韓国の航空会社の業績が急速に悪化!
日韓関係が悪化する中で、既に韓国系航空会社の日本路線の撤退が相次いでいます。
そうした中、韓国の航空会社の2019年4~6月期決算が発表になりました。
イースター航空は6路線で運休・減便!現状、どれだけ日韓路線は減っているの?
日韓関係の悪化に伴って、先日、ティーウェイ航空の韓国~九州3路線の運休が発表されていましたが、同じくLCCのイースター航空も3路線で減便・3路線で運休が発表になりました。さらに韓国LCC最大手のチェジュ航空も減便を発表して、もう減便・運休一色と言う状態になって来ています。 現時点で、運休が発表されている路線と航空会社は以下の通りになります。 アシアナ航空 釜山~那覇 8月23日~ …
日韓関係が急速に悪化したのは、7月からなので、この4~6月期の第2四半期の決算的には、何ら影響は受けていないハズなのですが、どの航空会社も業績が悪化しており、フラッグキャリアである大韓航空も営業利益が赤字に転落してしまうなど、散々な内容の決算になっています。
大韓航空は赤字転落!アシアナは赤字拡大!
まず大韓航空だが、4~6月期の売上高は、3兆201億ウォン(前年同期比0.2%増)。
売上高としては、ほぼ前年同期を確保していますが、営業損失が1,015億ウォン。純損失は3,808億ウォンで着地。
上半期の決算で見ると、売上高は6兆699億ウォン(前年度比0.6%増)と伸ばしているが、営業利益は467億ウォン(前年度比81.9%減)。
子会社でLCCのジンエアーも、4~6月期の売上高は2,140億ウォン(前年同期比6%減)、営業損失は266億ウォンとなり赤字に転じた。
一方の大韓航空と並ぶ韓国2大エアラインの1つであるアシアナ航空は、4~6月期の営業損失が2,204億ウォンと、前年同期比から赤字額が拡大。純損失も2,024億ウォンと悪化しました。
アシアナ航空は母体となっている財閥から身売りされるコトが決定的になり、財閥が解体される最中の決算ではありますが、回復基調に乗せられなかったと言うコトになります。
LCCのチェジュ航空も赤字転落!
LCCのチェジュ航空も、4~6月期の売上高は3,130億ウォン(前年同期比10.5%増)だが、営業損失は274億ウォン、純損失は294億ウォンを記録し、赤字に転落。
チェジュ航空の四半期決算での赤字転落は、2014年第2四半期で出した19億ウォンの赤字以来、20四半期ぶりで5年ぶりのコトになります。
最近、ようやく黒字基調に転換して、日韓線を中心に積極的に供給を拡大させていただけに、チェジュ航空までもが赤字に転落するとは思ってもいなかったのですけれどもね…
ウォン安が響いた第2四半期決算
日韓関係が急速に悪化する前の決算。
それなのに赤字へと転落したのは、大韓航空とアシアナ航空は、旅客部門は比較的良好を保っていたが、貨物部門で輸出減少傾向が続き、単価と積算率が共に下落したコトがある。
また同時にウォン・ドル為替レートが、およそ2年ぶりに1ドル=1,200ウォン台となり、ウォン安ドル高傾向が強まり、ドルで決済をする航空燃料と機材リース費用が増加したコトが挙げられる。
第1四半期である1~3月期に比べると50ウォンほどウォン安が進んだ形になるが、大韓航空では10ウォンの変動があれば、約800億ウォンの外貨換算損失が発生すると言われている。
この他にアシアナ航空は、運営リース会計の変更で、利子費用と外貨換算損失が今四半期に追加で反映されており、赤字額の増加に拍車が掛かっているコトも大きい。
LCCのチェジュ航空で見ると、増えた供給に比べ、日韓関係が悪化する以前から、旅行需要の増加が鈍化し、為替レートの影響で営業赤字を記録したと考えられ、過当競争による競争激化が大きな要因になっている模様。
韓国のLCC各社は、最近、韓国地方空港~日本地方空港路線を増やしていましたが、思った以上に搭乗率が上がらなかった(もしくは搭乗率が良くても単価が低かった)のかも知れませんね。
中国は新規の開設を中断!
さて、こうした中で日韓関係の悪化で日本旅行のボイコットの影響が次の四半期には出て来るコトになる。
逆に、赤字決算を前四半期で出しているからこそ、早めに日韓路線の縮小に動いているとも言えるのだろうが。
本来ならば、日本路線を縮小した分、他の路線への振り替えを行いたい所だが、特にLCCはそう簡単に新規路線を作れると言う土壌にない。
そもそもLCC各社は、東南アジアまでしか飛ばせない機材しか持っていませんし。
そして中国が新規就航航空便の運航を10月10日まで全面的に禁止したコトも大きい要素になっている様に思う。
この3月に韓中航空会談で、9路線の新設に合意をしていただけに、この先、どこの需要を開拓すれば良いのか、不透明な情勢になっている状態。
チェジュ航空は、ハルビン・西安・延吉など8つの中国路線の新規就航を計画しており、仁川~北京路線などは、運航距離もちょうど良く、中国路線拡大で年間800億ウォンの追加売り上げと65億ウォン程度の営業利益の増加が期待されていただけに、一気に不透明感が増した感じである。
経営基盤が大きな会社やバックに財閥がいる様な会社ならば、まだ持ちこたえられるだろうが、中国の新規就航航空便の運航禁止が長引くと、ちょっと経営難に陥る航空会社が出て来ても不思議じゃない気がして来ますね。
赤字が長引くとアシアナ身売りにも響く?
また財閥から身売りされる形のアシアナ航空も、赤字決算になっているのに加え、買収に名乗りを上げているチェジュ航空(実際には親会社の財閥が名乗りを上げている)が赤字に転落したと言うのも、気掛かりなニュースで、チェジュ航空の立て直しに専念する可能性も出て来るコトから、アシアナ再建もどうなるのやら…と言う感じがしなくもない。
何だか色々と不透明感が増して来たのかな…と言うのが、正直な所。
まぁ、1回の四半期決算で一喜一憂する必要はナイのも事実ではありますが。
経営改善と日韓関係の悪化。
さらにウォン安と中国の新規航空路線の制限。
体力がなくなって、これ以上、日本路線が減らなきゃいいんですけれどもね。
何と言っても、韓国系LCCはセール、頻繁に行ってくれますし、定時運行なども悪くないですし、機内もキレイですし。
フルサービス型のキャリアも、遠くに行けば行く程、お得感がある運賃を出して来てくれますしね。
とりあえず、日韓関係の悪化が決算に反映されるコトになる次の四半期は、ちょっと注目が必要になるのかも知れないけれど。
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