広島電鉄とバスが運賃を均一に!
国土交通省は、広島市中心部における路面電車・路線バスの共同経営計画を2022年10月18日付で認可しました。
これにより均一運賃による運行が2022年11月1日からスタートするコトになります。
これは広島電鉄など広島市中心部の交通事業者7社が申請を出していたモノ。
均一料金エリア外で最大270円までの路線バスの料金体系を、既存よりも広い範囲に設定した新たな均一料金エリア料金と路面電車とを統合させると言うモノ。
具体的に見ると、こんな感じ。
参加事業者|
路面電車…広島電鉄
バス…広島バス・広島交通・芸陽バス・備北交通・中国ジェイアールバス・エイチ ディー西広島
運賃(ICカード利用時)
路面電車…180円均一→200円均一
路面電車(白鳥線)…120円均一→150円均一
路線バス…180〜250円→200円均一
運賃(現金利用時)
路面電車…190円均一→220円均一
路面電車(白鳥線)…130円均一→160円均一
路線バス…190〜270円→220円均一
元々、こうした共同経営での事業者同士でダイヤや本数・運賃などを調整すると言う行為は、独占禁止法のカルテル規制に抵触する恐れがあり、今までは避けられてきました。
それが2020年11月に独禁法の特例法により、対象外と認められるようになったのが、発端。
既に、2021年4月に熊本において路線バス事業者での調整が行われたりしており、広島もその例に習ったと言う感じですね。
広島電鉄で言えば、軌道線〜修大協創中高前までが220円区間(ICカード利用で200円に)。
宮島線のその他の区間については、変更なしと言う感じで、定期券についてもそれに合わせて改定がなされるコトになります(通勤・通学共に)。
値下げの恩恵は限定的?
今まで均一料金区間で利用していた方にしてみれば、値上げになり、ちょっとそこから外れていたと言うエリアの方ならば、値下げになると言うコトに。
それが功を奏するのかどうか…
確かに分かりやすい運賃体系にはなるけれども、その恩恵を受ける人は限定的な感じもする。
それで利用者が増えるのか?と言われたら、“運賃が分かりやすくなったから、利用してみよう!”と言う層がいるのかな?と。
逆に、事業者間の競争がなくなっていくと言う意味では、長期的な視野で見ると、必ずしもプラスとも言い難い気がしなくもない。
バスで広島電鉄の電停までやってきて、そこから広島電鉄に乗り換えた場合、運賃が継続して計算されると言うのであればプラスだと思うのですけれどね(乗り継ぎにより割引ではなく、そもそも運賃が継続扱い)。
別に、そこまで突っ込んだ内容でもないし、ただ単に均一料金エリアを広げて、その分、値上げします…と言う感じに思えて仕方がなかったりするかな…と。
運賃面での競争がなくなる意味は…
地方の交通事業者は、どこも厳しい経営環境にあるのが実態になりつつある。
そこで交通事業者間で競合するより、共生して行こうと言うのが、流れとしてあるのだろう。
ただ安易な共生は、上述したけれども利用者からすれば必ずしもプラスとは言い難い。
今回の広島の事例で見れば、確かに均一料金エリアは拡大する。
ただそれぐらい。
もうちょっとなにか分かりやすくプラスになる側面があっても良かったようには思う。
特に、今回は既存均一料金エリアをメインに利用している人からすれば、単純に値上げになる訳ですしね。
共同経営で競合関係が薄れるコト。
それで利便性が失われないようにはして欲しい感じ。
ただそもそも公共交通網が維持されなければ、競合も何もナイですからね。
この辺りのバランスは、難しい話なのかも。
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