平成最後の日に、この30年の旅を振り返ってみた

「平成」最後の日

1989年からスタートした平成も、いよいよ今日で最後である。

明日からは、「令和」になる。

まぁ、日本の元号の話なので、特に何かが変わる訳じゃない。

だけれども、この30年。
毎日の日々を忙しく過ごしていると、なかなか気が付かないモノかも知れないけれど、改めて振り返ってみると、やっぱりかなりの変化があったと思う。

平成最後の日。
今日は、旅人目線で、ちょっと平成の30年間を振り返ってみます。

ソ連と言う国がまだあった時代

そもそも30年前には、まだソ連と言う国があった。
共産主義の国と言うのは、やっぱり自由に旅がしにくい傾向がある訳だけれども、30年前にはその大元になる国が存在していた訳だ。

そして、世界を見渡してみても、自由に旅が出来る国の方が少なかった様に思う。

それが平成を迎えた1989年から、チェコスロバキアではビロード革命がおき、ルーマニアではチャウシェスク政権が崩壊し、挙句の果てにはベルリンの壁が崩壊した。

北京では天安門事件が発生したが、ダライラマ14世がノーベル平和賞を受賞するなど、世界は、大きく変わり始めた。

その勢いは止まらず、バルト三国が独立すると、キルギスやタジキスタンなどがソ連から独立すると、1991年にはソビエト連邦が崩壊。

そして1992年にはユーゴスラビア社会主義連邦共和国が解体するコトになる。

平成の初めには、まだソ連もあって、共産主義国家も健在で、“世界はまだまだ自由に旅しにくかった”と言う訳ですね。

ただそれがこの平成の30年の間に、一気に変革。
今や“世界はどんどん自由に旅が出来る”様になっている訳です。

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インターネットは、旅を変えた

“旅がしやすくなる”。

それは国が変わっただけではなく、旅をする環境が大きく変わったと言うのも、大きな特徴。

だって30年前には、まだインターネットはない時代。
海外を旅する際に重要だったのは、“ガイドブック”と“口コミ”と言う世界でしたから。
だからこそ、海外に存在している“日本人宿”の「情報ノート」と言うのは、非常に貴重で、役立つ情報が満載だったし、それを求めて、その宿に行ったりしていたと思う。

それが今や、スマホを海外に持って行って、SIMカードを入れると、世界の各所にいても自由にネットにアクセス出来る時代な訳です。

しかも、ネットを駆使すれば、旅先で地図を見るコトも、情報を発信するコトも、SNSで共感を集うコトも、簡単に出来る時代。

“いや~、変わったね”。

もうアラフォー世代にはなかなか着いて行きにくい領域です。
いや、頑張って世間の流れに取り残されない様にはしていますけれど(笑)。

単に「見るだけ」だった観光旅行から、「コト」消費へと移り、大多数の人向けだった「マス」から、同じ趣味や嗜好の人に向けた「ニッチ」な世界へ。

“インスタ映え”・“映えスポット”なんて、30年前には存在しなかったコトバな訳ですが、そんな新しい“旅の楽しみ方”が広がったと言うのは、ネット環境が生まれたからこその話。

それが出来る様になったのは、この平成の30年を振り返ると、とてつもなく大きな出来事。

自分で航空券を手配する時代に

しかもLCCがどんどん就航したのも、この平成の話。

LCCの就航は、単に航空券の価格も下がっただけではなく、自分自身で、好きな航空券を選べる時代になったと言うコトでもある。

そもそも30年前なんて“航空券は旅行会社で手配するモノ”だったのが、今や“航空券もホテルも自分で手配するモノ”が主流になりつつあって、安宿ですら予約が出来てしまうと言う時代になりつつある。

平成が始まった頃は、とにかく旅中に無くしてはいけないモノは、“パスポート”と“航空券”だった。
だけれども航空券自体も、“e-チケット”化され、昔みたいに印刷された何枚もの航空券を持ち歩くと言うコトもなくなったし、万が一、紛失した所で、印刷すればいいだけの話になったのは、大変、便利になった様に思う。

こうして眺めてみると、やっぱり“時代の変化”って、凄いんだなぁ…と、改めて思っちゃったりするのは、単に自分が歳を取っただけなんでしょうかね。

海外のATMで自分の預金からお金を引き出す時代に

お金の持ち方も変わった。

現金+トラベラーズチェック+クレジットカード。

それが平成初期の海外旅行のお金の持ち方だったと思う。

トラベラーズチェックは、無くしたとしても世界各所のオフィスで再発行が出来ると言う、何とも便利な代物だったけれども、今や、死語だし見る機会も無くなってしまった感がある。

僅かな現金+クレジットカード。
僅かな現金+国際キャッシュカード。

現地の国のATMでそのまま自分の銀行口座からお金を下ろす(もしくはキャッシングする)。

それが今の主流になった。

使えるATMさえあれば、どこでもお金を引き出せると言う時代になった。

ボク自身も、最近、あまり両替所と言うのを利用していない。

利用するとしても、国を跨ぐ時に、外貨→外貨と使うぐらいで、もっぱら海外のATMで自分の口座からお金を下ろすと言う感じになった。

トラベラーズチェックが無くなってしまったのは、個人的には残念な部分があったりはするけれども(再発行が効くのは、やっぱり長期間の旅になるほど便利だと思うので)、ATMから預金を引き出せると言うのは、便利さしかない。



テロとの戦い

“旅がしやすくなった30年”。

そう、そのハズだった。
だけれども、一方でそう言い切れないのも、この平成の30年だったのかも。

その筆頭は、やっぱり“アメリカ同時多発テロ”。

ソ連が無くなった後、唯一の超大国として君臨していたアメリカ。

そのアメリカで、飛行機を乗っ取って、そのままビルに突撃すると言う卑劣なテロ事件は、それまで融和に向かっていた世界の流れを一気に変えた事件だった。

その後も、世界各地でテロによる事件は続くコトになり、先日もスリランカで多発テロがあったばかり。

今までは“国”と“国”。
“民主主義”と“社会主義”と“共産主義”。

そう言う対立軸だったのが、一気に無差別に無関係の人を巻き込むとテロと戦わなくてはならなくなったのが、この30年。

“宗教”の違いと言うのは、歴史的に見ても、紛争の火種になって来たのは、今までもある話だけれども、それがこの平成の時世で戻って来たと言う感じ。

旅中のテロほど厄介なモノはなく、個人では防ぎようのない話な訳で、新しい“令和”の時代になって、どうこれらのテロ活動を収束させていくのか…と言うのが、1つの課題にはなるんだろうな。

激動の平成が終わって…

30年。

長い様であっと言う間の時間なハズ。
だけれども、この30年を振り返ってみると、やっぱり激動だったんだな…と、改めて思う。

でも1つだけ言えるコトがある。

この30年で、世界は明らかに旅がしやすくなった。
ボクらは、良い時代に生まれたんだ、と。

特に、日本にいるとそれを実感する機会は少ないかも知れない。
だけれども、ボクらは、良い時代に生まれているんだ、と。

明日からは“令和”。

この平成の30年が終わって、またどんな時代になるのやら。

どんな旅のスタイル・楽しみ方が生まれる時代になるんだろう…

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