周庭氏・黎智英氏、共に逮捕!
香港警察が、2020年8月10日、民主活動家で、日本でもよく知られている周庭(アグネス・チヨウ)氏を、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕しました。
周氏は、香港で民主派への支持を呼び掛けて、2012年に愛国教育導入に反対する運動に参加。
2014年の「雨傘運動」でも学生団体のリーダーの1人として活動。
政治活動としては、2018年に立法会(議会)の補欠選挙への出馬を目指したが、主張の中に香港の独立を選択肢の中に含んでいるとして、選挙管理当局から出馬を禁止されて、政治団体である「香港衆志」に所属して活動を継続したが、国安法の施行後は、「香港衆志」は解散。
2019年6月のデモ活動に絡んで、違法集会扇動罪などに問われ、逮捕・起訴。
現在、公判中だった。
さらに香港警察は、同じ10日に、香港発のファストファッションブランドで日本にも店舗がある「ジョルダーノ」の創立者であり、民主主義の論調で知られている「Apple Daily」を創刊した黎智英(リー・ジーイン/ジミー・ライ)氏も国安法違反の容疑で逮捕するなど、国安法違反を盾に、次々と民主化運動のチカラを削ぎに来ています。
国安法施行で予想は出来たコト
そもそも国安法は、施行以前の言動を摘発の対象としていないコトもあるので、逮捕に至った詳細は不明ですが、まぁ、この辺りは何とでも言える訳で、いよいよ中国による香港への締め付けを強めて来たと言うコトで、見せしめと言う感じもある。
こうなるのは、分かっていた話でもあるので、特段、驚きはない。
かなり冷徹に書いてしまえば、政治的な主張によるデモ活動に失敗した後の流れとしては、香港のみならず、西側の国を含めて、それは全世界共通と言う感じもするし。
そして、結局のところ、1国2制度なんて幻想にすぎなかったと言う話。
いや、そもそも香港の場合は、50年間と言う時限的な制度。
中国の一部に、「特別行政区」を設け、外交権や軍事力は持たないが、それ以外の高度な自治権(行政・立法・司法権)を持ち、それまでの香港の制度を可能な限り維持すると言う制度だが、結局のところ、遅かれ早かれ香港の民主主義はなくなってしまう制度。
そして国安法は、治安立法そのもの。
香港での思想の自由。
発言の自由。
集会の自由。
これらが一気に対象になる訳で、自由も民主主義もあった話ではナイ。
もう国安法が成立した時点で、今回の結果は見えていた感じなのだから、不思議ではない。

さらに言えば、この点に関しては、そもそもの思想が異なる国の人がとやかく言うのも、異なるとは感じる。
所詮、考え方と言うか、国の在り方がそもそも違うのだから。
だが、少なくとも香港は反対の意思も強かった訳で、この点に関しては、全世界が注視して行くべき話なのだとは思うし、そこに関しては、もっと中国・香港にいる人間でなくても、関与して行くべき話なのだとは思う。
今でも香港は中国ではあるけれど「香港」な訳だし、外からの関与を多くの香港の人が求めているのであれば。
どうして今、香港への締め付け強化?
それにしても、どうして今、香港への締め付けを強めているのか。
個人的には、それが良く分からない。
1国2制度は時限的な措置。
つまりは黙っていても50年たてば、香港は中国と同化する。
既に香港は、中国がなければ成立しない場所になっているのも事実な訳で、ハードランディングを選ぶ必要もなかったように思う。
香港が返還された際、中国にとって香港は必要な場所であった。
経済的にも、西側への玄関としても。
ただ今は、経済的に見れば、そこまで必要な場所とも思えないし、西側への玄関と言う観点でも、アメリカと並ぶ超大国になった今の中国が、それを必要としているかどうか。
少なくとも以前よりは必要としていないと思う訳で、香港に対して強硬策を取ると言うのは、反発も大きいコトは予想に容易く、どうして…?と言う感じしかしない。
今日の香港での報道によると、香港版国家安全法は火曜日(30日)に可決される可能性が高い、そして「国家分裂罪」と「政権転覆罪」の最高刑罰は無期懲役という。日本の皆さん、自由を持っている皆さんがどれくらい幸せなのかをわかってほしい。本当にわかってほしい…😭
— Agnes Chow 周庭 (@chowtingagnes) June 28, 2020
何にせよ、香港が香港でなくなった。
それだけは正しい。
あの雑踏の中に生まれる正体不明のエネルギーが、この先、どれだけ生き続けて行くのだろうか。
そして周庭氏が、また笑顔で戻って来れる日が来るのだろうか…
それにしても…
イギリスが絡んでいる歴史って、ロクな結果にならないのも、世界の常なのだろうな、きっと。
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