2019年10月から消費税が8%から10%に上がって、やっぱり節約モードかと思いきや、政府主導の「キャッシュレス還元」や店舗や決済側が大規模な還元策を行っている最中なので、逆に消費税が上がる前よりも、税込金額で安く購入が出来る様なコトが多々、起きていて、もう何が何だか…
でも、所詮、そうした還元策は、一過性のキャンペーンに過ぎない訳ですから、何とかして家計を防衛したい所ではあります。
「株主優待」って、そう言う意味で、貰う部分に関しては増税に関係はないので、ある意味、節税対策にもなるんだよなぁ…なんて、改めて思いつつ、シリーズ3回目(実質、2回目だけれど)。
初回はJALの株主優待について取り上げましたが、今回は、大手旅行会社のH.I.S(エイチ・アイ・エス:9603)を見てみます。
H.I.Sの株主優待は100株で2,000円相当!
H.I.Sと言えば、海外への格安航空券、そして格安ツアーの印象が強い旅行会社ですが、国内についても取り扱いがある他、2010年からは長崎のハウステンボス、2014年からは愛知にあるラグーナテンボスを運営しつつ、ホテル事業も拡大させるなど、事業領域を拡げている会社。
まずはH.I.Sの株主優待の内容について、見てみると、こんな感じ。
保有株式数 | 優待内容 | ||
H.I.S株主優待券 | ハウステンボス入場割引券 | ラグーナテンボス入場割引券 | |
100株以上 | 2,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
500株以上 | 4,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
1,000株以上 | 6,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
それぞれの利用条件は、こんな感じ。
最低の単元株である100株でも、2,000円分相当の優待券が貰えます。
さらにグループ会社のハウステンボスとラグーナテンボスの入場割引券もゲット出来ると言うシロモノ。
利用可能場所:
・エイチ・アイ・エス
・エイチ・アイ・エス沖縄
・ハウステンボス(直営ホテルの自社宿泊プラン限定)
・クオリタ
・クルーズプラネット
・欧州エキスプレス
・自社サイト(現地決済の海外ホテル・国内航空券/レンタカー/体験レジャーは不可)
・サプライス!(海外航空券ならびに海外航空券+ホテルのみ利用可能)
利用条件:
・1回の旅行につき、1名分の旅行商品の販売価格が12,000円以上については1枚
・1回の旅行につき、1名分の旅行商品の販売価格が24,000円以上については2枚(上限)
注意点は、12,000円以上で1枚(1,000円分)が利用出来、上限が1回の旅行につき2枚までと言う点でしょうか。
ただ家族や複数人で旅行の際は、予約を分けてしまえば、使えるってコトかな…(←未確認です)?
ハウステンボス入場割引券■
利用条件:
・入園券をハウステンボス料金所で購入時に提示するコトで、1人につき500円割引
・入場割引券1枚につき最大5名まで利用可能
ラグーナテンボス入場割引券■
利用条件:
・入園券をラグーナテンボス料金所で購入時に提示するコトで、1人につき500円割引
・入園割引券1枚につき最大5名まで利用可能
権利確定日は、毎年4月末と10月末。
それぞれ7月下旬と翌年1月下旬ごろに到着すると言う形で、年に2回、優待が貰えると言うのは、やっぱり嬉しい限りですね。
特に4月末確定分は、7月下旬に到着する形なので、ギリギリ夏に使えると言うコトになります(さすがにそこからの旅行の手配は、予約状況的に厳しいかも知れませんけれど、ハウステンボスとかでは利用価値が高いかと)。
H.I.Sの業績はどうなの?
とは言っても、そもそも「株価が下がったら元も子もない」のが、株式の世界。
それは優待を主目的にした株式取得であっても同じコト。
しかも旅行産業は、世界的な動向にも大きく左右されますから、なおさら気にしたいのが、業績と言う部分になります。
と言うコトで、直近のH.I.Sの業績を見てみます。
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 利益 | 1株利益 |
2016年10月連結 | 523,705 | 14,274 | 8,648 | 267 | 4.3 |
2017年10月連結 | 606,024 | 15,915 | 19,647 | 13,259 | 219.5 |
2018年10月連結 | 728,554 | 18,024 | 19,440 | 10,971 | 191.3 |
2019年10月連結会社予想 | 800,000 | 16,000 | 15,300 | 11,300 | 167.3 |
配当金を見てみると、こんな感じ。
配当 | 配当金 |
2017年10月 | 29円 |
2018年10月 | 29円 |
2019年10月予 | 30円 |
2020年10月予 | 30~32円 |
自己資本比率は14.7%。PERは13.69倍。PBRは1.72倍。
高値と安値は、以下の通り。
銘柄名 | H.I.S |
年初来高値 | 4,520円(2019年3月1日) |
年初来安値 | 2,346円(2019年8月15日) |
上場来高値 | 6,060円(2014年2月27日) |
上場来安値 | 870円(2008年10月10日) |
で、現在の株価は、こんな感じ。
H.I.Sの株主優待は、お得なのか?
さて、これを踏まえてみると…
優待までの単位株である100株までの最低売買代金は、27万円近い金額になっています(2019年10月5日時点)。
優待の旅行券+入場割引券1人分を使った所で、年間の優待金額は6,000円。
配当利回り+優待利回りを合わせても、そこまでお得感があるかと言われると、正直、そこまでの妙味はないですかね。
ご家族でハウステンボスなどに行かれる予定がある場合は、ハウステンボス優待が1枚につき最大5名まで利用可能なので、例えば、家族4人だった場合は、2,000円分の割引にパワーアップするので、配当利回り+優待利回りがアップしますけれども。
ただハウステンボスって、国内でも確かに人気のあるスポットではありますが、そう度々、訪れる人が多いかと言われると、行きやすい人以外は、そう多くない様にも思いますし。
また仮に売買をするとした場合の流動性も高くはない気がします。
格安航空券を取り扱う「サプライス!」で利用可能と言うのは、有り難い感じはありますが、「サプライス!」は比較的よく割引券を配布しているサイト。
ですが、こうした優待券は、他のギフト券やクーポン・割引券・割引制度との併用が出来ないと言うのも、ネックですね。
H.I.Sはホテル事業も手掛けていて、「変なホテル」・「ウォーターマークホテル」・「グアムリーフホテル」・「グリーンワールド」の4ブランドを持っています。
「変なホテル」は国内14ヶ所(今秋、変なホテル関西空港もオープン予定)。
「ウォーターマークホテル」は長崎とバリの2ヶ所。
「グアムリーフホテル」はグアムに1カ所。
「グリーンワールド」は、台湾に16カ所。
「H.I.Sホテルホールディングス」を中間持株会社として、これからも拡大を続けて行くのでしょうし、TOBには失敗しましたが、ユニゾホールディングスを傘下に入れようとしたのは、その表れ。
また熊本の「九州産業交通ホールディングス」も傘下に持っていたりします。
これらの参加企業グループでも優待券利用が拡大すると、また株式を持つ理由が増えるとは思うのですけれどもね。
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