国鉄時代から続いたフルムーンパス、ひそかに販売終了に!

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国鉄時代から長く続く商品

まだ国鉄だった1981年に誕生した「フルムーン夫婦グリーンパス」(以下、フルムーンパス)が、販売終了になった模様。

“模様”としましたが、特に公式の発表があった訳じゃないのですが、例年、8月下旬に10月から翌年の6月までの発売予定がリリースされていたのが、今年に限ってはなく、メディアなどの問い合わせによって終了になっていたコトが判明した形で、最後は静かに幕を下ろしたと言うコトに。

フルムーンパス。

商品の概要としては、こんな感じの商品であった。

  • 利用条件|2人の年齢が合わせて88歳以上の夫婦
  • 販売価格|
    ・5日用…84,330円
    ・7日用…104,650円
    ・12日用…130,320円
  • 販売期間(2021年度発表分)|2021年10月1日~2022年6月30日
  • 利用可能列車|新幹線・在来線特急を含むJR線グリーン車が期間中乗り放題(一部除外アリ)

国鉄(民営化後はJR全社)のグリーン車が乗り放題になると言うかなり贅沢な企画切符であったが、その割に値段的にはかなりお得なパスになっていた。

但し、発売後に営業を開始した「のぞみ」は、「フルムーンパス」では乗車できず、さらにその後は「みずほ」も適用外になるなど、一部、例外はあった訳ですが、特に販売が落ち込んだ…などと言う話題もなく、毎年、淡々と発売になっていた感じもしたので、販売終了はやや意外な気もしましたけれどもね。

販売終了の理由は?

コロナ禍で、特に高齢者層の公共交通機関を利用しての旅行と言うのが、やや憚られる時期はあった。

ただようやく行動制限のない時期に来て、特に目立って販売低迷の話題もなく、仮に販売が低迷していたのであれば、テコ入れの気配もなく、販売終了…

発売開始後、かなり長い期間が過ぎている商品にしては、異例の展開のようにも思う。

まず販売終了の理由として考えられるのは、

  1. 利用区間がJR全社に跨るコト
  2. JR全社に跨るので、実入りが少なかった
  3. グリーン車が減って来た?
  4. 夫婦に焦点を合わせた特徴が、時代に合わなくなってきた?
  5. 高年齢層が元気になった

この辺りなのかな?と素人目線では思ったり。

分社化してJR各社は最初の頃こそ、独自性を維持しつつも、JRグループとしての動きが強かったですが、昨今は、自社管内への需要喚起と言うスタイルがやはり一般的。

そもそもJRグループではありますが、最早、歴史を同一にするだけで資本は別ですし、隣り合わせになっていない会社もある訳ですし、足並みが必ずしも合わなくなってきた感じはある。

また自社管内で完結する商品よりも、会社を跨ぐ商品の方が、実入りが少ないのも事実。
同じ80,000円の商品を売るならば、100%、自社の売上・利益になる商品の方を推したくなるのは、当然の論理なので、全社揃ってのパスと言うのが、もう事業会社の方向性とマッチしなくなって来ている感じはしますね。

他の理由としては、何気にグリーン車が編成されている特急が昔に比べて減った感じはしますかね。
あくまでも感覚的な話なのですが、短編成化されて指定+自由のみの特急が増えたような感じ。
「南紀」「まいづる」「はまかぜ」あたりからグリーン車がなくなりましたが、他にも短距離化(長距離特急の運転区間の分割)などにより誕生した特急も、グリーン車がなかったりしますしね。

いや、その前に、そもそも特急自体、少しずつですが、減って来ているのかな?と言う感じも。

また当初は、「のぞみ」も走っていませんでしたが、今のように「のぞみ」が主流になっている東海道・山陽新幹線だと、ちょっと使い勝手も悪いですしね。

あとは時代背景的にLGBTQが尊重され、男女の“夫婦”と言う形に捉われた商品が、マッチしなくなってきた感じもある。

いや、その前に未婚率が高くなっているので、男女間であっても夫婦が減ってきたと言うのもあるのかも知れないけれど。

あとは昔よりも長寿になり、年齢が高い層がより元気になった感じがありますよね。
昔なら還暦を過ぎると一気に老け込んだ感じだったのが、今はまだ還暦を過ぎても働いている人も多いですし。
そうした元気な高齢層は、必ずしも電車を使っての旅に魅力を感じないのかも知れませんね。
飛行機旅でも別に、そこまでの抵抗感はナイでしょうし。

テコ入れがあっても良かったハズ…

コロナ禍で、ひっそりとなくなるモノと言うのは、結構、多いような気はする。
なくなる…とまで行かなくても、特徴を大きく変えるとか…

「フルムーンパス」は、長く親しまれた商品ですし、駅などでも盛んにポスターが貼られていたので、何らかのテコ入れがもう少しあっても良かったのでは?と言う気はしますけれどね。

さすがに夫婦と言うのは、そもそも商品のコンセプトなので外しにくいでしょうが、2人の年齢合計が88歳以上なので、実は夫婦が共に44歳以上なら利用できるので、高齢者向けとも限らない商品でしたから、それをもっと打ち出すとか。

そう言うコトがなかったと言うコトは、もうそれだけJR各社の戦略とマッチしていない商品になっていた…と言う話なのかな?

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