『旅のオチが見つからないおひとりさまのズタボロ世界一周!』
著:低橋
刊:KADOKAWA(MF comic essay)
オチ、しかないやん。
世界一周モノのコミックエッセイで、twitterなどで人気のある著者の初めての単行本。
漫画「旅のオチが見つからない」発売中です。電子版もあります。よろしくお願いします!
— 低橋 (@hikuhashi02) March 13, 2020
https://t.co/Gzs11HKi6b
2020/03/13発売、定価¥1,320(税込)です。 pic.twitter.com/gKa4DwrqrI
『旅のオチが見つからないおひとりさまのズタボロ世界一周』。
最初に書いておきます。
タイトル、偽りアリです。
旅のオチが見つからない?
いや、オチだらけです。
寧ろ、オチしかないぐらい。
クスッと笑えるモノ、じんわりと後から来るモノ、声を出して笑っちゃうようなモノ。
それがギュッと詰まっているんだけれども、1人旅に何度か出たコトがある人ならば、何となく頷いてしまう話ばかり。
でも、その場にいる本人は、全然、笑えないし、面白くもなくて、時間が過ぎてようやく笑える話。
一人旅って、別に楽しいだけじゃない。
最近、SNSなども盛んになり、どうも“一人旅は楽しすぎて、ハッピー”みたいな感じの流れがある様に思う。
確かに旅は楽しい。
異なる文化・考え方・人。
勝手に向こうから面白いコト・楽しいコトがやって来る。
そうしたコトに出会えるのは、旅の醍醐味。
でも、年がら年中、楽しいコトばかりじゃない。
いや、寧ろ、期間が長くなればなるほど、面倒に思うコトもある。
だけど…
楽しい。
どこかそんな形の旅の作品。
コミックエッセイ・マンガ形式の作品だと、そう言う作風の人も少ない気がするけれど、本書では、それがちらちらと出てくる。
仕事を止めて旅に出るコト。
世間的には、ドロップアウトなのだろうし、“住所不定無職”になる訳だけれども、それに対して、漠然とした不安は、ずっと募るのだけれども、やっぱり旅は止められない。
そんな思いが、最後に収められた『砂漠の星空』の1編に詰まっていて、“そうなんだよねぇ…”なんて。
もっとページ数が欲しかった…
難点と言えば、“世界一周”の旅の様子が収められているのだけれども、ページ数が、圧倒的に足りないと言うコトでしょうか。
東南アジアに関しては、ほとんどはしょられている状態だし、中国に関しては、ほぼスルーと言うページ配分。
元々の価格が製本版で1,200円と安価に抑えられているので、もうちょっと高くてもいいので、ページ数を増やしても良かったのでは?とは。欲を言えば、前後編でも良かった様に思う(ただページ数的には、200ページ弱と、別に少ない訳でもないんだけれど)。
南米のチャリダー話で1章になっているのですが、そもそものページ配分がおかしいのかな?みたいにも思う(だけれども、きっとこのチャリダー話だけで1冊出来るぐらいのエピソードではありますが)。
まぁ、著者的に初めての本と言うコトで、出版元的に冒険出来ないと言うコトなのかも知れないけれど。
恐らく、もっとボリュームがあっても、それだけの話の引き出しはありそうなだけに、もう少しページ数があっても…と。
それだけあっと言う間に読めると言うのは、読みやすいマンガならではですし、著者の力量なのだと思うけれども。
でも、久しぶりに当たりな1冊。
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