南米のベネズエラと中米のパナマとの間で緊張関係が続いています。
事の発端は、2018年4月3日にパナマのサインマロ副大統領兼外務大臣が、マネーロンダリングで高いリスクがあるとされる個人リストを発表しましたが、その中に、ベネズエラのマドゥロ大統領を加えたと公表したコトです。
既にアメリカなどは、非民主的な政権として、マドゥロ大統領への制裁を発動していますが、それらと歩調を合わせる形になっています。
パナマのコパ航空、ベネズエラ就航停止に!
それに対して、ベネズエラ政府は、パナマの大統領や企業を制裁対象に指定をし、パナマのフラッグキャリアであるコパ航空も6日からパナマとベネズエラとを結ぶ路線の停止が発表されています(詳しくは、コパ航空のアナウンスであるコチラを)。

abendani / Pixabay
コパ航空は停止前までは、
・パナマシティ~カラカス(1日2往復運航)
・パナマシティ~マラカイボ(1日1往復運航)
・パナマシティ~バレンシア(週8便運航)
で運航していましたが、これら全ての便が90日間の運休へ。
一応、カラカス線はコンビアサが週6便、マラカイボ線はRAVSAが週4便、バレンシア線はアビオールが週5便運航している模様ですが、それも何処までちゃんと運航されているのか…と言う感じがしなくもありませんけれどもね。
[amazonjs asin=”4000222287″ locale=”JP” title=”ウーゴ・チャベス――ベネズエラ革命の内幕”]ベネズエラから外国航空会社が、次々と逃げ出している!
そもそもベネズエラの航空事情は、政治状況同様、かなり不安定になっているのが現状。
ここ半年ぐらいの動きを拾ってみると…
2017年6月:TAPポルトガル航空がベネズエラでの航空券の販売を中止。
2017年7月:ユナイテッド航空が、ヒューストン~カラカス線を停止。
2017年8月:アビアンカグループが、ボゴタ~カラカス・リマ~カラカス線線を休止。
2017年9月:デルタ航空が、アトランタ~カラカス線を無期限休止。
ユナイテッドにデルタと言うアメリカ3大航空会社の2つと、隣国のコロンビアをベースにしているアビアンカまでもが、既にベネズエラへ就航していないと言う状態。
他にもエアカナダ・アエロメヒコ・アリタリア・GOL・Tiara Air 、ルフトハンザドイツ航空…と続々とベネズエラへの運航を取りやめており、コパ航空はその中でも飛ばし続けてきたキャリアだったのですが、今回の措置で、ベネズエラへのフライトが最低90日はなくなるコトに。
ってか、このままのペースでいると、その内、ベネズエラから空路が一切、無くなってしまって、ベネズエラが陸の孤島になるのでは…と言いたくもな(実際は、陸路で入れるので、そんなコトは起きませんが)。
それにしても、このフライト運休状態。
もう笑えるぐらいです。
日本で例えるなら、大韓航空にアシアナ航空、中国国際航空、中国南方に中国東方航空、キャセイパシフィック、中華航空、ユナイテッド航空、デルタ航空ぐらいが休止する中でエアドゥとソラシドエアだけが運航していると言う様な感じでしょうか。
ハイパーインフレに仮想通貨、どうなるベネズエラ?
ハイパーインフレに悩んでいるのが、ベネズエラの現状。
国が埋蔵する原油に裏付けされた(とする)仮想通貨の「ペトロ」を発行するぐらいまで窮乏しているのが現状。
中央政府が主導して発行された仮想通貨としては、おそらく、世界初なんですけれどもね。
世界初の中央政府主導の仮想通貨に加え、埋蔵している原油と言う裏付けもあるのに、原油相場に比べると6割引きの1ペトロ=24ドルと言う値しか付かない有様。
まぁ、原油は信じられても、中央政府は信じられないと言う表れなんでしょうね。
そんな状況下で、仮に空路を維持したとしても、そこまで利用があるとは思えないんですけれどもね。
こうなったらさっさと現政権は退陣して頂いて、腐敗を廃絶する新政権を発足して欲しいと願うばかりですが(じゃないといつまでたってもエンジェルフォールに行けないし)。
因みに、コパ航空の就航停止を受けて、パナマ政府は駐ベネズエラ大使の召還を決定。ベネズエラ政府に対しては、駐パナマ大使の引き上げを求めるコトに。
両大使が引き上げになると、対話の糸口が探れなくなりますから、緊張緩和に向けての流れも作り出せなくなります。
それにしても…
チャベス亡き後のベネズエラも、傍から見ると、やっぱり面白いコトをやってのける国ではあります。
住んでいる方々からすれば、非常に不愉快な感想だとは思いますが。
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