ZIPAIR、単年度で初の黒字決算!旅客収入が大幅増加!

ZIPAIR、22億円強の黒字に転換!

JALの傘下にあり、主に中・長距離路線を担当するLCCの「ZIPAIR」の2023年3月期決算が公表になった。

これによると、22億7,220万円の黒字を計上し、会社設立以来、初の黒字転換と言うコトになった模様。

具体的に見てみると、こんな感じ。

項目2023年3月期2022年3月期
事業収入317億3,403万円68億7,569万円
営業利益28億4,020万円▲66億8,218万円
経常利益24億9,2711万円▲66億219万円
当期純利益22億7,220万円▲50億3,029万円

売上に当たる事業収入が大幅に伸びたことにより、黒字転換した形ですね(逆に言えば、事業収入の増加に対してみれば、損益の改善率は低い気がしますね)。

売上収入の内訳とその推移を見てみると、こんな感じ。

項目2023年3月期2022年3月期2021年3月期
航空運送収入224億4,934万円7億1,707万円5,170万円
貨物賃貸収入85億8,002万円61億355万円19億8,114万円

旅客・貨物ともに前年度を上回る形。
特に旅客分野での伸びがかなり大きく、ようやく収入面では旅客>貨物と言う構図に。
貨物が伸びたのは、路線網が増えたコトが大きいのかな?と言う感じがありますね。

事業開始が、コロナ禍と言う最悪のタイミングになってしまった「ZIPAIR」。
でも、そうした中で貨物収益を柱にしつつ、路線網を増やして来た形で、この夏も成田~サンフランシスコ・マニラの2路線を開設。

ZIPAIR、夏までにサンフランシスコ・マニラに新規就航へ!

今回の決算にはこの2路線は反映されていませんが、これで、

  • 成田~ホノルル・ロサンゼルス・サンノゼ・サンフランシスコ
  • 成田~シンガポール
  • 成田~バンコク
  • 成田~ソウル
  • 成田~マニラ

の合計8路線を運航と言うコトになり、存在感も徐々に高まって来た感じ。

日本人の海外旅行離れが叫ばれている状況ですが、現地の乗客+東南アジア~北米の需要を拾っているような形で、北米西海岸線は3路線共に好調を維持しているとのコト。

決算的にも黒字に転換し、ひとまず一息付けた…と言う感じでしょうか。

 

収益拡大に向けて、今後の課題は?

ただ「ZIPAIR」は、5号機以外は、どれもJALからの転籍機材。
つまりは、基本的に減価償却が終わっているレベルの機材なので、決算的に黒字を出せると言うのは、需要と路線網さえ伸びれば当然なのかも知れないですね。

寧ろ、新造機も入っているし、2025年度までに10機体制を確立させると言う計画からすれば、決算的に一安心しただけで、まだまだ収益確保に向けては、課題もあると言う状況なのかも知れないですね。

コロナ禍で、資本金も89億円から1億円に減資しましたし、この辺りを再度、手厚くする必要もあるでしょうし、何よりもANAも第3のブランドとなるAir Japanを立ち上げて来て、2024年2月の就航を目指していますしね。

Air Japanはとりあえずアジア路線で路線網を広げて行く形ですが、既に母体になるエアージャパンがあるので、展開は早そうなので、のんびりしていたら日本~アジア間の先行者利益はAir Japanの方に移ってしまいそうですしね。

ZIPAIRの現状で、難点なのは、サーチャージ込みでシンプルな運賃体系なのは、分かりやすくていいのですが、逆に言えば、キャンペーン運賃などの目玉運賃がナイと言う点でしょうか。

新たに新規で開設した路線ですら、特にキャンペーン運賃がナイと言う状態なのは、やっぱりパンチ力に欠けますね。

もちろん、その都度、フレキシブルに運賃は設定されているようには思いますが、多少なりともキャンペーン運賃の設定があっても良いようには思っちゃいますね。

次はどこに飛ばす?

既に2023年度は2路線が新規で開設されたので、当面は、新しい路線と言うのはナイのかな?と。
ただそろそろJAL本体が飛んでいない場所へ、どんどん飛ばして欲しいなぁ…と言うのが、正直な期待。

現状、JALが飛ばしていなくて、ZIPAIRが就航しているのは、サンノゼだけですからね。

JALが飛ばしていなくて、ZIPAIRが飛びそうな可能性があるところ…
中国は除くとすると…

北米だと、ポートランド・フェニックス。
アジア圏だと、セブ・デンパサール・ムンバイ・チェンナイとか?
もしくは、初のオセアニアと言うコトで、ケアンズ・オークランドとかも可能性としてはあるのかな?

本来ならば、タイのチェンマイやラスベガスとかも期待したいですが、貨物需要を考えると、なかなか厳しいかも…ですね。
そもそもチェンマイだと、ちょっと機材も大きすぎる感はあるし。
ただインド・オセアニア路線だと、ちょっと飛行時間が長すぎる感があるのがネックでしょうか。

それを考えると、やっぱり既にJAL本体も飛んでいるハノイ・ホーチミンとかになっちゃうんだろうけれど。

ってか、その前にまずは、ずっとアナウンスされている台北なんでしょうけれど、これからも路線展開が楽しみな感じですね。

Sponsored Link



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください