『スターフライヤー 漆黒の翼、感動を乗せて』

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『スターフライヤー 漆黒の翼、感動を乗せて』

著:株式会社スターフライヤー
刊:ダイヤモンド社

スターフライヤー 漆黒の翼、感動を乗せて―――小さなエアラインの大きな挑戦

スターフライヤーの歴史を振り返れる1冊

顧客満足度8年連続第1位に輝いたスターフライヤー。

業界のタブーを1つ1つ、打ち破って、“Luxury Comfortable Carrier”をどうやって実現して行ったのか…と言うのを創業から時系列を追いながら描いて行った1冊。

構想から、立ち上げ、就航、そして赤字。
そこからのV字回復。

新規の航空会社ではよく見られる、業績のアップダウンはあるモノの、改めて、“Only Oneを目指している航空会社”なんだなぁ…と、思う。

それは業界的には他にほとんどありえなかった漆黒の機体デザイン1つ見ても、分かる話。

今でこそ“スターフライヤーの黒い機体”は、“かっこいい”と言う形になるけれども、創業当時は、やっぱり異色にしか見えない訳で。

サービスの展開も、“快適性”を求め、シートピッチも他社よりも広めで、長距離路線の運航がないのにもかかわらず、パーソナルモニターすら付いている。

機内で出されるコーヒーも、タリーズとのコラボレーションで独自のこだわりが溢れた1つ。

それなのに、航空券の価格は先発の航空会社よりも安い。

人気が出ない要素がナイようにも思える航空会社。

だって、サービスが良くて安い訳だから。

それなのに、ANAの支援を借りざるを得なかったのは、一言で言えば、やっぱり“経営能力が足りてなかった”のだな…と言うコト。

Air DOも同じように新規で参入したは良いが、経営能力が足りていなかったが故に、ANAの資本支援が必要になった。
スカイマークも拡大戦略を取ったはいいが、結局、経営判断を間違った。

資金がショートしないようにするための経営が出来なかったと言うコトだろう。

既得権益の壁を乗り越えられない日本の航空会社

 

そして、それ以上に、特色があっても、“日本の航空業界で先発の航空会社の壁を破るのは、容易な話ではナイ”と言うコト。

結局は、それに尽きる。

差別化。
そして比較的安値の運賃。

それだけでは勝ち残れないし、経営を拡大して行けない。

つまりは独創性と成功は別途のモノ。

それが日本の航空業界。

つまりは既得権益が何よりも勝る。

要するに、羽田の発着枠。

それが何よりものチカラ。

 

そう言うコトなのだ。

まぁ、それはホントはそんな既得権益との闘いなんて、航空業界に限った話ではなくて、ビジネス全般ではよくある話にしか過ぎないのかも…だけれど。

第3者が書くべきだった1冊

そもそも航空会社なんて、装置産業。

機材と言う先行投資をして、システムを整え、サービスを整え、そしてそれを元にして稼ぐ。
経営規模がスケールメリットを生む産業構造なのに、既得権益に阻まれると、そもそもスケールメリットを追えるまでの発展ができない訳で。

この本には、そうした部分があまり描かれていないのが、残念な所。

そして何よりもANAとの資本提携が描かれた部分も、どちらかと言うと、サラッと。

別にANAが悪い訳ではない。
先発する航空会社としては、発着枠を持っている新規の航空会社と、資本提携をすると言うコトは、コードシェアを結べたりする絶好のチャンスな訳で、当たり前の選択だと思う。

ただ、先行する大手航空会社の傘の下に入ると言うコトが、どう言うコトか。

そう言う部分が、あまり描かれていない。

それはこの本が、第3者が描いた本ではないと言う所が大きい。
もし第3者が描いた作品ならば、もっと掘り下げる部分だろうから。

ただスターフライヤー自身がまとめた1冊なので、裏方を含め、キレイにまとまっている1冊ではあるけれど。

そして、どうしてこのタイミングでの発行だったのだろうか。

つい、そんなコトを考えてしまう。

国際線への再就航前(詳しくは、「スターフライヤー、台北線スケジュール発表!」を参照)での刊行。

V字回復したとは言えども、成長戦略を描いている最中で、別に“成功を収めた航空会社”と言う評価が残る航空会社でもナイ。
しっかりと経営的には立ち直せた訳だから、別に“失敗してしまった航空会社”と言う訳でもナイ。

結局の所、知名度が全国的に上がらない中で、広報として出版したのでは?と言う気になってくる。

そもそも自社の話を1冊にまとめて販売するのに、自社で書いていたら、そりゃ、批判めいた書き方にはならない。

反省は確かにある。
だけれども、この本の中に、批判はナイ。

中立でもナイし、俯瞰的に見れている話でもナイ。
やっぱり1つの企業の話を描いた本は、第3者が描くべきなんだろう…と思う。

それでもスターフライヤーの存在は、日本の航空業界の中では、面白い立ち位置だし、今でも1つ1つ、色々と挑戦をしている航空会社だと思えるので、応援はしたくなる会社ではあるけれども。

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