JALの第1四半期の決算が発表に。
まだまだ厳しい内容と言わざるを得ないが、足元では感染者が大きく拡大している情勢。
これが次の決算にはどう影響するんだろう…と言う感じ。
JALは579億円の赤字!ANAの赤字を上回る!
ANAに続いて、JALグループが、2021年度3月期の第1四半期決算を発表しました。
コロナ禍後、ANAよりもまだマシと言うレベルでの決算が続いてたJAL。
まぁ、ホントにまだマシと言うレベルなだけで、厳しい決算と言う意味では一緒ですけれどもね。
ANAは売上がやや改善し、赤字額も縮小していましたが、JALの当期純損益は、579億円の赤字と、ANAに比べると厳しい結果で終わっています。
ひとまず具体的な数値を見てみます。
今期 | 前年同期 | 前年同期比 | |
売上高 | 1,330億円 | 763億円 | +74.1% |
営業費用 | 2,154億円 | 2,058億円 | +4.7% |
EBIT | ▲826億円 | ▲1,310億円 | - |
当期純利益 | ▲579億円 | ▲937億円 | - |
売上高は、566億円の改善。
一方の営業費用は、96億円増加して、2,154億円と言う結果に。
ANAは、営業費用で171億円の改善を見せているので、この辺りは差が出たと言う形になり、当期純損益も、ANAは511億円の赤字でしたが、JALは579億円の赤字…と、JALとANAの結果が逆転する形になった決算になりました。
国内線はやや戻り始めた…と言う状態
具体的に航空事業を各セグメント別に見てみると、こんな感じ。
セグメント | 今期 | 前年同期 | 前年同期比 | |
売上高 | 国際旅客 | 112億円 | 27億円 | +315.0% |
国内旅客 | 380億円 | 189億円 | +100.8% | |
貨物郵便 | 476億円 | 265億円 | +79.3% |
引き続き、国際旅客は売上が激減している状態。
1,306億円の売上高があった2019年度第1四半期と比べても、まだ9%に留まる感じ。
こちらはまだまだ戻って来る感じはしませんね。
国内旅客については、前年よりほぼ倍増した380億円。
戻り始めたのかな…と言う感じもしますが、こちらも1,271億円あった2019年度第1四半期と比べてみると、約30%と言う水準。
国際線が壊滅的でまだ先が見えない状態を考えると、本来は、もっと主軸となるべき国内旅客がANAの502億円と比べても戻りがやや鈍そう。
搭乗率も40%に留まっているので、飛ばせば飛ばすだけ赤字になると言う水準だと言えそう。
貨物郵便に関しては、引き続き、好調を維持していますが、前年同期はあまり売り上げが変わらなかったANAと比べると、貨物専用機がナイこともあってか、随分と引き離された感じ。
JALとANAの戦略の差が出始めた?
借入金残高が580億円ばかり増えているのは、春秋航空日本を子会社化したなどの結果で、資金流出は約1,000億円程度になっている。
手元の資金は3,570億円残っているので、当面の資金繰りには問題がないと言える(この他に、未使用のコミットメントライン3,000億円がある)。
月別のキャッシュバーンは、約100~150億円。
第2四半期以降は、月間約50億円程度にまで減少する見込みだと言うが、感染拡大が国内で続いているコトから、これもどこまで減少幅を抑えられるか…と言う所。
ただ元々、JALとANAは会社の規模で見るとANAの方が断然大きい。
それなのに赤字額がANAよりJALの方が大きくなったのを、どう捉えるのか…と言う感じ。
借入金の残高は、JALの方が断然に少なく、5,733億円(ANAは1兆6,548億円)。
設備投資額もANAは絞ったのに対して、JALはそこまで絞り切らなかった。
機材的に見ても、2020年度期末に比べると、子会社化した春秋航空日本分の6機が加わって、今回の決算では合計で9機増えている状態。
この辺りの戦略の差も決算に影響しているのかな…と言う感じ。
ANAに比べると、やや物足りなさも残るが、この第1四半期だけで判断するのも難しい感じはある。
ただ、戻りがまだまだ弱く、当面はこの状態が続くとしたら、やはり非航空分野で確実に収益が出せる分野が1つは欲しいところなのかな…と言う気はしますね。
ANAは貪欲に収益確保に動いている感じはあるが、JALにもそう言う動きが欲しい感じはしますね。
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