ルフトハンザがITAエアウェイズ出資へ!
ドイツの航空最大手であるルフトハンザ・ドイツ航空グループが、2023年5月25日、経営破綻したイタリアの旧アリタリアを前身とする国営航空会社の「イタリア・トラスポルト・アエレオ」(ITAエアウェイズ:Italia Trasporto Aereo)の一部株式を取得するコトで、イタリア経済財務省と合意したコトを発表しました。
Lufthansa Group reaches agreement on the acquisition of 41 per cent stake in ITA Airways
ルフトハンザグループは、3億2,500万ユーロ(約490億円)の増資を引き受け、ITAエアウェイズ株、41%を取得するコトになります。
今後、ルフトハンザグループ側が、ITAエアウェイズの全株式を取得するオプションも含まれているとのコト。
今後、EU(欧州連合)当局の審査を受けたのち、正式に取得する流れになります。
寡占化が進むヨーロッパの空
既に欧州の航空業界は、
- ルフトハンザグループ
・ルフトハンザ
・オーストリア航空
・ブリュッセル航空
・スイスインターナショナルエアラインズ
・ユーロウィングス(LCC) - エールフランス-KLM
・エールフランス
・KLMオランダ航空
・トランサヴィア(LCC) - インターナショナル・エアラインズ
・ブリティッシュエアウェイズ
・イベリア航空
・エアリンガス
・ブエリング(LCC) - LCC(独立系)
・イージージェット
・ライアンエアー
・ノルウェーエアシャトル
・ウィズエアー
の4つの陣営に分かれる形になっている(LCCは他にも事業者がいるけれど)。
フルサービスキャリアだと、その中で、ルフトハンザグループが頭一つ、飛びぬけている感じはあるが、そこにITAエアウェイズが加わるコトで、さらにリードを広げるコトになりそう。
逆に言えば、欧州の航空業界も、これでますます寡占化が進むのかな?と。
エア・ヨーロッパも、IAGが買収しましたしね。
IAG、1度は諦めたエア・ヨーロッパを買収して完全子会社化へ!
比較的、規模が大きいのに独立を維持しているのは、TAPポルトガルとヴァージン・アトランティック航空に北欧のスカンジナビア航空・フィンエアーぐらいになるかな?
そこに続くのが、チェコ航空とLOTとか?
まぁ、逆に言えば、そう言った環境下で、ITAエアウェイズが今後も単独で独立を維持できるか?と言われれば、容易ではないですしね。
ただ前身のアリタリアは、過去に何度も大きな赤字を出していた企業。
ITAになって、どれだけ経営状況は改善したのだろうか…とも。
スカイチームは脱退か?
それにしても…
ルフトハンザって、イタリアへの執念、スゴイですよね。
地域子会社であるエア・ドロミティも未だに持っているし、かつてはルフトハンザ・イタリアもありましたしね。
まぁ、アリタリア自体の経営基盤が弱かったから、攻めやすかったのかも知れませんけれどね。
でも今回の株式取得は、結構、お買い得なのでは?と思ってしまう。
破綻して新会社になったと言えども、イタリア資本の航空会社はITAエアウェイズぐらいしか大きな航空会社はないですし、ITAエアウェイズは羽田の権益も確保するなど、空港の発着枠は各地でしっかりと持っている感じですしね。
イタリアは、観光需要もしっかりしていますしね。
で、これでスカイチーム脱退→スターアライアンス加盟になるのかしら?
そうなると、欧州でのアライアンスのシェアも、スタアラが首位になるのかな(現在、有償旅客キロだとスカイチームが首位)。
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