JR西日本、第2四半期は686億円の赤字
JR西日本の2022年3月期第2四半期決算が発表になっています。
これによると4~9月期の連結決算では、最終損益が686億円の赤字。
前年同期は1,280億円の赤字だったので、半減に近い数値になっていますが、連結の営業損益では861億円の赤字(前年同期は1,447億円の赤字)と、まだまだ黒字転換には時間が掛かりそうな感じです。
具体的に見てみると、こんな感じ。
今期 | 前年同期 | 対前年同期比 | |
単体|営業収益 | 2,519億円 | 2,259億円 | 111.5% |
連結|営業収益 | 4,368億円 | 4,023億円 | 108.6% |
連結|営業損益 | ▲861億円 | ▲1,447億円 | - |
連結|当期純損益 | ▲686億円 | ▲1,280億円 | - |
運輸収入で見ると、前期1,823億円だったのが、2,100億円に戻っているが、戻り幅はまだ緩やかと言えるのかも知れないですね。
近畿圏の利用実績的にはコロナ禍以前と比べて平均すると50%台半ばにまで戻って来ていて、7月は72%にまで回復しているが、山陽新幹線はコロナ禍と比べて平均で30%前後。7月でも45%であり、最繁忙期の8月は31%に留まったのが大きく響いている形。
ただ10月以降は回復傾向になっており、10月は近畿圏で82%、山陽新幹線は48%にまで戻ると見ている。
通期は据え置き、不採算削減も進める
通期での業績見通しは、据え置き。
売上高は1兆520億~890億円(前期比で14~18%増)。
最終損益は815億~1,165億円の赤字(前期は2,331億円の赤字)。
2022年3月には、新幹線も在来線も運輸収入がコロナ禍以前の90%前後にまで回復すると言う見通しでいる。
費用削減については、緊急的抑制の他に、検査業務のIoT化による検査業務1割削減・自動改札機のCBMソリューション化による保守コスト3割削減やみどりの窓口のセリフ化による半減、列車ダイヤの臨時便比率拡大による柔軟な対応・本社部門のスリム化・採用抑制(前年度比約550名)などが行われている状態で、2020年3月期には8,421億円だった単体での費用を、7,230億円にまで削減する計画でいる。
連結でも一部不採算のホテル店舗(ヴィアイン心斎橋長堀通・姫路)の営業を終了するほか、旅行事業も日本旅行が店舗数を107店舗減らし、店頭販売からWeb販売へと転換を図っている最中。
![](https://m.media-amazon.com/images/P/B0963JGW5N.01._SCLZZZZZZZ_SX500_.jpg)
駅ビル開発案件は控えているけれど…
今後の展開については、2024年春の大阪駅西地区開発、2024年秋の大阪駅新駅ビル開業、2025年春の広島新駅ビル開業、2030年の三ノ宮新駅ビル…と、大型の開発案件が控えている所。
ただ新規の事業となると、あまり積極的ではない感じがしなくもない。
先日発表になり、シェアオフィス事業などにも進出しているJR東日本と比べると、大型案件は控えているけれども、コロナ禍以前の流れのまま…と言う感じがしなくもない。
まぁ、JR東日本と比べると経営基盤が弱含みなコトもあって、そこまでたどり着かないと言う感じなのかも知れないし、逆に言えば、まだまだ駅ビルなどの開発が残されていて不動産・流通事業などでは収益を高める余地が残ると言うコトなのかも知れないけれど。
JR西日本は、山陰地方などを中心に運輸部門で不採算路線が多くある。
既に運行本数はギリギリにまで削減されている状態。
今までは近畿圏などの黒字で、不採算エリアの赤字をカバーして来るコトができた。
コロナ禍でそれができなくなってしまった訳だけれども、影響がどこまで広がるのか…
既に公共交通機関としては完全に使命を終えている路線もあるかと思うが、その中でも鉄道として残したいと思った時に、沿線住民と自治体とどう言う意見交換をして行くのか。
そろそろこの辺りも次の話があってもイイとは思うけれどな。
まぁ、先日、公募増資の話もありました。
そう言う意味では、まだ財務としては余裕ができたとも言えますが。
だからと言って、いつまでも現状のまま…と言う訳にも行かないでしょうがね。
コメントを残す