バリアフリー整備に向けて、運賃値上げ!
JR東日本が、2023年3月頃から、駅におけるバリアフリー設備の整備を目的として、東京の“電車特定区間のみ”の利用者を対象に、料金の値上げを行なうコトを決定しました(公式サイトはコチラから)。
具体的な値上げ幅は、普通運賃が+10円(IC運賃も同額の値上げ)。
定期(通勤)だと1ヶ月280円・3ヶ月790円・6ヶ月1,420円。
これは、2021年12月に創設された、都市部において利用者に薄く広い負担を得て、バリアフリー化を進める制度の鉄道駅バリアフリー料金制度を活用すると言うモノ。
都市部ではかなりバリアフリーは進んだように思う。
2021年度末時点でのJR東日本のバリアフリー設備整備状況は、以下の通り。
項目 | 整備対象 | 整備状況 | 達成率 |
段差解消 | 514駅 | 485駅 | 94.4% |
バリアフリートイレ | 497駅 | 475駅 | 95.6% |
ホームドア | ― | 92駅183番線 | ― |
整備対象となるのは、1日あたりの利用者数が3,000人以上の駅ならびに2,000~3,000人未満の自治体が定めている重点整備地区の中で、生活関連施設に位置付けられた駅と言う形。
こうして見ると、やはりホームドア以外のバリアフリー設備の導入と言うのは進められているように思うけれども、運賃を値上げしてどうしようと言うのだろう…と言う感じすらしてしまう。
JR東日本では、2032年度末までに在来線の東京エリアの主要路線243駅660番線程度へホームドアの整備を目標として来ました。
それを今回の制度を活用して330駅758番線に拡大。
さらに整備時期を1年前倒しし、2031年度末までの整備を目指すと言うコトに(2021年度末までに92駅183番線への整備が完了)。
これまで約2,500億円を累計で投入してきたが、これから約4,200億円が必要と試算しており、今回の整備を活用するコトに(なお、内訳としては約4,100億円がホームドア関連整備費用)。
特定区間のみが対象!
対象となる線区は、東京の電車特定区間。
まずはこれが疑問。
そもそも北は大宮までしか対象にならず、それでいて青梅線や五日市線も対象になる。
現時点で、青梅線の奥多摩駅にホームドアが整備されるコトはないでしょうから、そもそもこの対象となる自体が意味不可解だったりします。
さらに今回の申請だと、対象路線内での利用のみが加算になる見込み。
つまりは大宮より北側から乗車して都心部の対象線区で降りた場合などは、加算対象外。
京葉線も千葉みなと駅までが加算対象なので、蘇我から乗って東京駅で下車した場合も加算対象外になると言う感じ。
さらに普通運賃だと+10円。
定期(通勤)だと現状の割引率が適用されて1ヶ月定期で280円の加算。
なんでバリアフリー設備の充当に使われる加算額に対してまで、割引率を適用するのだろう…?。
別にここは割引率を適用しなくても良いのでは?言う気がしてしまいます。
ちょっと制度的に意味が分からない部分があるかな…と言うのが、正直な感想ですかね。
広く浅く負担…が、許容される世界に
バリアフリー設備の拡充。
それに伴い、広く浅く運賃と言う形で負担を…と言う考えは、理解ができる。
逆に、今までの日本は、なかなかそう言う考えにはならなかったように思う。
それがあって当たり前で、それはタダ(元々の料金に含まれる)のが当然であって…と言う感じで。
でも、今回のケースで、広く浅く社会全体として負担して行くのが許容されるようになっていけばいいですけれどもね。
現状、駅の内外でのルートとしては、かなりバリアフリーが達成されている部分もありますが、まだまだ不十分な場所もある。
そして、さらに複数のバリアフリールートを導入したりするのには費用も掛かりますし、ホームドアの整備もどんどんすすめるべきでしょうし。
バリアフリーと聞くと、どうしても身体が不自由な方やお年を召した方に向けたモノと言う感じがしてしまうけれども、エレベーターやエスカレーターと言った施設は若い人だって恩恵を受けるモノですし、ホームドアの整備が進めば人身事故が減り、それに起因する遅延もなくなるでしょうしね。
でも、腑に落ちない点があるなぁ…と言う感じ。
それにしても…
先日、JR西日本も特定区間での値上げ(値下げ幅の縮小)を発表したばかり。
コロナ禍で一気に、こうした動きが出て来そうな感じがしますね(JR東日本の話はコロナ禍前から話があったモノですが)。
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