アイスランド航空、LCCのWOWエアを買収!

アイスランド航空、WOWエアを買収!

アイスランドを拠点にしているアイスランド航空が、同じくアイスランドをベースにしているLCCのWOWエアを買収するコトを発表しました。

買収後も、WOWエアとしてブランドを残して操業を続けるとのコトなので、WOWエアの名前は当面残る形で、アイスランド航空はフルサービスとLCCの2社体制に移行する形になります。

ここ最近、ヨーロッパの航空会社で淘汰が進んでいたりします。

ざっと振り返ってみても、

・モナーク航空(イギリス:2017年10月)
・エアベルリン(ドイツ:2017年10月)
・スカイワーク航空(スイス:2018年8月)
・VLMエアラインズ(ベルギー:2018年8月)
・プリメーラエア(ラトビア:2018年10月)

と、経営破綻が相次いでいたりします。

まぁ、ヨーロッパはLCCを含め、かなり航空会社の数も多いので、淘汰が進むと言うのは、ある意味、自然な流れなのかも知れませんが、エアベルリンなんて、ワンワールドに加盟して、ある程度の規模を誇っていましたし、プリメーラエアもラトビアの他にデンマークにも拠点を持っていたのですが…

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WOWエアを買収する背景は?

こうした中での今回、WOWエアのアイスランド航空による買収。

WOWエアと言えば、格安航空会社の中でもかなり安い運賃を打ち出していた航空会社の1つで、ニューヨークやワシントンと言った東側の都市だけでなく、ロサンゼルスやサンフランシスコと言ったアメリカ西海岸路線にまで就航しているLCC。

アイスランド航空も、同じ様に大西洋横断路線へ注力しており、今回の買収でより大西洋路線のシェアを高めるコトが出来そうです。

ただ、そもそもアイスランド航空は使用機材がボーイング系。
WOWエアはエアバス系のみと、機材に互換性はないのが現状。

さらに、人口規模の少ないアイスランドのみの需要だけでは、経営が成り立たないのは明らか。

何と言っても、アイスランドの総人口は、33万人強。

日本で言うならば、地方都市レベルで、首都のレイキャビックですら約12万(首都圏人口は約21万人)でしかナイ中で、航空会社を維持すると言うのは、厳しいモノがあるのは、想像に容易い所。

そうした中で、大西洋路線がある訳ですが、肝心の大西洋路線ではアイスランド航空とWOWエアは、完全に競合関係にあり、合併した所で補完関係にあるとは言いがたかったりします。

WOWエアは燃油費の高騰などもあり、2017年には、売上高約550億7,000万円に対し、約31億2,000万円の損失も出しているほどだ。

果たして、人口規模が少ないアイスランドにベースを持つ両社が、どこまで統合効果が発揮出来るのかは、謎な所ではあります。

まぁ、他社に取られるぐらいならば、取り込んでしまえ…と言う感じなのかも知れませんけれどもね、アイスランド航空的には。



ノルウェージャンは、どうなるか?

同じく長距離路線を運航しているLCCのノルウェージャンも、経営の継続には疑問符が投げかけられており、一時は、ブリティッシュエアウェイズやイベリア航空の親会社にあたるIAGによる買収が検討されたほどで、IAGは現状、ノルウェージャンの株式を4%ほど保有していたりもします。

但し、2018年7月に発表した第2四半期は前年約94億円の赤字から、約40億円の黒字に転換をしたコトが発表されており、成長を鈍化させても、利益を確保して行く流れにはなりそうですが。

アジアに目を向けると、インドネシア・エアアジアXも日本からの撤退が発表されており、会社の存続に疑問符が灯り始めていたりします(詳しくは、『【LCC】インドネシア・エアアジアX、日本撤退!』から)。

既にかなりの経営規模を誇り、東南アジアでの知名度も充分なエアアジアですら、厳しいのか…と、つい思ってしまいますが、今後、新たに就航するJALの長距離路線運航のLCCなんて、どうなるんでしょうね。

やっぱり長距離のLCCは厳しいのか。
ちょっとそう言う雰囲気も出て来た感じです。

個人的には、やっぱり燃油高の昨今、燃油サーチャージ代だけでもかなりの金額になる中で、運賃の安いLCCの長距離路線への就航は、有り難い以外の何物でもないので、頑張って欲しい所ですけれど…

[追記]WOWエア、ついに力尽きる!

この買収案ですが、結局、断念に追い込まれてしまいました。
理由は定かではありませんが、WOWエアの経営状態が想像以上に悪かったのか、アイスランド航空グループにそれを支えるだけの余力がないのか。

どちらなのでしょう…

その後、WOWエアは他の支援先を探していた訳ですが、2019年3月に突然、廃業するコトに。

即日、運航が停止され、大きな混乱に追い込まれました。

長距離路線を持つLCC。
しかもアイスランドと言うハブ地の人口が少ない中で、欧州~北米と言う大陸間移動に活路を見出すと言う新しいビジネスモデルだった様にも思いますが、やっぱりちょっとハードだったみたいで。

2019年3月31日追記

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