近江鉄道、上下分離で保守管理などの事業費が10年で158億に!

日本各地の公共交通網がズタズタになりつつあるけれど、そこを支援しようと言う公共自治体って、かなり地域によって温度差があるように思えるのは、ボクだけですかね…?

24年度から上下分離方式へ!

滋賀県を走る「近江鉄道」は、2024年度から上下分離方式に移管する計画になっていますが、滋賀県と沿線自治体などが参加する「近江鉄道沿線地域公共交通再生協議会」が、導入から10年間の鉄道施設の保守管理費・修繕費などの総事業費が合計で約158億3,000万円になる見込みであるコトを明らかにしました。

実際には、42億2,000万円は国からの交付金が出るので、県と沿線10市町の負担額は、合計で116億1,000万円。

単純計算しても、1年間で11億以上の負担になる見込み。

上下分離方式では、運行はこれまで通り、「近江鉄道」が担い、施設の維持・管理は沿線自治体で作る「近江鉄道線管理機構」が担う方式。

「近江鉄道」の赤字額が膨れ上がり、鉄道業以外の収益を以ても赤字を補えなくなって来たコトから導入が決定した。

具体的な内訳としては、73億7,000万円が県・沿線自治体が負担する設備費・修繕費。25億1,000万円が定期的な点検や検査費用。
さらに機構の運営費が17億3,000万円と言うコトになっている。

ただ県・自治体の負担額は、今年度に比べ、年間で1億円増えており、物価高も加わり更なる増額も予想される。

年度内にも上下分離方式の認可を受ける予定で、これらの事業費を盛り込んだ近江鉄道線再構築実施計画(2024年度から10年間)を、年内にも国に提出する計画で、まずは上下分離方式での「近江鉄道」線の維持に向けて動き出した形。

 

ICOCAの導入も計画に!

近江鉄道線再構築実施計画では他に、

・通学定期券の割引
・交通系ICカードの導入
・観光列車の導入に向けたクラウドファンディングの実施

と言った内容が盛り込まれる予定で、初年度から「近江鉄道」の黒字化を目指し、10年間で乗客数をコロナ禍以前の約479万人(2019年度)の水準まで回復させるコトを目指すとのコト。

「近江鉄道」線は、沿線長は長いが、彦根口・近江八幡~八日市間に需要が偏っている感じがあるし、JR線に出るのに使う感じで短距離乗車が多く、再生は容易じゃないのは、素人目からしても分かる。

沿線の中間地点ならば、マイカーでJR線に出た方が安くて速い訳だから。

そこをどう「近江鉄道」を使って貰うように流していくのか。

結局のところ、そう言うコトなのだとは思う。

そこまで特筆される観光スポットは少ないが、それでも観光スポットがナイ訳じゃないし、そもそも「近江鉄道」は駅自体が観光スポットになる可能性を持っている場所があったりするが、それでも、日常の足を増やして行かない限り、未来はなさそう。

パークアンドライド。駅に交通資源を集約化して、より使いやすい状況にするだけでは、直接、JR線に出る人を移せないようにも思うが、どう乗客を増やしていくのかな…と。

まだまだ人口はいるエリアだが…

路線的には線形も良い区間が多いので、しっかりとテコ入れすれば、スピードアップが可能になると思うけれど、「近江鉄道」の場合、どこまで意味があるのかな?と言う気はします。

どうせ多少なりのスピードアップをしたところで、JR線の速さには勝てない訳ですし(そもそも八日市経由になるだけ距離的にも不利ですし)。

ただ沿線はまだまだ人口がいるエリア。
掘り起こせば、需要が得られそうな気もしなくはない。

何と言っても、米原・彦根・近江八幡・貴生川と、4つもJR線と接続がある地方私鉄なんて、なかなか例を見ない訳ですし。

またグループ会社も以前より小さくなってきたと言えども、健在ですし、なんとかここで踏ん張って、鉄路を残す道筋をより確かなモノにして欲しいところではありますね。

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