新しい成田空港への中間とりまとめ発表!
現在、3つのターミナルで運用中の成田空港。
これを1つの旅客ターミナルに集約する「新しい成田空港」構想について、成田国際空港会社(NAA)が、中間とりまとめを発表しました。
成田空港、ターミナル集約構想が明らかに!
発表になったワン・ターミナル構想は、こんな感じ。
まず場所は現在の第2ターミナルの南側が候補地。
ココが候補地となった理由としては、既存のA/B滑走路と新設予定のC滑走路の中間地点に位置し、比較的、まとまった土地が確保しやすいと言うコト。
ワン・ターミナルへのタイムスケジュールとしては、こんな感じ。
- 2029年3月31日まで|
・C滑走路新設(全長3,500m)
・B滑走路延伸(全長2,500m→3,500m化) - 新ターミナルを半分整備
・第2ターミナルと第3ターミナルとを接続 - 残りの新ターミナルを整備
・既存の第1ターミナル閉鎖後の跡地を利用 - 既存第2・3ターミナルを閉鎖
・チェックイン/保安検査/出入国手続き機能などを集約化
こんな流れで、新ターミナルの建設は、2つのフェーズに分けて行う旨が公表されました。
まぁ、既存の機能を損なう訳には行かないので、段階的に整備せざるを得ないのは、やむを得ない話でしょうね。
半分の整備を行なった時点で、既存の2タミと3タミと新ターミナルは接続されるので、暫定的にワン・ターミナルになる見込みで、一部施設も共用化される計画。
ワン・ターミナルのメリット・デメリット
成田空港のターミナル改築は、結構、喫緊の課題だとは思う。
最も古い第1ターミナルは1978年5月の開港当初から使用しているし、第2ターミナルも1992年12月からの供用。
最も新しい第3ターミナルは2015年4月の供用開始なので、まだ10年が過ぎていませんし、その後も改良工事が進められてはいますが、第1・2ターミナルの古さは、もう否めない感じがあるし。
ターミナル間の移動もバスのみで乗り換えには不便ですし、非効率なレイアウト(特に第1ターミナル)と化しているのに加え、旅客側からしても古さ・暗さを感じる空港になっている感じはしますしね。
ただワン・ターミナルとなるとメリットとデメリットはあるように思う。
まず大きなメリットとしては、乗り換えが至便になると言う点。
JALもANAも成田空港発着便は、北米大陸~東南アジアへの乗り換え需要を拾うと言う存在になっているし、今後もその流れは強まるでしょう。
そうなると、やはりトランジットでの利用がしやすい空港であるべき。
現状は、アライアンスで分かれている部分もあるので、そこまでトランジットでターミナルを跨ぐ旅客は多くないのかも知れないけれど、アライアンスに関わらない提携などでは、やはり不便感は否めないけれど、ワン・ターミナルになると、グッと便利にはなりますからね。
運営側からしても、ワン・ターミナル化した方が、様々な施設を集約できるので効率的ですしね。
デメリットとしては、やはり混雑が集中すると言う点でしょうね。
現状でも日本の玄関である成田。
今はターミナルが分かれているから、旅客もそれなりに分散化している訳だけれども、ワン・ターミナルになると、そう言う訳にも行かないので、時間・タイミングによっては混雑が酷くなるのは、想像に容易いですからね。
空港は1度作ってしまうと、その後、なかなか拡張ができなかったり、拡張しても機能的にスムーズじゃなくなったりするので、最初のグランドデザインが肝心だと思うので、しっかりと議論を尽くして欲しいところですが、さすがに混雑の集中化は回避できないんだろうなぁ…と。
あと何気にワン・ターミナルになると、制限区域内の距離が長くなる傾向にあるのも、利用者からすれば大きなデメリット。
バンコクとか、JAL便、一番奥だったりするので、ホント、どこまで歩かされる?と思うレベルですからね。
この辺りも、できるだけ歩く距離を短くできるような設計になれば良いのですが…
完成するのは、いつになる?
C滑走路の完成後に着手する形なので、仮にワン・ターミナルになるとしても、まだまだ先の話になってしまう。
2段階に分けての整備なので、ホントに完成するのはいつになるコトか…とは思うけれど、1タミなんてもう完成する頃には、50~60年選手になっていそうな感じなので、C滑走路完成まで待っていてイイんだろうか…とすら思ってしまいますね。
まぁ、一気にできないと言うのも、分かるんですが、やはりスピード感と言う意味では、日本は遅いですよね。
ワン・ターミナルになって、誰に対しても便利で使い勝手の良い空港になれば良いのですが…
個人的には、ワン・ターミナルでサテライトはナシが望ましいけれど、今の1タミみたいなウィング方式だと、ワン・ターミナル化してもそこまで歩く動線は長くならないのかなぁ…とも。
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