ANAの第3四半期決算は、貨物が好調ながら、累計で3,095億円の損失!

そう言えば、先日、JALの第3四半期決算の内容を記事にしましたが、それよりも前に発表になっていたANAの第3四半期決算の記事を書き忘れていたので、今更ながらですが、記事に記しておきます。
因みに、ANAの第2四半期決算の状況は、こんな感じでした。

第3四半期累計で3,095億円の純損失!

第3四半期決算としては、売上高は、前年同期と比べて2,904億円減の2,357億円。
純利益も、前年同期より1,507億円悪化して1,210億円の赤字に転落。

第3四半期累計でも、売上高は5,276億円(前年同期実績1兆545億円)、純利益は3,095億円の損失(前年同期より3,960億円の悪化)。

第3四半期の結果を見てみると、こんな感じ。

 今期前期実績
連結|売上高2,357億円5,261億円
連結|純利益▲1,210億円296億円
国際線|旅客収入127億円1,695億円
国内線|旅客収入773億円1,847億円
貨物郵便|売上高592億円361億円
国際線|利用率18.9%76.9%
国内線|利用率53.3%72.5%

貨物収入は前年より伸ばしたと言う感じで、第3四半期累計でも1,207億円と前年より169億円伸ばした形になりますが、それでも旅客収入の減少の方が大きく…と言う状態。

引き続き、コスト削減も進めており、第3四半期の実績は1,400億円。
年間を通して5,580億円が削減される見込み。

その内、機材や人材に関する固定費に関しては、年間の削減額が1,580億円に達しそうな状況とのコト(雇用調整助成金受給額を含む)。

この辺りは、JALよりもANAの方が財務内容が厳しいと言うコトもあって、より踏み込んでいる感はありますね。

ピーチの累計売上は153億円!

国際線は台北線が運航を再開し、国内線も8月に成田~釧路・宮崎、10月に那覇~新千歳・仙台、12月に中部~新千歳・仙台を新規で開設しているLCCのピーチの第3四半期の実績も発表になっていますが、こちらはこんな感じ。

 今期前年度実績
旅客収入68億円181億円
利用率53.7%82.0%

累計での売上も、前年は643億円ありましたが、今期は153億円に留まる形。
前年度の第3四半期のみの売上高が181億円でしたから、今期の9ヶ月分でも、前年度の3ヶ月分に届かない…と言うような状態になっています。

さらに単価も今期の累計で見ると、9,705円で、前年同期の11,136円から大きく下げると言う形になっています。

まぁ、単価に関しては付帯収入が見込める国際線がほぼ壊滅状態だから…と言うのも大きいのかも知れませんけれどもね。

来期の黒字化は達成できるのか?

既に機材の整理に取り掛かっているのは、第2四半期の決算記事でも書いたのですが、前期と比べると既に7機の減で、合計262機に。

1日あたりのキャッシュの流出額も、第1四半期は1日19億円だったのが、第2四半期には9億円になり、第3四半期では5億円にまで減少している状態。

ただそれでも売り上げの減少が大きく…と言う感じの決算でしょうか。

JALは早々に貨物需要の取り込みに舵を切りましたが、ANAもこの第3四半期辺りからその効果が出て来た感じ。

特にJALは貨物専用機材を持っていませんが、ANAはそれが11機ほどあるのが、大きく、高単価が見込める上海・バンコク・フランクフルト・シカゴに大型のボーイング777F型機を投入した形で、上半期6ヶ月間と同規模の収入を第3四半期だけで計上するまでに。

赤字の金額だけで言えば、JALよりもANAの方が大きいですし、そもそも借入金額など財務内容もJALの方が良好なのは確か。

ただ損失率と言う観点から見れば、ANAの方が良好なのも事実。

ANAとしては、“来年度の黒字化”を至上命題に掲げている状態ですが、堅調に国際貨物が推移し、国内線の座席利用率が改善してくれば、ようやく薄っすらとですが、光ぐらいは見えるのかな…と言う気がしますが、それでも黒字化…と言うのは、相当、ハードルも高そうに思えるのだけれど、また何か考えがあるのだろうか…

また仮に想定以上に需要の戻りが早くても、増資などもありましたし、借り入れ負担も大きく、財務が傷ついたのも事実で、どこまでそれがボディーブローのように効いてくるのか…と言う感じがする決算でしょうか。

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