九州産交や熊本電鉄などが対象
熊本県内で、鉄道・バスなどを運行している5つの事業者が、現在、導入している全国交通系ICカードによる決済を2024年内にも廃止し、年度内にもクレジットカードなどによるタッチ決済を導入する方針を決定し、発表になりました。
対象になる事業者は、
- 九州産交バス
- 産交バス
- 熊本電鉄
- 熊本バス
- 熊本都市バス
の5つの事業者で、これらでつくる“共同経営推進室”が、今回の件について発表した形。
理由としては、全国交通系ICカードに対応する機器の更新時期が迫って来たが、更新にかかるコストが大きいと言うモノ。
ただし、地域限定型の交通系ICカードである「くまモンのICカード」については、今後も継続して利用できる見通し。
2023年度の利用者のうち、交通系ICカードの利用が占める割合は、
- くまモンのICカード…51%
- 全国交通系ICカード…24%
とかなり大きな割合を占めていました。
機器の更新は、合計で約900台。
仮に全国交通系ICカードを継続して利用した場合の更新費用は、5社全体で約12億1,000万円。
一方、クレジットカードなどによるタッチ決済対応のシステムに入れ替えた場合の費用は、約6億7,000万円程度とのコトで、ほぼ半額になる計算。
この1年間で、この5事業者の赤字額の総額は約39億円なので、やはり小さくはない差額と言うのが決め手になった形。
熊本市電でもタッチ決済移行が決定!
さらに熊本では、熊本市電でも2026年4月から全国交通系ICカードの廃止を明らかにしています。
市電での全国交通系ICカードの利用が上記の5事業者よりも、さらに大きく、約半数を占めているとのコトですが、やはり将来に渡って機器の更新にかかる費用を勘案した結果、既に導入しているクレジットカードなどのタッチ決済やQRコード決済に完全移行する感じ。
市電と合わせて、一気に熊本市内から全国交通系ICカードが利用できなくなる感じ。
まず大きいのは、やはり更新費用。
ただ補助金が入らないと言うのも大きいのでしょう。
国からの補助の対象になるのは、新規の事業のみで、継続事業は対象外。
一方のタッチ決済などの導入費用で言えば、熊本市が補助金として1/6相当の約1億1,236万円を予算計上しています。
元々、導入費用が安いのに対して、さらに補助金を入れられるコトを考えると、どれだけ利用が多くても、タッチ決済に移行すると言うのは分からなくもない選択ではあります。
今後も増えていきそうな流れか…
不便さが残るのは、確実。
ただやはり今後、交通系ICカードを捨てて、タッチ決済もしくはQRコード決済に移行する事業者は増えてくるのかな…と言うイメージ。
小規模な会社になればなるほど、スケールメリットもないですしね。
ただ日本ではタッチ決済の普及が遅れているのが現実。
また逆に言えば、交通系ICカードが全国、いろいろな事業者で通用するようになっている。
折角、全国に広がった輪を閉ざすのも、もったいないようには思う。
インバウンド向けには交通系ICカードよりもタッチ決済の方が便利。
それは事実だけれども、国内旅行の利用促進と言う名目で、何かしらの助成が入ってもいいのになぁ…とは、思ってしまいますね。
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