デルタ、成田~マニラ・シンガポール線運休で、成田撤退?

デルタ、成田~シンガポール・マニラ線から撤退!

アメリカ3大航空会社の1つであるデルタ航空が運航している成田~シンガポール線から、2019年9月22日を以て、撤退するコトが明らかになりました。

この路線は、現在、成田空港からの以遠権(自国から相手国を経由して、第3国の空路を運航し、その第3国への区間でも営業運航が出来る権利のコト)を活用して1日1往復が運航されているのですが、同じスカイチームのメンバーである大韓航空との仁川経由のコードシェア(共同運航)へと移行して、シンガポールへのアクセス自体は、維持をするとのコト。

さらに、成田~シンガポール便から撤退すると、以遠権を活用した成田~アジア路線として唯一残るコトになる成田~マニラ線も、2020年4月1日以降の販売を取りやめたコトが明らかになりました。

こちらも現状は、1日1往復で運航している路線ですが、大韓航空の仁川~マニラ線のコードシェアへと移行する形になりそうです。

なぜデルタ航空が日本~アジア線を運航?以遠権って?

デルタ航空の以遠権。

元々は、ノースウェスト航空が保有していたモノで、アメリカから日本を経由してアジア路線を多く運航して来ていました。どのぐらいの便があったかと言うと…

・ロサンゼルス~成田~香港
・ポートランド~成田~シンガポール
・シアトル~成田~ソウル
・ホノルル~成田~広州
・デトロイト~成田~北京・上海
・サンフランシスコ~成田~バンコク

などがあり、さらに釜山・台北・コロール線やアメリカ本土ではないサイパンとグアム線などを運航していたりしています(運航時期が同時な訳じゃないけれど)。

成田発着路線だけでなく、ミネアポリス~中部~マニラだったり、関空からも高雄、台北、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラへの路線があったり…と、日本発のアジア路線ネットワークが豊富に運航しており、2011年だと成田で週196便も運航して、JALとANAに続く第3の航空会社と言うぐらいの存在だったりしました。

お陰で、アメリカの航空会社であるにもかかわらず、日本の成田にハブ機能があると言う様な状況だったりしたのは、戦後に結ばれた日米航空協定のおかげ。

しかしながら、近年は日本路線の縮小が相次いでおり、2018年からの大韓航空との共同事業の展開が開始され、より一層、日本を経由しない路線網の形成が進んでいました。



成田から羽田へ

東京側も羽田再国際化が実現し、現在、羽田~ミネアポリス・ロサンゼルスの2路線を運航しており、さらに羽田の発着枠拡大に伴い、アメリカの航空会社に割り当てられる12の発着枠の内、5枠の仮割り当てを受けている状態(就航都市は、シアトル・ポートランド・デトロイト・アトランタ・ホノルル)。

この5枠の割り当てが実現すると、成田空港発着路線の北米線は、基本的に羽田空港発着で補えるコトになり、アジア路線を大韓航空との提携で補うコトが出来れば、成田空港発着便を維持する必要がなくなると言うコトになります。

羽田~アメリカの増加発着枠は、デルタが最大枠を暫定確保!

アメリカ運輸省(DOT)が、アメリカを拠点としている航空会社4社から受けていた羽田空港への就航路線申請について、暫定的な発着枠の増加分の配分を決定しました。 申請していた航空会社は、4社。 暫定配分の中で、最多の発着枠を確保したのが、デルタ航空で、5枠。 続いて、ユナイテッド航空の4枠。 アメリカン航空は2枠で、ハワイアン航空が1枠となっています。 …

そもそも成田発のアジア便は、アメリカから到着した便を利用して運航している訳で、成田から羽田に路線が移行してアメリカ~成田間が運休すれば、機材も飛んでこなくなる訳ですし、以遠権を活用するコトが出来ないですからね。



ノースウェストからの成田ハブの終焉

ノースウェスト航空時代から続く、デルタ航空の成田空港運航便。

いよいよそれが撤退になる可能性が高くなって来たと言うコトになります。

かつて、日本発で安値のアジア路線と言えば、以遠権フライトであるノースウェスト航空が安定して安かったので、使ったコトがある方も多いかとは思いますが、ボク自身も、初めて海外へ1人で旅をした時に使ったのが、ノースウェスト航空の成田~バンコク線。

その系譜を受け継ぐデルタ航空の成田発着便。

それがいよいよ無くなる寸前なんですね…

成田から羽田へ。

デルタが成田を撤退させると言うのは、時代の流れと言えば、そうなんだと思う。
だって羽田の方が都心にも近いですし、国内線への乗継もスムーズで就航都市も格段に多くなる訳ですから、便利になる方も多いハズ。

そもそも中距離路線にまでLCCが就航する時代。

LCCに比べると、デルタ航空のアジア路線が、格段に安い訳でも無くなっていましたし、アメリカからの路線を活用する訳なので、アジア各都市の到着時間が遅くなってしまう・現地出発が早朝になるなどのデメリットもありましたし、日本国内での提携先のナイデルタ航空のプレゼンスと言うのは、やっぱり長期的に見ると、落ちている感が否めない訳で、もうデルタ航空でアジア…と言う時代でもないのでしょう。

日本の航空会社には1カ所しか認められていないアメリカ発着の以遠権。

それなのにアメリカ側には無制限の以遠権が認められているなど、日米航空協定は、現在でも戦後の締結当初の姿が残るぐらいに、不公平な内容になっていたりする訳で、まぁ、実際に協定が変わる訳ではないけれど、現実的には以遠権フライトがなくなれば、不公平感は和らいだりもしますしね。

羽田発着のアメリカへの路線は多く運航する訳で、別に日本から撤退する訳じゃないのですが…
やっぱりアラフォー世代には、ちょっと寂しさを感じさせる出来事なのは、間違いがないですね。

それでも思うのは、“成田のデルタ、ありがとう~”ですかね、バックパッカーとしては。

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