5年連続の赤字だが、業績は回復に!
ANA直系のLCCである「ピーチ」が、2023年3月期の決算を発表しました。
前年度には、4期連続の赤字で、赤字額も過去最大になっていた「ピーチ」ですが、旅客需要の回復を受けて、どこまで業績が回復しているのか…と言う感じですが、ひとまず、こんな状態。
項目 | 2023年3月期 | 2022年3月期 | 2021年3月期 |
売上高 | 905億6,000万円 | 386億7,900万円 | 219億500万円 |
営業損益 | ▲150億4,900万円 | ▲398億5,100万円 | ▲359億3,700万円 |
経常損益 | ▲149億4,500万円 | ▲387億9,000万円 | ▲345億9,100万円 |
当期純損益 | ▲124億7,100万円 | ▲535億6,800万円 | ▲295億500万円 |
これで5年連続の最終損益が赤字と言う結果に。
ただ売上高に当たる営業収入は、急回復。
2022年3月期と比べても2倍以上に伸びていますし、2021年3月期と比べると4倍以上に伸びているので、航空需要は回復しているのは確か。
売上高が回復したコトで、赤字額も前年度より411億円もの回復。
ANAもJALも業績が急回復した状態ですが、LCCの「ピーチ」もそれに続いての業績回復と言う感じ。
決算的にはまだ赤字が残る段階。
ただ前年度までは売上高を上回る赤字額を計上していましたから、とりあえず、ようやく一息…と言う感じでしょうか。
2023年度通期で黒字化なるか?
親会社に当たるANAが発表した決算でも「ピーチ」に関しては触れられていて、旅客数は前年同期と比べると82.2%増の777万人。
座席利用率も11.9%増の73.5%であるコトを明らかにしていたので、ホントにあともう一歩と言うところまでは来ているのかも知れませんね。
「ピーチ」としては2023年度の通期での黒字転換を目指したいところ。
ただ国内線に関しては、全国旅行支援の影響が剥離するでしょうし、国際線については、高止まりしていた航空券代が一転して、いつ競争が激しくなってもおかしくはないぐらいに便数が戻って来ているので、どこまで狙い通りに行くのか…と言う気はしますが。
対抗するJAL系の「ジェットスター・ジャパン」は、コロナ禍以後、新しい展開に欠けるような状態
コロナ禍でも、「ZIPAIR」は着実に路線網を広げましたが、これは立ち上げがコロナ禍だったからと言うのもあるし、そもそも貨物も搭載できる機材だったのが大きい。
「ピーチ」と「ZIPAIR」で、何とか日本発のLCCも盛り上げて行って欲しいんですけれどもね(現時点では、さほど事業領域はバッティングしていないですし)。
日本人の海外旅行熱が盛り上がらないと…
ってか、本来ならば、コロナ禍の反動でLCCが盛り上がっても良さそうなのに、そうならないんでしょうね、日本は。
燃油サーチャージも下がったと言えども、まだまだ高止まりしているので、フルサービス型のキャリアだと、かなりお値段が掛かる状態なので、国際線なら、もっとLCCに旅客が流れても良さそうな気はするのですが。
肝心の日本人の海外旅行熱が盛り上がっていない状態と言うのが、やっぱり大きいのかな?
需要喚起策を含め、日本人の海外旅行と言うのが盛り上がって行かないと、赤字額は縮小したし2023年度の通期で黒字化と言うのもあり得そうだけれど、本格的な勢いは出てこないのかも知れないですね。
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