米国初の性別「X」記載のパスポートを発行!
米国の国務省が、2021年10月27日(現地時間)、性別欄が「X」と記載されたパスポートを初めて発給したコトを発表しました。
LGBTQIが叫ばれている今の時代、いよいよここまで来たか…と言う感じがしますね。
今回、国務省の発表によると、性別に「X」と言う選択ができるのは、パスポートに加え、海外在住の米国民に発行している出生証明書にも適用されるとのコト。
「パスポートの発給に際し、LGBTQIの人々を含む全ての人の自由・尊厳・平等の促進に対する国務省の取り組みを改めて約束したい」
としている。
また米国籍を保有している人が、パスポートに記載する性別も、今までは出生証明書等の書類と異なる性別を記載するには、医学的な証明が必要とされていましたが、今回、自らが選択するコトも許可されました。
但し、性別「X」の選択肢が本格的に運用されるのは、旅券申請システムや書類の更新が完了する2022年初頭になる見込みで、この頃には全米国民が、選択が可能になるとのコト。
そもそもパスポートの性別って必要なのか?
LGBTQIの中でも、性自認の違和感を持ち、それに苦しんでいる人にとっては、かなり大きな前進と言えると思う。
性別を記載すると言う機会は、日常的に多く存在していると思うけれど、常に2つの選択肢しかなく、その枠にあてはめなければいけないと言うコトに対して苦痛を感じる人が、世界的にいるのは確か。
ただそもそもパスポートは身分を証明するモノ。
身体的な特徴での区分の方が分かりやすいのも事実だし、1つの自己表現の場所でもナイ。
また性自認の中でも、男性自認で男性が性愛の対象である人と、身体的には男性だが性自認が女性であると言う人の扱いは全く異なる訳で、それを1つのカテゴリーである「X」としてまとめてしまっても良いモノなのか…と言う気はする。
2つしか選べない性別が、本人確認の選択肢としては、時代にマッチしなくなってきたのは、事実だけれども。
まぁ、極論を言ってしまえば、そもそもパスポートに性別表記が必要なのか?と言う所になるのだと思う。
パスポートの役割と言えば、自国ではない場所に行った際の身分証明と言うのが、最大なのだと思うけれど、そこに性別を掲載する必要がどこまであるか…
緊急時の医療などは、別にパスポートで確認する話でもなく、身体的特徴の目視で充分だと思うし、身体的な特徴が残らないような事件に出会った時には、そもそも性別が分かった所で…と言う感じもしますしね。
それでも有事の際の本人確認の1つとして性別が必要とするのであれば、医学的な性別と、性自認の性別を両方併記するのがベターのようにも思うんですけれどもね(それだと何もLGBTQIの解決にならないと言う話にもなるけれど)。
入国出来なくなる国とか出てこないのか?
ってか、そもそもLGBTに対して主に宗教的な概念から、嫌悪感を持つ国と言うのは、もちろん、ある。
「X」と言う性別表記のパスポートで、LGBTに対して比較的、厳格な空気を持つ国や地域に行く際、VISAが下りるのだろうか…と言う気もしてしまいますがね。
そして、日本はこうした公的部門でのLGBTQIに対する動きは、ようやく配慮は見えて来たように思うけれど、まだまだ…と言う状態。
社会の枠組みを変えて行くコトにも繋がるので、どこまでコンセンサスが取れるのか…と言う感じもあるけれど、どう考えているのでしょうね。
またそもそも今の入国のための書類の中には、性別は「男」か「女」かの2つの選択肢しかない。
入国書類の中で記載する性別と、パスポートに記載された性別が異なる場合、入国できるのだろうか?
一気に話を進める必要性はないけれど、どう向き合っていくのだろう…とも。
コメントを残す