『WHAT IS SAPEUR? -貧しくも世界一エレガントなコンゴの男たち-』
著・NHK「地球イチバン」制作班・ディレクター 影嶋 裕一
刊・祥伝社
「サプール」と呼ばれる人たち
自分の1ヶ月の洋服代って、どのぐらいなんだろう…
ふと、考えてみるけれども、1ヶ月間でまるっきり服を買わない月だって多くある。
そして、買った所で、「UNIQLO」や「G.U.」に代表される様な安めの服ばかりで、1年間のトータルとして考えたとしても、大した金額にはならないだろう。
持っているモノが長持ちと言うのもあるけれども、ある意味、服とかには結構、無頓着。
別に「UNIQLO」が悪いと言っている訳じゃないけれど、もうアラフォーなんだから、もうちょっと気を配っても良いのに…と自分でも思ったりする。
そうは言っても、やっぱり服を買う時には、“ちょっとでも安いモノ”と思っちゃう自分がいるんだけれど。
そんな自分とは正反対で、アフリカに「世界で一番、洋服代を費やす人たち」がいると言う。
平均月収が、日本円にして25,000円。
1日1ドル以下で暮らす人も全国民の30%もいる。
そんな国。
アフリカのコンゴ共和国。
「サプール」と呼ばれるその人たちがいる国である。
15年間で300万円を服に費やす。
実に給与の8年分と言うから驚きである。
質素な生活。
流行を追い求める服を買うのではなく、個性を求めてお洒落をする。
着飾るコトで品位が身に付き、ココロが豊かになると言う彼ら。
そうは言っても、舞台はコンゴ共和国である。
インフラも満足に整っていない国である。
そんな国で、そんな生活を過ごすのは、並大抵の話ではない。
それでも、気高く着飾る彼らを、写真を中心に迫ったのが、本書である。
アフリカは美しい
こんな人たちがいるのか。
最初に手に取った時に、そう思った。
アフリカの国に行ったコトがない訳ではない。
寧ろ、5回訪れているので、日本人としては行っている方になるんじゃないかとは思う。
でも、本書に出て来る人たちには、一般的な「アフリカ」の姿が全く映らない。
ただそこに映るのは、「アフリカの気高さ」と「アフリカの美しさ」。
「アフリカ」は美しい。
常日頃からそう思っていた。
アフリカが持つ美的感覚と言うのは、ホントにキレイで美しい。
色彩感覚もそう。
スタイルもそう。
実は、ホントに美しい。
でも、本書に出て来る「サプール」の人たちは、そこに気高さが加わってくる。
逆に、日本はこれだけモノがたくさん売っているのに、メンズの「スーツ」ファッションになると、どうも似たり寄ったりで、そこに「気高さ」なんて、微塵も感じない。
ようやくここ数年、少しずつカジュアルに、個性を取り入れた人が増えたかな…とは思うけれども、“自分を持ったお洒落”とは、程遠いのが実情だろう。
誰もがお洒落はしたいのだけれど、まずは機能優先だし、没個性が最優先。
雑誌なんかじゃ“ちょい悪おやじファッション”とか取り上げているけれども、そんな人、ほとんど見たコトがない。
でも、そうは言ってもなかなか雑誌に出て来る様な“ちょい悪おやじファッション”なんて、実際には着こなす自信はナイんだけれど(なので、そんな世の中になったら、ホントに困ると思う…)。
気高く紳士な男は、やっぱりカッコいい
でも、きっと着飾るコトで紳士になれる。
着飾るコトで、ココロを落ち着かせられる。
そして、より自分を好きになれる。
読んでいると、そう言う気持ちになってくる。
そうなるからこそ、自分自身に自信が持てるのかも知れない。
「サプール」の概要、写真、そしてインタビュー。
サクッと読めちゃう様な感じの1冊なんだけれど、ココロがピュアになれる本。
「サプール」とは何か。
サプールとはスタイルであり
サプールとは生き方であり
サプールとは哲学である
本書にはそう書かれている。
それこそが光。
それこそが気高さ。
それこそが個性。
たかがファッション。
だけれども、奥が深いのも、また「サプール」なのだ。
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