マレーシア、2019年9月から出国税導入!

マレーシア、出国税導入へ!

マレーシア政府が、2019年9月1日より出国税を導入するコトを発表しています。

日本では一律1,000円と言う形で導入されていますが、マレーシアの場合は、行き先によって金額が異なる形での導入になっており、税額は以下の通り。

行先エコノミークラスビジネス・ファーストクラス
ASEAN域内8リンギット(約210円)50リンギット(約1,280円)
ASEAN域外20リンギット(約510円)150リンギット(約3,830円)

今回導入される出国税は、空路で出国の場合に必要になるモノで、陸路・海路で出国の場合は、徴収なしとのコトです。
また幼児・12時間未満の乗継・運航乗務員なども免除されます。

まぁ、エコノミークラスを利用するだけであれば、税額自体は、さほど高くはないのが特徴でしょうか。

ただビジネスクラス以上の利用で、ASEAN域外が目的地となると、片道150リンギット。
往復になるとそこそこの金額と言えるのかも。

出国税が、公平な税負担にならないのは、何故?

こうした出国税は、各国で導入されている感じがありますが、どうして利用クラスによって税額が異なるのでしょうね。

出国に掛かる費用を負担させる・観光促進の為の費用の徴収であれば、利用クラスの差異って、あまり関係がない様に思うので、公平な税負担にならないのでは…?と、つい思ってしまったりします。

同様に、目的地によって税額が異なると言うのも、その根拠が何処にあるのだろう…と。

しかも今回導入するマレーシアの場合は、「ASEAN域内」と「ASEAN域外」言う括りになっていて、特にマレーシアからの距離で分けている訳でもなく、距離的にそう遠くはなく、日本からもマレーシア経由で行きやすいインドでも「ASEAN域外」になる訳です。

何だかちょっと腑に落ちない感じはありますね、やっぱり。

1994年から航空旅客税を徴収しているイギリスで見ると、2017年から利用クラス別ではありますが、「EU域内」・「EU域外」と言う区別ではなく、2,000マイル未満/以上と言う距離区分によって徴収額が異なるスタイルで導入されているのですが、距離別の方がすんなりしますね。
まぁ、距離数で区分してしまうと、パッと分からないのは難点ではありますが(どこが2,000マイル未満なのか分かる人なんて、滅多にいる話ではないでしょうから)。

ボク個人が、ビジネスクラス以上のクラスで移動するコトは、基本的にナイので、寧ろ、上級クラスの税負担が高いと言うのは、助かる話ではありますが(公平にすると、エコノミークラス利用客の負担額が増すだけの話なので)。



地味に広がる出国税の導入

それにしても…

どんどん出国税を導入する国が増えて来たな…と言うのが、実感。

元々、出国税って、自国民的には、そこまで税負担が高い訳ではないので、導入しやすいと言う側面が大きいのかな、やっぱり。
しかも航空券と共に徴収してしまえば、“徴収されている”と言う意識すら薄くなりますしね。

最初に導入した国って、ホント、頭いいなぁ…と感心してしまいます(笑)。

1978年から導入しているオーストラリアが最初の事例になるのかな(導入当時は出国税・現在の名称は出国旅客税)。

オリンピックや口蹄疫などによって改定されていて、2019年時点では60オーストラリアドルの課税金額になっており、日本円に換算すると約4,347円(オーストラリアの場合は、距離・利用クラスに関わらず、全出国者定額での課税)。

少し古いデータですが、2016年の徴収額は、9億3,500万オーストラリアドルと言うので、約729億円。

かなりの金額に上っている訳ですが、これだけの金額の税金を自国民向け限定で導入しようとすると、やっぱりすんなりと行く訳じゃないでしょうしね。

日本での導入は2019年1月7日~なので、年間の徴収金額がまだ分からない状態ですが、2019年の出国者数が2018年と同規模であったと仮定すると、徴収金額は約500億円。

日本政府が目標としている2020年の訪日外国人4,000万人が達成されると、2020年には600億円規模になる訳で、やっぱり大きな財源にはなりそうです。

税関・検疫所の整備・出入国管理の体制整備に加え、観光振興。

色々と使い道はあるのでしょうが、それがホントに旅行者にとって実感出来る形で還元されているのであれば、“まぁ、仕方がないのかな…”なんて思うのですが、実際の所、そんな気があまりしない国が多い様な感じがしてしまうのですけれどもね。

どの国も出国税が観光振興に利用され、その効果が大きければ、良いのですが、ちゃんと検証される機会がとても薄い様に思える訳で、どうなのよ?と、つい思ってしまいますけれどもね。

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