感染症流行時に利用者に対策を求められるように!
政府が秋の臨時国会での提出を目指している「旅館業法改正案」の全容が判明してきた。
これは、新型コロナウイルスと言った感染症の流行時において、ホテルや旅館を経営する事業者が、マスクの着用など、感染防止策を来場者側に求め、正当な理由なく拒んだ場合は、宿泊を拒否できるようにすると言うモノ。
現行法では、事業者は原則、利用者の宿泊を拒んではならないと定めているが故に、感染症防止対策を利用者に対して求める根拠規定がない状態。
これを今回の改正案で、事業者が感染症流行時に宿泊客への感染防止対策に協力するよう要請できると明記し、要請内容は法令で定めるとした。
具体的に想定されるのは、
・マスクの着用
・検温の実施
・手指消毒
と言った、現在も多くの場所で行われている取り組み。
但し、障害などで、マスクの着用が困難な場合などの正当な理由がある場合は除かれる。
また事業者が発熱などの症状がある利用者に対して、感染症に掛かっていないかどうかの報告を求められるようにもなり、正当な理由なく報告要請に応じない場合や、感染が確認された場合は、利用を拒めるとしている。
要請ばかりで根拠法がない日本の現実
過去に、ハンセン病の元患者の宿泊を拒否する事案などが起きたコトもあり、差別に繋がる可能性もあるコトから、今まではスルーされていたが、今回の改正案では、事業者従業員の研修も努力義務として課すコトが挙げられているが…
正直…
今更?と言う感じにしか思えない。
先日も、バス車内でマスク未着用の乗客をバス停以外で降車させたコトで、行政処分を受けたと言う事例があった。
根拠規定がないのに、要請ばかり…と言うのが、今の日本の実態。
ってか、コロナが日本でも流行り始めて、もうどれだけの時間が過ぎているのか、分かっているのだろうか。
別に、昨日・今日でコロナが流行り始めた訳ではなく、もう第7波が終わろうとしているのに、未だにこんな改正案すら通っていないだなんて…
結局、その間、何も変えてこなかったと言う話なのだろう。
もちろん、未曾有の感染症なだけにすぐに対処すると言うのは、なかなか難しい話なのかも知れないけれど、それでも時間がかかり過ぎている。
それでいて、「GO TO トラベル」は名前を変えて再出発予定。
そして水際対策も緩和。
いや、それはそれで経済を〜と言う意味ではアリな話だけれども、それでいて、コロナ禍に即した旅の実施を訴える日本…
もうなんだかなぁ〜…としか言えない。
もちろん、「全国旅行割」を活用してアクセルを踏み直すと言うのは、必要だけれど、やるべきコトの順番が違いすぎるように思える。
今回は旅館業法の改正だけれども、少なくても、公共交通機関利用時も、もう少し強い権限を与えるべきとも。
公共交通機関の規制は行わないのか?
ロックダウンができない今の日本。
それはそれで個人の自由が尊重されている国であり、社会であると言う証。
“個人の自由”が定着しているヨーロッパなどでも、ロックダウンが可能なのに、それができないと言うのは、それだけ個人にしっかりと権限が与えられていると言うコト。
だけれども、少なくとも緊急事態の際に、民間でも法的な根拠を持って行動ができる社会にはなるべきである。
そうでなければ、そこで働いている人が結局、板挟みになるだけ。
今回は、旅館業法の改正だけれども、少なくても公共交通機関などもそれに準じるべきなのでは?とも。
逆に、どうして包括的な話にもっとならないのだろう。
公共交通機関なんて、飛行機はNGが出せて、鉄道・バスなどはNGが出せないと言うダブルスタンダードな状態になっているのに(もちろん、根拠法が異なる話ではありますが)、それを是正するコトもない。
だからこそ上述のバスのように事業者側が行政処分を受けるコトになる。
要請を行っているのは、政府なのに…
この辺りは、もう少し事業者側からも声を上げるべきなのでは…?と。
そうしないとホント、現場が疲弊するだけなんだけれど。
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