確定15機の契約を解除!
「ANA」は、三菱重工業が開発を進めていた「三菱スペースジェット」(旧・MRJ)について、2023年4月24日付で契約を解除したコトを発表しました。
「ANA」は、三菱スペースジェットのローンチカスタマーとして、確定15機・オプション10機の最大25機の発注契約を結んでいましたが、三菱スペースジェットは形式証明が取れないまま、開発断念となり、今回、「ANA」も確定発注分をキャンセルしたコトで、全ての契約が解除と言うコトに。
三菱スペースジェット、形式証明取れないまま、開発断念へ!
既に同様に三菱スペースジェットを確定発注していたJALも、2月28日に補償金として80億円を受領するコトを発表済み。
ANAへの補償金額は、現時点では未発表。
JALの確定発注は32機だったので、発注機材数としてはANAを上回っており、発注からの期間はANAの方が長いですが、JALを上回るコトはナイのかな…と言う感じ。
ANAは4月27日にも連結業績を発表予定なので、その辺りで具体的な金額は明らかになりそうです。
因みに、この連結業績については、影響はないとのコト。
また、“今年度”のANAグループ航空輸送事業計画への影響もないとしています。
JALの場合は、保証金80億円
正直、まだ解除されていなかったんだね…と言う気もする。
もちろん、解除に当たっては補償金とセットになるので、他の航空会社との交渉もあるから、スグに…と言う訳にはいかないのでしょうが。
逆に、JALの時に思ったのは、確定発注して、開発が遅延してダラダラと引き渡しも延びていたのに、結果、開発断念…の補償金が80億円で済むんだ…と言うコト。
当初の予定では、2013年にもANAに納入開始と謳っていたのに、6度の延期を経て、10年が過ぎようかと言う時期に至っても開発が実現せず…と言う感じなのに、80億円か…と(JALの場合は、正式に確定発注したのは遅かったですが)。
もちろん、納入遅延と契約解除は異なる補償になるのでしょうが、そもそも航空機ってお高いモノですからね。
補償金額も、それなりになるんだと思っていました。
こう言うのは日本の企業よりも、海外の企業の方がシビアだと思うのですが、やっぱり海外の航空会社・リース会社宛の補償金の方が、跳ね上がる契約になっていたりするのかな?
で、代替機。
JALは早々に三菱スペースジェットを見切って、代わりはエアバスのA220かエンブラエルのE2になるコトを明らかにしている状態。
ジェイエアのが運航していたボンバルディアCRJ200(1クラス50席)を退役させ、エンブラエルE170-100(1クラス76席)とE190(2クラス104席)を導入。
そのE170-100の更新として三菱スペースジェットだったのですが…
エンブラエル機材で揃えると言うのが、一番、すんなり…と言う感じですが、E175-E2は、開発が一時中断しているのが気になるところ。
エアバスのA220だと2クラスでも、ちょっと定員が大きい感じはしますからね。
今後1年ぐらいで、どちらにするかは発表になるのでしょうが、ANAはどうするのだろう…と。
ようやく次に動き始めた
いつまでも宙ぶらりんとしている状態だった三菱スペースジェット。
開発断念で事業清算になるコトから、ようやく動き出した感じはしますね。
あとちょっと…と言うところでの開発断念なので、賛否はあるかと思うけれど、度重なる開発延期で、航空会社側からしても、もう計画が立てられないような状態になっていましたからね。
それを考えれば、正式に断念されたコトで、ようやく次に動き出したと言う感じもするので、ANAの機材決定発表を待ちたい感じですね。
それにしても…
期待が大きかった分、落胆も大きい。
そして、何よりも長かったなぁ…
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