貨物以外は軒並み大きく前年割れ
ANAに続いて、JALグループが2021年3月期の第2四半期の連結業績を発表しました。
売上収益は、前年度比74%減と大きく落ち込んだ1,947億円で、四半期損失額は、1,612億円に。
通期の予想も売上収益が5,300~6,000億円を見込み、これは前年度比で57~62%の減少。純損失は2,400~2,700億円と予想しています。
具体的な決算の数字は、こんな感じ。
今期 | 対前年度差 | 前年同期比 | |
売上収益 | 1,184億円 | ▲2,817億円 | ▲70.4% |
売上|国際旅客 | 64億円 | ▲1,358億円 | ▲95.5% |
売上|国内旅客 | 506億円 | ▲1,358億円 | ▲95.5% |
売上|貨物郵便 | 268億円 | +44億円 | +19.9% |
純損益 | ▲675億円 | ▲1,087億円 | ― |
ANAは構造改革を発表しましたが、JALは今年度中にコロナの影響を加味した新中期経営計画を発表するとのコトで、JALの他にようやく旅客便が動き始めたLCCの「ZIPAIR Tokyo」を軸にして、旅客回復需要を取り組んで行くとしています。
ボーイング777を早期退役へ!
前回の見通しで、固定費の削減は、当初想定比900億円から、さらに100億円を追加で削減し、合計1,000億円の削減を目指すコトに。既に上期で640億円の削減は達成しているとのコト。
具体的には、人件費・広告宣伝費などが該当しますが、役員報酬の10%削減は、12月までの予定をさらに当面、延長し、来年度は役員報酬の半分を占める業績連動分について、現時点では支給しないコトを決定。
一般社員の給与については、ボーナスの削減で上期は200億円の削減を実現。
冬のボーナスについては、現在、労働組合と交渉中との話。
投資については、前回の見通しで当初想定比から800億円減から、さらに100億円の追加抑制を行い、合計900億円の削減を目指すとのコト。
機材面で、国際線・国内線ともに投入している大型機のボーイング777型機を早期退役させる。
具体的なスケジュールとしては、以下の通り。
・ボーイング777-200ER全11機|一部国内線へ転用・国際線からは全機退役
・ボーイング777全13機|国内線の777は2022年度までに退役
この結果、JALの777は、国際線使用の777-300ERが13機ばかり残る程度。
キャッシュの流出は落ち着いてきた
手元の資金としては、9月末時点で3,466億円。
6月末に比べると、477億円の減少となっています。
が、9月末にコミットメントラインを合計3,000億円、確保しているほか、11月中にさらに1,000億円の増額をする予定。
1年以内に返済すべき有利子負債の残高は509億円。
払い戻しが一通り済んだコトもあって、第1四半期には▲1,302億円だった営業キャッシュフローは、今期は▲197億円に改善しているかたち。
キャッシュバーンは、第1四半期の時点では、1ヶ月で約450~500億円であったが、第2四半期では約150億円~200億円にまで減るところまでたどり着いているが、未だに毎月の流出は続いているとのコト。
国内線は2022年度には元の水準へ!
ANAと異なり、特に次に向けた一手が明らかには鳴っていないのですが、「ZIPAIR Tokyo」が運航予定のボーイング787型機の3~6号機については、計画通り、導入を行うとのコトで、3・4号機はJALからの転用で補い、5・6号機については、リースにて導入を行うとのコト。
また上述の通り、ボーイング777型機を早期に退役させ、後継機材となるエアバスのA350-900型機への置き換えを進め、機材費・整備費を抑えて行く計画。
また航空需要への既存度が低い新たな事業を、新たな収益の柱に育成していくとして、リスク体制を強化して行くとしており、現時点では、国際線旅客は2023年3月末までに2019年度比で80%程度にまで回復するとみており、国内線については、2022年度以降はコロナ禍以前の水準にまで回復すると見ている模様です。
あくまでも堅実を維持か…?
JALの決算も数字上は、結構、厳しい感じです。
まぁ、想像は出来ましたが。
ただANAと違って、特に大きな新しい動きと言うのは、見られず。
ボーイング777が削減に向かうと言うコトぐらい。
まぁ、それも大きいんですけれどもね。
ってか、777なんて導入されたのもつい最近と思っていたのですけれどもね…(単なるおっさんなだけでしょうね、ボクが)。
貨物収入は18.4%伸びた534億円で、唯一、プラスの成長を見せている訳ですが、JALは2010年の経営破綻以後、貨物機の運航をしておらず、旅客便の床下の貨物室に積み込む「ベリー」のみ。
この際、貨物専用便の復活なんて話があっても良さそうな気はしたのですけれどもね。
ただあくまでも堅実に進めて行くと言う感じなのでしょうね、JAL本体は。
まぁ、雇用と会社を維持すると言うのが、まず1つ、大きな目標としてあるでしょうから、それは仕方のない話とも言えますが。
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