阿武隈急行、震災乗り越え3ヶ月ぶりに全線で運転再開!

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3ヶ月ぶりに全線で運転再開!

福島県福島市の福島~宮城県柴田町の槻木駅間54.9kmを結ぶ「阿武隈急行」線が、2022年6月27日に、約3ヶ月ぶりに全線での運転を再開しました。

これは3月16日に起きた福島県沖地震での被害によるモノ。

東北新幹線も大きな被害を受けて、しばらくJAL/ANAによって羽田~仙台間で臨時便が運航されていたのも記憶に新しい訳ですが、その中で、ずっと不通が続いていた「阿武隈急行」。

震災後、全線で運転が不通になっていましたが、

・4月18日…丸森~槻木間運転再開
・4月25日…梁川~丸森間運転再開
・5月23日…保原~梁川間運転再開

と、少しずつ、運転区間を広げて来て、今回、最後に残っていた福島駅側の福島~保原間の運転が再開され、全線での運転再開に漕ぎつけたと言う形。

地方の鉄道・路線では、大きな災害後、復旧が上手く行かない例が出て来ている中、ひとまずは全線で運転再開となったのは、喜ぶべき話かな…と。

赤字が続く阿武隈急行だが…

ただ「阿武隈急行」の経営状況は、必ずしも良好とは言い難い状態。

営業・経常損益では、一時黒字になっている年もありますが、全体的には赤字が続いている路線。
累積赤字も、合計で23億7,200万円と言うレベル。
コロナ禍での決算と言うコトもあるが、鉄道事業の収益は約4億3,000万円と言うコトを考えると、累積赤字額はかなりの大きさに達している状態。

輸送人員も減少が続いている状態。
輸送人員は1995年度の約325万人がピーク。
それ以降は、減少基調が長らく続き、コロナ禍の影響もあったが、2021年度は約170万人と半減してしまった。

そうした中で、今回の地震。

今回の復旧に向けての費用は、約9億6,0000万円。
国・宮城県・福島県・沿線自治体の補助金で全額を賄う見通しになっているのは、心強いところだけれども、それでも復旧はしたが、あくまでも被害箇所の原状回復に留まる場所が多く、強靭化は図れていない。

赤字経営の中で、強靭化が図れない状況になっていると言える。

車両の更新も待ったなしで、1988年の開業以降導入された8100系をAB900形10本に置き換える計画が進んでいるが、まだ3編成のみの導入で、全編成の交換には時間が掛かる。

 

他の第3セクター鉄道に比べれば、福島側は県都・福島駅に乗り入れているし、宮城側も仙台駅までの直通運転があるなど、まだ恵まれている経営環境と言えるのかも知れないが、沿線自治体の人口も減少している状況。

やっぱり先が見えないようにも思う。
そうした中で、今回の全線での運転再開。

しっかりと公的な補助がなされたコトは、マイ・レール意識にも繋がるし、まだまだ沿線自治体も必要と認識していると言う話ではあるが、このままの状態が続くのは、あまり良い話とは言えないのは間違いない。

沿線に著名な観光地があるとも言い難い。
そうした中で、どう輸送人員の減少を、下げ止まりまで持って行くのか。
どの第3セクターでも共通の課題にはなるだろうが、鉄道事業者としてだけでなく、地域の取り組みと言う枠組みも、もっと求められてくる状態になりそうな感じ。

当面は、臨時ダイヤで運転

全線での運転は再開になったが、福島~保原間は、7月3日まで原則での運転。
日中時間帯を除く上下18本での臨時ダイヤでの運転になり、上下各27本の通常ダイヤに戻るのは、翌7月4日からになる予定。

こうしたマニアックな動画も、UPしてくれていました。

 

こうした動画を含め、鉄道ファンにも訴える取り組みがあってもイイですよね。

まずは、全線復旧、おめでとうございます。
そして、関係者の皆様、お疲れさまでした。

 

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