第2四半期決算は、64億円の赤字!
スターフライヤーが2021年3月期第2四半期(2020年4~9月)の決算を発表しました。
前年同期には、202億4,500万円あった売上高は、前年同期比で61.2%減の78億5,100万円になるなどし、前年同期は6億8,700万円の黒字を出していた四半期の純損益も64億1,100万円の赤字に達すると言うなど、かなり厳しい決算になりました。
なお、通期の予想については、引き続き、コロナ禍の状況が合理的に算出できる段階にないとして、公表を見送っています。
具体的には、こんな感じ。
今期 | 前年同期比 | |
売上高 | 78億5,100万円 | ▲61.2% |
営業利益 | ▲63億4,100万円 | ― |
経常利益 | ▲64億6,400万円 | ― |
四半期純損益 | ▲64億1,100万円 | ― |
赤字額は2011年の上場以来、最悪の結果になりましたが、何よりも元々の体力がそこまで潤沢ではない訳で、対処が急がれる感じ。
資本増強が早期の課題!
経営基盤が元々も弱かったスターフライヤー。
JAL/ANAもコロナ禍で決算はボロボロでしたが、体力の乏しい中で、より厳しい内容と言えるかと。
9月末時点の自己資本は、7億7,700万円。
自己資本比率は2.8%にまで低下した状況で、なんとか債務超過を回避したと言うレベルである。
引き続き、計画的な減便・運休を始め、社員の一時帰休などの需要減少に応じた体制の構築を進めて行くとしているが、そもそももう会社が持つかどうかの瀬戸際になっている状態。
JAL/ANAは構造改革の柱として固定費削減のために大型機を削減して行くコトを発表していますが、そもそも機材数が少なく、大型機も保有していないスターフライヤーは機材の削減ができる感じじゃないので、整備費用はほぼ変わらないと言うのが現実。
運航に伴う費用を抑える形でしか動けないような状態なので、まずは財務体質の強化が急務。
会社としても「資本増強を含む様々な施策の検討を始めた」としているが、現時点で、何か決定している話はない。
報道では地盤である北九州に縁のある企業からの出資増強であったり、筆頭株主でもあるANAへも資本増強を要請するのでは…と言うのが流れていました。
現時点での上位株主は、こんな感じ。
・ANA|17.96%
・TOTO|4.89%
・ゴルフライフ|3.63%
・高橋慧|3.49%
・安川電機|3.30%
筆頭株主はANAであるがこちらも苦境に陥っており、構造改革を急いでいる最中で、銀行からも多大な新規の融資を受けている状態であり、スターフライヤーの資本増強に動けるとは思えないのだが…と言う感じ。
上位株主に入る日産も同様だろうから、可能性があるとしたら、TOTO・安川電機・福山通運ぐらいなのかな…と言う感じはあるが。
ANA依存度が急上昇なのも課題?
こうした中で、新機材としてA320neoを選定して、2023年1月から導入を始めるコトを決定しました。
現状、確定発注が3機、オプションが2機の合計5機で、これは現在利用中の機材がリース期間を満了するコトに伴う措置。
が、これぐらいしか次に繋がるこれぐらいしか話題がナイと言うのが、現状なのかな…と言う感じですが、恐らく、JAL/ANA以外の中小航空会社も同じ感じなのかな…と言う気も。
売上に対して、コードシェアなどでの座席販売・貨物輸送を行っているANAの売上に対する割合も、前第2四半期は30.0%だったのが、今期は64.0%にまで上昇しているのも、ちょっと気になるところ。
つまりは自主的な稼ぐ力が3割強でしかない。
もちろん、このコロナ禍において、ANAとの提携は会社を下支えするチカラになっているのは事実だが、依存度が高くなりすぎている感じも否めない。
さすがにこれでは打つ手が限られてくるだろうな…
何とか踏みとどまって欲しい…
もうそう思うしかないけれども。
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