“変わらない”阪急が評価され、グッドデザイン賞受賞へ!

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変わらない阪急のマルーン色

「阪急」と言えば、沿線開発を行い、駅開発を行い…と今の私鉄の形を作ってきた私鉄グループだが、“阪急の色”と聞かれると、鉄道ファンでなくても、阪急を知っている方ならばほぼ100%の人が“マルーン色”と答えると思う。

それだけ阪急=マルーン色と言うのは定着しているイメージだと思うけれども、この度、「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」2022年度(主催・公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したコトが、発表になりました。

今回の受賞は、他薦。
ただ感覚としては、“ようやく…”と言う感じすらしてしまいますね。

今回の受賞に当たって、デザインのポイントとして挙げられているのは、こんな部分。

  1. マルーンカラーの車体外装色。開業時に導入した1形車両から今日まで継承
  2. マホガニー木目調の内装。木製からアルミ製に内装素材が変わる中でも木目調を継承
  3. ゴールデンオリーブ色の座席表地

つまりは奇をてらったモノではなく、「阪急」のオーディナリーな部分が評価されたと言うコトが、大きな特徴なのだと。

別に新車両が入った訳でもない。
デザインが変わった訳でもない。

ホントに、「阪急」のいつもどおりの姿が評価されたと言うのは、大きいように思う。

「阪急」のマルーン色だって、ずっとそのままで…と言う話ではなかった。
過去には変更すると言う話が上がったコトもあった。

でも、今でもそれが続いている。
しかも、ほぼ単一色で。

さらに木目調の内装もベースは変わっていないし(明るさは変化があるけれども)、シートも変わりがない。

時代の移り変わりを色濃く反映する鉄道業界のデザインにあって、変わらないと言う選択をするのは、なかなかできる話じゃない。

そして「阪急」がもっと評価されるべき部分は、変わらないと言う部分だけでなく、それを維持するチカラがスゴイと言うところ。

さすがに経年車は古さを隠せないけれども、外装は艶があるし、内装もクタってない。
それは日々のメンテナンスがしっかりとしていると言うコトであり、もっと評価されるべき話であり、それが沿線の風景を作っているのだとも。

京都市交通局・東京都交通局・JR東日本も受賞!

今回、この他に鉄道業界でグッドデザイン賞を受賞したのは、「京都市交通局」が烏丸線に導入した新車両の20系。
京都ならではの伝統色・文様を活用したインテリアなどが評価されての受賞。

また「東京都交通局」が三田線に導入した新車両の6500形も受賞。

こちらは簡潔な車体・合理的な車内設備と空間に加え、保守性をデザインの視点から考慮したのが評価されての受賞。

さらにJR東日本グループが行っている荷物サービスの「はこビュン」も受賞。

新幹線や在来線特急を利用してご当地の産品を高鮮度で輸送するサービスだが、新幹線の速達性のインパクトを生産地と消費地で同時に提供しているコトや、グループとして組織の垣根を超える姿が評価されたモノ。

「阪急」は、伝統的な部分に着目されての受賞ですが、その他の「京都市交通局」「東京都交通局」「JR東日本グループ」は、そうではない部分が評価されているので、その差を感じる内容になっていますね。

新しくなくても、もっと焦点を!

個人的に、“関西に来たなぁ〜”と思うのは、関西らしいモノを食べている時とか寺社仏閣を巡っている時ではなく、「阪急」を見た時だったりするので、変わらないように見える姿が評価されたと言うのは、嬉しいなぁ…と。

どうしても新しいモノに評価や注目は行きやすいのが、今の日本の社会。

それは鉄道業界も同じ傾向にある。

古いモノや変わらないモノは、単にノスタルジックな人気を集めるコトはあっても、評価される訳じゃない。

ですが、こうした変わらないモノに焦点が当たる世の中であっても欲しいなぁ…と、改めて。

まぁ、「阪急」みたいな例は分かりやすい話ではありますが、なかなか変わらないモノを、改めて評価するって難しい話なのだとは思いますけれどね。

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