京阪中之島線、IR開業までの九条延伸断念!今後、どうなる?

2030年秋までの九条延伸を断念!

関西鉄道大手の「京阪電鉄」を擁する「京阪ホールディングス」が、かねてから計画していた中之島線を西に延伸する構想について、2030年秋までの開業を断念するコトを明らかにしました。

現在の中之島線は、中之島駅から本線の天満橋駅までの3.0kmの路線。
その名前の通り、中之島の地下を走っており、京阪本線と一体化されて運用されている路線。

2004年の近畿地方交通審議会答申では、中期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線として、中之島駅から西九条駅を経て、此花区の新桜島・夢洲方面へ延伸する案が提示されましたが、京阪としては他路線との連絡が可能な西九条駅までの延伸を希望していた。

その後、大阪メトロ中央線の九条駅への延伸を構想として明らかにしていたのですが、今回、夢洲にカジノを中核とする統合型リゾート(IR)が開業するまでの延伸を目指していましたが、2030年秋までの開業を今回、断念するコトで、IR開業までには開通が間に合わなくなるコトが決定的になりました。

延伸するコトで、大阪メトロ中央線と乗り換えが可能になり、京都と夢洲が繋がると言う構想でしたが、大阪府とIR事業者が昨秋に締結した実施協定に、2026年9月末までは事業者側が違約金なしで撤退ができる「解除権」が盛り込まれたコトで、IR自体が白紙撤回になる可能性が残されたため、リスクが大きいと言うのが、判断の理由。

延伸の構想自体を諦めた訳ではなさそうだが、物価上昇・人件費高騰などで事業費が膨らむ懸念もあり、実際の延伸となると、まだまだ課題が残りそうではある。

需要予測を大きく下回る中之島線

ただ京阪としては、この中之島線の活用と言うのは、至上命題。

元々の路線が、大江橋~天満橋間は、京阪本線の淀屋橋~天満橋間とほぼ隣り合わせで走っている状態。
さらに渡辺橋駅は大阪メトロの四つ橋線と乗り換えが可能だが(四つ橋線側は肥後橋駅)、終点の中之島線は現在、乗り換えできる路線がない。
いずれなにわ筋線が開業すると、中之島駅で乗換が可能になる見込みだが、単独駅と言えども、需要が少なく、コロナ化以前の2008年でも1日平均乗車人数は10,000人を大きく下回り5,000人程度と低迷している状態。

もちろん、中之島線の開業で、本線側で手狭になっていた淀屋橋駅の緩和と増発が可能になったのは、間違いない。

ただそれにしても想定よりも需要が大きく下回っている状態。

これに対して、ダイヤは縮小する一方。

2008年の開業当初の日中には1時間当たり平日8本・休日6本の運転で、快速急行などが運転され、朝ラッシュ時には、交野線からの直通通勤快急なども運転されていた。

それが今や、朝ラッシュ時こそ通勤快急(朝下りのみ3本)・準急・通勤準急(朝下りのみ4本)・区間急行などが入ってくるが、日中は萱島発着2本・枚方市発着2本の1時間4本の普通列車のみの運転にまで縮小されている。

ダイヤが縮小されたが故に、さらに利用者が増えないと言う悪循環にもなっている。

中之島線の活性化は、京阪の至上命題にもなっているように思えるが、今回、早期の延伸断念で、さらに活性化が難しくなりそうな情勢になった。

なにわ筋線は確かに光だが…

なにわ筋線が開通したら、京阪沿線から関空へ行きやすくなるのは、間違いない。

ただ中之島線がどこまで活性化するかは未知数。

そもそも関空行の特急などが、中之島駅に停車するかどうかと言われると、可能性は高くなさそうですし、確かに京都まで関空から行けるようにはなるが、そもそもJRならば1本で行ける訳なので、需要が京阪に大きく移るとは思えない。

IRも需要は小さくはないが、九条への延伸だと乗り換えも生じる訳で、そこまで爆発的に需要が伸びるかと言われたら、疑問符でしかない。

となると、中之島線の活性化はかなり難しいように思えるが、京阪の中ではどう描いているんでしょうね。
確かに京阪の中では、ポテンシャルを持っている路線ではあるのでしょうが…

1枚につき、1,000円を日本赤十字社を通して募金いたします。

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