アシアナ航空、身売りへ!財閥解体でどうなる?

アシアナ航空が身売りへ!

アシアナ航空の経営正常化に向けて、錦湖(クムホ)アシアナグループからアシアナ航空が売却されるコトが、事実上決定しました。

アシアナ航空と言えば、スターアライアンス加盟航空会社であり、韓国航空業界2位の航空会社。
日本路線も数多く就航しているLCCのエアープサンとエアーソウルの親会社でもある航空会社である。

その前兆はあった。

2018年4月、主要債権銀行である韓国産業銀行と共にアシアナ航空は、負債削減と資産の売却を進めてきた。

が、強化されるコトになった会計監査に対して、隠された債権が新たに見つかったコトで、経営危機が一気に表面化していました。

2019年3月22日には、アシアナ航空が負債と収益に関する十分な証拠を出せず、会計法人が、財務諸表の一部を適正だと言う監査意見を出せず、脆弱な財務事情が露見してしまう結果になった。

錦湖アシアナグループは、パク・サムグ前会長を中心とした一族で支配する構造になっている。

パク会長らがバス会社の錦湖高速の株式の71.2%を握っており、錦湖高速は、建設会社の錦湖産業の45.3%を握っている。
さらに錦湖産業は、アシアナ航空の33.5%の株式を持っており、その下にアシアナの航空関連事業が並ぶと言う構造である。

ってか、韓国財閥の支配構造って、何となくちょっと分かりにくいと、思うのは、ボクだけですかね。
ロッテとかも循環支配だったし、錦湖グループも、ビミョーな支配関係だし。

今回の経営危機は、パク前会長が規模拡張のために無理なM&Aを推し進めたコトにあると言われている。

そのきっかけは2006年に大宇建設を吸収した時からスタートしたと言われている。
この大宇建設が躓き、企業価値が下落したコトから、その3年後には再び売却せざるを得なくなった。

その後、グループ再建のために、グループ支配力を強化する方針に打って出た結果、アシアナ航空の負債比率は800%を超えるとまで言われており、2018年の利子費用だけで1,634億ウォン(約160億円)にまで拡大。

2019年に返却する負債も1兆3,000億ウォン(約1,280億円)にまでなっているとのコト。



アシアナ売却で財閥解体!錦湖グループは中小グループに!

今回、アシアナがグループから切り離されるのは、錦湖産業より下の部分だと見られている。

アシアナ航空は、単体でグループの売上60%以上を占めている。

その下の子会社までを入れると、7兆1,834億ウォンの売上高になり、グループの約9兆7,329億ウォンのグループ売り上げの73.8%を占めていると言うグループ随一の大黒柱と言うコトになる。

アシアナ航空がグループ外に出るコトになると、錦湖グループは一気に小さなグループへと転落するコトになる。

残るグループ資産は約4兆5,644億ウォンで、一時は財閥7位にまでのし上がったグループだが、60位以下にまで沈み込むコトになる訳で、最早、“財閥”としては体を成さないぐらいにまで落ちてしまうコトになる。

アシアナ航空を買うのは、どこか?

では、アシアナ航空のこれからはどうなるのか。

気になるのは、そもそも体力のある企業でなければ、アシアナを吸収出来ないと言うコトだろう。

つまりは、結局、他の財閥に取り込まれると言うコトになる。

SKグループがその筆頭とされているが、航空機エンジン事業を持つ韓火グループや、物流や流通、観光業などの強い企業を持つロッテや新世界グループなども候補として名前が挙がっているとか。

ただアシアナ航空にしてみれば、財務が安定化する訳で、喜ばしい話にはなるのかな…と。
この話が表面化してからの韓国株式市場的のも、株価が上がったので、交換が持たれている感じがありますしね。

業界1位の大韓航空も、趙・韓進グループ会長が先日、急死し、グループの体制がどうなるか分からないタイミングだが、大韓もアシアナも足元の業績は、どうなのか。

そもそも韓国は国内線網がほとんどない。

今や済州島を結ぶ路線ぐらいしか、めぼしい国内線がナイと言う状態(とは言っても、金浦~チェジュ線は世界で1番便数が多い路線ではありますが)。

それでいて韓国は、LCCが乱立している。

エアプサン・ジンエアーと、アシアナ航空や大韓航空系のLCCもあるが、チェジュ航空を筆頭としたLCCの躍動が著しい状態なのに、先日、さらに3社の参入が明らかになっている。

人口規模の割に航空会社の数が多くなっているのが、現状だ。

いや、羨ましい限りですけれどもね、大手航空会社の傘下にないLCCがあると言うコトで、活性化している感じもしますし。

アシアナ航空は、赤字にこそ転落はしているが、こうした状態の中では、良くやっていると言う感じもする。
東アジアのハブとしての仁川国際空港があるが故に、国内線に頼らないで路線を拡大した結果なのかも知れないけれど。

サービスとしても、全然、悪くないし、機内食のビビンバも美味ですしね。

日本発着の路線も多いので、この路線網規模をどれだけ維持出来るのか…と言うのは、気になりますが。

ひとまず、何かが一気に変わるコトはなさそうな気配。

運航停止や、積算したマイルの無効化などは起きなさそうですから。
結局の所、アシアナ航空が現在のグループから離れるだけで、逆に、財務諸表が改善するチャンスですらある訳だから。



焦点になるのは、子会社と分割売却かどうか

ただ今後、焦点になって来るのは、アシアナ航空が単体で買われるのか、それとも子会社であるLCCとは分割されるのかと言う点かも知れない。

アシアナ航空の下にあるLCCは2社。

エアプサンとエアソウル。

エアプサンは、2008年10月に就航して、社名通り釜山を中心に大邱などからの路線も加わり、現在、25機の機材を保有し、35路線。
しっかりと黒字を出しているが、LCCながら機内食が無料で出て来るのが特徴だったり。

エアソウルは、2016年7月に就航。こちらはソウル(仁川)を中心に、元々はアシアナの赤字路線を引き離して運航を開始したLCCで日本路線が中心になっており、成田・関空・新千歳・福岡・沖縄・静岡・高松・広島・米子・富山・長崎・山口宇部・熊本に就航している。
現状、まだ赤字決算だが、2019年度には黒字転換が予想されているLCC。

この2社がアシアナ航空本体と分離して売却されると、群雄割拠の韓国LCC業界の版図を大きく変える訳だし、既存LCCが買収すると、一気に業界トップへと浮上するコトにも繋がるコトになる訳です。

さて…
どうなるか。

まぁ、グループとしては解体に近くなるけれど、アシアナ航空自体がなくなる訳じゃないから、日本人的には、あまり変わらないんだけれど、LCC2社が分割売却されると、アシアナとのコードシェアも、いつかなくなる可能性が出て来るので、影響が出るとしたら、その辺りで、でしょうかね。

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