に転換するデットエクイティスワップ(DES)を実施するに向け、7億7,200万株の新株を発行。
第三者割当増資として、新株3億7,800万株も発行。

資本金を30兆ベトナムドン(約1,750億円)に引き上げ、FLCは「バンブーエアウェイズ」から資金を完全に引き上げる見通し。

これまでFLCとしては、収益化が厳しく、2021年に3,730億ベトナムドン、2022年に3兆6,420億ベトナムドンの引当金を計上していたのですが、これらが完全に実施されると、また「バンブーエアウェイズ」の経営環境が、がらりと変わる感じになります。

別に、JALが接近する訳じゃないけれど…

設立からまだ間もない中で、資本をバックにし急成長して来た「バンブーエアウェイズ」。

ベトナム国内航空市場では、20%程度のシェアを握り、国際線にも進出。
日本路線も成田~ハノイ線を開設するなど、かなり急ピッチで攻めていたのですが…

バンブーエア、日本初の定期路線、成田線を新規開設!

LCCだとこうした急激な路線展開と言うのは、時々、ある話ですが、フルサービス型のキャリアだと、台湾のスターラックス航空ぐらいでしょうか、最近だと。

JALの経営陣を招き入れると言うコトですが、別に会社としてJALが入って来る訳じゃない。

だけれども、ライバルのANAはベトナム航空に資本を入れている(コロナ禍での追加出資に関しては、断っていますが)。
JALが「バンブーエアウェイズ」に対して、資本を入れる可能性はゼロじゃないとは言えそう。

ワンワールド陣営としても、東南アジアの加盟航空会社はマレーシア航空のみと寂しい状態ですしね。

ただJALの提携先は、LCCでこちらも急成長しているベトジェット。
組み合わせとしては、LCCよりも同じフルサービス型キャリアの「バンブーエアウェイズ」の方が提携しやすい感じもしますが、ベトジェットの勢いは無視しがたいでしょうし。

JAL再建の経歴は役立つか?

既に、ベトナム~ヨーロッパにも就航するなど、かなりの路線展開を見せて来ましたが、経営のゴタゴタに加え、コロナ禍の影響。

ベトナムには先行するベトナム航空・ベトジェットと言う強敵もいますし、立て直しには、かなり労力がいるのかも知れませんね。

ただでさえ、ベトナム国内線は、LCCじゃなくても航空券の運賃が安値になっていますし。

ベトナム航空も3期連続の最終赤字に加え、債務超過に陥るなど、苦境を迎えているので、当面、ベトジェット優勢と言うのは、揺るがない状況になるのかな?と。

JAL元会長の大西氏は、整備畑からJAL社長に就任。
JALの再建に尽力した社長として記憶に新しく、会社を再上場にまで持って来たのち、会長に就任した経歴がある。

JAL経営破綻からの立て直しと「バンブーエアウェイズ」の現状の経営環境は、また異なりますし、国情も異なるので、どこまでJALのケースが役立つのかは不明ですが、安定成長に向けて、新しい「バンブーエアウェイズ」に導けると良いなぁ…と。

 

追記|18日でさらにトップ人事実施!

[2023/07/14:追記]で、2023年7月8日の取締役会で、大島新会長とグエン・ミン・ハイ社長の辞任を発表しました。

大島氏は、6月21日に就任したばかりだったので、在任期間は18日。
ホントに電撃的な人事。

今後もバンブーエアウェイズには、常任副会長として留まるモノの、グエン・コック・チョン常任副会長とドアン・フー・ドアン、ファン・ディン・トゥー両副会長も辞任(グエン・コック・チョン氏は副会長兼社長に就任)するコトが決定したとの話で、経営陣が混乱している印象は否めないですね。

新会長には、実業家でFLCグループから株の譲渡を受け、事前に持っていた株式と併せ過半数の株を保有するレ・タイ・サム氏が就任。

まぁ、大島氏からすれば降格人事の様に思えますが、筆頭株主が会長になり、その下に航空業界での立て直し経験のある大島氏と言う構造になるので、分かりやすくはなる気がしますね。

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